(その2 分解編)
vacheron constantin, overseas 42052/423A cal.1311
かっこいい、オーバーシーズ、とくにこの眺めが好き。
針を読みやすいか、というと、シンプルですが、針が細く、多少くすんでしまっているので、コントラストがそんなにいいとも思いませんので、まぁまぁの部類です。インデックスの輝きは健在です。
さて、ヴァシュロンのCal.1311というのが、ジラールペルゴのGP3100というかなり薄型の自動巻きムーブメントなのです。
長いお付き合いをしようと決めたので、パーツ保存用として、GP3100の新品をeBayで手に入れておきました。カルティエ用のものが入手可能でしたが、7万円ぐらいだったか?高いねぇ
イギミの磨き代金と併せれば10万を超えますので、ヴァシュロンでコンプリートサービス10万円を受けたほうがよかったなんじゃないの、というツッコミはまぁしないでおいて。。。
こちらは、バックルを外してムーブを取り出すところ。
裏蓋の8本のネジをはずして
それでもぴっちり密着してるので
ちょっとコジアケを入れて、パカっと
キラキラした裏蓋とムーブが見えます。最後のOH時期は不明でしたが、バックル交換のときに、もちろんメーカーの判断は「OH必要」でした。キフショックの石を見る限りさすがに乾いていましたが、サビや油の漏れなどはなく、いつものジャンクに比べればもちろん、きれいです。
前回の雑誌でみられたような、8枚の裏蓋の突起に対応した複雑な裏蓋パッキングは入っていませんでした。以前、ネットでも、このような普通のパッキンを見たことがあるので、メーカーが、普通のものを採用したのかもしれません。知らないけど。。。
持ち主が、さすがにこの時計をいい加減なところにOHを出していないだろう、という前提で。
さて、あらためて、ムーブメントを見ると、まずはローター周囲の金無垢がかっこいいですね。
ムーブはたしかにものすごく薄い印象です。
ローターの金色の部分には21Cと書かれていました、21カラットってことなのか。
針を12時に合わせておきます
リューズぬいて、ムーブを取り出します。
まずは、3針の重なり具合をしっかり確認して写真を撮っておきます。
薄い時計なのでけっこうキビしめ。
文字盤裏。
おなじGP3100ベースのカルティエ191と並べてみました。
やはり多少、細部が違いますね。
針高さやムーブ厚さが微妙に違います(部品供給用に購入したムーブがどこまで利用できるか心配になりますがね)
さて、台に乗せて分解開始。
日の裏側から。ペルラージュがギラギラしてます。
薄く細かいパーツで構成されて、全体の厚みを減らすように設計されてます。
うっいでしょう。日の裏のパーツ取り去ったら、香箱がこのように見えました
表側にいきますと、このように、地板に対して、大きな2枚の受け+テンプという構造です。すべて基本的にこの中にぎっしり詰め込まれているので、これだけ薄いのです。
素人によるいじりやすさ、という点では、良くはないですよね、心配になりました。
テンプを外します。厚さ調整の薄いシートが入っていました。カルティエも入っていたのでデフォルトで入っているようです。
次に中央部分の受け。裏返したところ↓左側の3枚の歯車で、角穴車を回す(ゼンマイ巻き上げ)と、ツツカナへと通じる(時刻合わせ)ところで、微妙にスライドすることで切り替えられるようになってます。うまく説明できないのですが、薄いスペースでよくできているな、と思いました。これまでいじっていたETAとかオールド国産で見たことがなかったので。
画面左の歯車が香箱から連続して、2番、3番、4番、ガンギ車、と縦方向に見えます。
3番車は、秒カナ(地板の中央)と4番車と両方にかみ合っています。
画面中央の右にある穴の見える小さな歯車が、自動巻きの巻き上げに重要な、切替車(クラッチ車)です。こいつの処理がいつもの悩みです。
最後に画面上側の受けを外します。裏についてくるのは、角穴車とかみ合う、巻き上げにつかう歯車。薄い。
最後に、香箱と金色の角穴車。
地板が裸になりました。
これでいつも通り、ハケと超音波装置で洗浄します。
今回、悩みましたが、切替車も洗浄しました。
洗浄作業が終わったところ、
左側は、ヒャッキンでそろえた乾燥皿(実際には絵具パレットと、食品用の傘)
今日は、こんなところで。
最後、その3に続きます。
最後まで読んでくれてありがとうございます。