SEIKO
Tomony
Cal.5018A
7石
手巻き
21600回/時
デジタル表示機構
社外薄手ブレスを着せて
セイコーの50系には、50A・C、5002A・B・C、5005A・C、5006A・C、5018Aのファミリーが存在します。5005と5006が自動巻きです。
スクールタイムやトモニーといった子供向け等の安い時計に使われていました。
廉価ムーブと言いながらもピンレバーではなく、7石使われています。
今の超チープクォーツとは違って、使い捨てではなく、メンテができる構造で、最大の特徴は、輪列を分解しなくてもオーバーホールできちゃう、という点です。
むしろ、分解してしまうと、総受けでアンクルからテンプまで受けているというおっかない作りです↓先輩は敢えて分解していましたが、
ちょっと、めまいがしたので、マニュアル通り、輪列は分解せずに洗います。
50系の中でも特徴的な、トモニーのメカデジ。愛称はシーガルです。
メカデジと言えば、スイスのHOGAをやったことがありますが、こちらのトモニーの方がシンプルで壊れにくそう。
では、分解に行きましょう。
トモニーのカモメマークも黄緑/黄の色合いもがかわいい。形も面白いです。
メカデジは、時分針をディスクに置き換えた楽しいデジタル表示です。でも秒針だけは普通の機械式と同じようにグルグル回って愛嬌があります。
いかにもチープな感じがします。でもちゃんとダイヤショックもついていますね。
巻真はけっこう複雑な形。血みたいなグリスが付いています
しっかりしたスペーサーを外して、ムーブを取り出します。
ケースはこういう感じです↓
横から見たところ。秒針の高さをなんとなく覚えておきます。文字盤はスペーサーの上に乗っているだけです。
秒針はこの形ですから変形させたり4番ホゾを折ってしまわないようによく注意して外します。
無事に取れました。
四番車のさきっちょが見えます↓
リボンのマークが見えます。クレストマークっていうらしいです。
文字盤はこのとおり、そっけなく足もありません。
ちょっと油なのか、ヤケなのか、文字盤側のスペーサーが変色しています。
スペーサーを外してムーブメントだけにします。時ディスクと分ディスクがこのようにはなってます
横から見たところ、この画面で見えるのは外側の時ディスクです。中央の軸に向かって、斜めに6本のアームが伸びてます。
いつもの針抜きは使えません。ピンセットで、しっかり、時ディスクの裏側の根本と、分デォイスクの表面を支えて、そうっと上へ持ち上げて抜きます。
無事に取れました。
このように時ディスクは分ディスクの下にアームが6本あって、中央で軸にはまっています。
表面に見えるのは筒車オサエ
腕は「時ジャンパー」で、これが筒車を支えて、時ディスクを躍制しています。
筒車の左の樹脂パーツは「時送り車」という耳慣れぬ歯車です。
筒車の陰に隠れてる(真下にある)ツツカナの歯が、この時送り車を回しています。これらを外したら、裏側はおしまい。
輪列は特殊で、いわゆるオーソドックスな本中三針とは違います。
力の伝わり方はこのようになっています。
香箱車(画面下方)⇒ツツカナ(分)⇒時送車⇒筒車(時)
普通は、ツツカナがムーブ中央にある二番車とマサツなんですが、
このムーブは、香箱にマサツ車が付いているのです。
ムーブ表側です。
香箱(1)から始まって、二番車は中央にはありません。どちらかというとETA輪列に似ている、、と言ってはいけないのかな。
香箱の上にあるプレートを外すと、
このように香箱真を抜くことができます。
香箱をスライドさせて、抜き取ります。
角穴車
裏側(文字盤側)が、マサツ車です。これが時刻合わせでスリップします。
今回、なぜか、うまく角穴車が外れなくて、真もないのグチャーっとゼンマイが飛び出るのが怖かったので、このままにしました。
ということで、このまま、ドボンとベンジンにつけて、よーく超音波洗浄しておしまいです。
組み立ては次回に続く。。。
読んでくれてありがとうございました。
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