セイコー TypeII
クォーツ
キャリバー7123A
2石
亀戸製
1978年製
社外品ブレスを着せて
ドラえもんのレプリカ原稿を敷いて
今日は、1が並んだ11月11日なので、Type11ならぬ、TypeIIです。セイコーの古いクォーツ、国産時計好きな人にはおなじみの時計です。
機械式の古時計の高騰に耐えられなくなった同胞が手を出していていま、ホットなオールドクォーツですが(そうなのか?)、その中でも今ならとってもお安く手に入ります。
ジャンクで手に入れて電池交換をしたら動いていたのですが、しばらくしたらとまってしまいました(過去記事↓)
回路・コイルは生きているけど、輪列に付着した油やゴミが劣化したために、弱いパワーでは動けなくなり秒針がわずかにピクピクするという症状です。
なんどか、こういうのに出会ってきて、分解掃除すれば復活しています。
現行のチープなクォーツだと、もしこうなったらムーブごとポンと交換でしょうが(明細書にはオーバーホールと書かれるのかも?)、まだ気合の入っていたころのしっかりしたムーブです。樹脂パーツはほとんどありません。洗浄して再び使うことも想定されていたのでしょう、たぶん。
裏蓋にメモしています、輪受けをかるくウォッシュしても直らなかったのです。たしか。だから、今回はちゃんと分解します。ちゃんとと言っても簡易です。
スペーサーをはずしてリューズを抜いて準備開始。
SEIKOロゴの上が傷ついていますがそれ以外はまずまずです。水晶マークがかっこいいです。
文字盤裏
ロレとかニセモノがあるものについては文字盤裏の情報も大事だと思って、毎回撮影しています。タイプツーのニセモノは存在しないでしょう。
文字盤の下のリングをはずしたら、ムーブを台に乗せます。
とにかく、コイルを触ったらアウト、回路も触らないように、ここだけは非常に気を遣います。機械式のテンプ以上に心配です。
そっとはずします。電池まわりには、絶縁の意味もあって樹脂パーツがもちろんありますが、
全体的に、まだ機械式のころのような雰囲気があります。
本当は、この後、中央に見える小さな歯車たち(輪列)をはずすのですが、今回、はずしません。
本当は、この後、中央に見える小さな歯車たち(輪列)をはずすのですが、今回、はずしません。
裏へ行って
曜車を押さえているちいさなリング(Cリング)をはずすのですが、機械式に比べると薄くてペラペラなのです。
つい、ひん曲げてしまいました。残念。でも、なんとか使用可能でした。
カレンダーをはずします。
これで、大体、最低限はずさなきゃいけないものをはずしました。
日送りの歯車(画面左側の大きめな車)の歯が2本欠けていました。
夜中に無理やりカレンダーを早送りしたのか、理由は良くわかりませんが無理やり何かされたのでしょうか。
これで、今回の分解はおしまい。
ゴシゴシと輪列のホゾあたりを特によく洗います。
全体にそんなに大きな汚れは無いし、小さな歯車の破損・紛失のリスクが減ります。
磁石(ステップローター)に金属カスがこびりつくのも防げます。
では組み立て。ここのスキマに重めのグリスをつけて
日の裏側のカレンダー周りには9010を注油して
歯が欠けていた日送り車はジャンク個体から交換。
日の裏側から組み上げます。
カレンダーの歯にもごく少量9010をさしてみました。
それ以外の、輪列に関わるホゾには、非常に少量だけ、クォーツ専用オイルのAO-1を注油しました。
こちらが表側です。
分解してないので、コイルと回路を乗せるだけです。
ここでいったん、電池をいれて、稼動を確認します。
オーケーだったので、裏へ行って、曜車をいれて、ひん曲がって(なんとか修正した)Cリングをはめました。
文字盤をつけて、カレンダーが切り替わったところで、12時に針を刺します。
クォーツは秒針をしっかり秒マーカーに合わせることが大事です。後々気になるので。でも、けっこう難しいです。
ケースに入れたらば、電池を再投入して、おしまいです。電池はSR1130SWです。
これで、もうバッチリ復活しました。
現在、半年経っていますが、なんら問題なく、動いています。
簡易洗浄でもなんとかなるものですね。
精度も現行クォーツに負けてませんよ。
オールドクォーツも面白いです。機械式のパーツはヤフオクのおかげで手に入りやすいし、現行のチープなクォーツもムーブが手に入りやすい。でも、オールドクォーツはパーツの確保がちょっと心配です。回路やコイルが死んでいるとどうにもなりません。幸いタイプツーは現在もゴロゴロ出てくるので大丈夫ですけれど。
今日はこんなところで。
読んでくれてありがとうございました。