BVRGARI solotempo ETA cal.956.112(その1:電池交換と分解編)

ブルガリ ソロテンポ
クォーツ・ETA  その1 電池交換と分解編


年末に連載したレディース時計電池交換の最後の時計を更新していませんでした。
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ブルガリ ソロテンポ
クォーツ
7石
2針カレンダー
ETA Cal.956.112
純正ブレス

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ブルガリといえば高級宝飾ブランドの有名どころですね。LVMHグループで、電池交換やオーバーホールがとってもお高いのも有名です。
今日、ご紹介するソロテンポのレディースはETAでした。一般人に手に入る単価で3~4千円だと、メーカーとしてはいくらなのか。

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元々は電池交換の予定でしたが、不具合があり、分解掃除、ということになりました。

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ブレスとケースに細かい傷がありますが、これぐらいなら私でも多少はきれいにできそうです。
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まずはブレスを外します。やたらに特殊な接続だとイヤだな、と思ったら
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↑このようにピンが両側に付いている特殊で便利なバネ棒でした。
簡単に開けられます。無くさないようにしないと。
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さすがはブルガリで、ブレスレットは重厚で、でもしなやかで
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デザインもおしゃれです。↓こちらは裏面。バックルもしっかりしています。
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では裏蓋を外します。スクリューじゃなくてスナップです。
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ラグのあたりに、コジアケを入れるスキマがありました。
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ポコっと開けると、そこには豪華なコートドジュネーブの金ピカのムーブメントが、、!裏蓋と電池交換のハッチにはペルラージュです。
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とりあえずは電池交換だけなら、ここのハッチを開けて
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替えればおしまいなのです。ネジも金色です。赤いパッキンは丈夫そうです。
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で、一度これで終わったのですが
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リューズを引いて時刻合わせをしてみると、ものすごい重く、、
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少し回してみると、異常な手ごたえ有り。カレンダーもうまく回りません。ツヅミ車、日付送りか、ツツカナのあたりか、とりあえず、歯車がダメなようです。


とりあえずムーブメントも分解することにしました。
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金色のブルガリ印のカバーを外すと、見たことのあるような顔です。ETAですが、エボーシュマークも、キャリバーも書いてありません。ブルガリが「仕上げたムーブ」ですから。
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カバーの裏にサビが付いていたのできれいにしましょう。
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コイル・回路を外してあるので輪列やハックのレバーが見えます。
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黒いプラのスペーサーが、しっかりはまっていて、無理にやると壊しそうです。スペーサーと言えども、壊したら最後、手に入らないので、慎重に慎重にやらねばいけません。。外したら毎回壊れる、というようなメーカーのトラップが無いだろうか、と心配しながら、無事に外せました。
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こうなれば、なんとかなりそうです。
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ムーブ台に固定して、針を外します。針は繊細な黒塗りの細いもので、シンプル。

文字盤はマットな仕上げ。さすがによくできています。汚さないように注意注意!
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文字盤の足は、フックで押さえてあるので、ピンセットでクイっと外します↓
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文字盤の裏
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さて、パット見たところは良くわかりませんが、
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怪しいのは、この辺です。
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この後、とりあえずバラしていきます。写真は省略してありますが。
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結局、ETAのどのキャリバーなのか、ネットの画像とにらめっこした結果、
956.112であろう、ということで、新品ムーブメントを入手しました。
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ムーブを全とっかえでもいいのですが、
ETAマークが入っていないほうが、一応オリジナルに近いわけですし、もしかすると、針の高さが違うという恐れがありましたし、あくまで、パーツのドナーとして頑張ってもらうことにしました

ルミノックスのロンダの例もありますから↓


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一応、針の高さをチェックします。これは時針(ツツ車)。汎用ムーブと全く同じです。分針も同じでした。

で、ルーペで見る分にはあまりわかりませんが、やはりいくつかパーツが不調でした。
まず、分針のつく歯車です。一体型なのですが、中央のカナ(ツツカナと一応、呼びます)と、大きい歯車のホゾの摩擦が強すぎる(油の固着でしょうか??)
ここが、時刻合わせでほとんど動かなくなってしまったようです。イメージ 30
右が新品


そういう状況で、時刻合わせを行うと、当然、マキシンから力が伝わる経路がみんな傷みそうです。

たとえば、ちいさな歯車で、小鉄車。歯が毛羽立ってしまっています。
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右が新品


ツヅミ車。上から見たところ、はっきりとはわかりませんが、コイツも不調で、小鉄とかみ合わなくなっていました。
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右が新品

日の裏車(?とよんでいいのか)も、歯先がやや傷んでいます。
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右が新品。右には装飾がありませんね。この辺がブルガリとの違いか。どっちでもいいよね。

それから、一応、日送り車も交換しました。

↓今回交換したパーツたちです。(右上のカンヌキは映っているだけで交換不要)これですっかり調子が良くなりました。
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もともと不調だったのかもしれませんが、私が破損に追いやった可能性も否定できませんねー。なんとも情けない話ですが。
先に気づけば、パーツ交換しなくても、分解して、ツツカナなどのパーツを良く洗浄するだけでも済んだのかもしれません。いずれにしても分解掃除が必要だったということですね。


電池を交換する前にももっと、点検をするべきでした。クォーツだと、どうも、電池交換さえすればいいと思いがちです。



さて、輪列の部分は問題が有りませんので、今回は、歯車を外さずに綺麗なベンジンでゴシゴシとよく洗いました。小さい歯車ですから扱うのはけっこう神経を使いますので、このほうが安全。
オシドリのところも、外すと結構厄介なので、やめた方が無難、、、。
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とはいえ、面倒なカンヌキオサエのあたりが外れてしまい、組み立ては結構苦労しました。ETAの一番イヤなところです。そのあたりは、次回、組立編で。

読んでくれてありがとうございました。
今日は、こんなところで。

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