クロノエース・ノンスクラッチ
cal. 42970
その1 分解編
男の、オリエント
ダイヤ以外では絶対に傷つけられぬ超硬合金製
クロノエース・ノンスクラッチ
Cal.4297018000回/時(5振動)
1969年~
自動巻き
27石
社外品のシャラシャラブレスレットを着せて
二周年企画の9日目に紹介したオリエントのノンスクラッチです↓
ノンスクラッチと言えば復刻版も出たぐらい、円盤のような丸いデザインの物は有名ですが、私の楕円形のクロノエース’CA’は、文字盤にノンスクラッチの記載もなく、それほど人気が無いようであまり値が上がらず、満足のいく落札価格だったと記憶しています。
そういえば分解の様子を書いていませんでした。この時期の他のキャリバーと大差はなく、以前紹介したキングダイバーCal.4971とよく似ています↓
入手時の様子です文字盤も針もキレイ。
もちろん、ノンスクラッチのガワはピカピカで、運よくヒビやカケもありません。
この、楕円形のガワの形状、バイスへのすわりが悪く、悩みました。
結局、この姿勢が良かったんだろうと思います。
無事に開きました。スクリューバックの裏蓋のスキマにサビもありません。リューズの上のプッシャーは日付早送りボタンです。
ローターには27Jと有ります。石数だけは豪華です。
ローターを外します。この当時はセイコーの技術(部品)が入っていたので、テンプの耐震装置はダイヤショックです。
スペーサーの向きに注意します。写真を撮っておくと忘れなくてイイです。
ムーブメントを取り出しました。曜日は日本語です。
さて、ムーブを台に乗せてテンプを外しました↓
保油装置はダイヤフィックスではありません、、
と思ったら、このΩの形に見えるバネもダイヤフィックスなんです。レディースなんかに使われる小さいタイプです(日野さん、ご指摘ありがとうございます)。
右下に見える香箱真のホゾ穴がルビーです。さすが27石です。左下に見えるのが自動巻きの機構です。キングダイバーでもやりました。シンプルな切替車があります。
アンクルと自動巻き系を外しました。
総受けを外します。ネジは1本だけ長さが違います。
総受けの裏には手巻用の丸穴車と角穴車があります。セイコーファイブと違って手巻き付きです。薄い中にぎゅっと機能が詰め込まれています。
総受けを外すとザーっと歯車が並んでいます。角穴車を香箱に乗せなおしました。
輪列は上から、ガンギ、四番車、(2枚重なった)三番車、秒カナ、奥に見えるのが二番車。
二番車を除き、輪列を取り外しました。画面下に見えるのは自動巻きからの伝え車で、角穴車を回します。角穴車は香箱の上と下両方にあるんでしたね。
裏側に行きます。曜車はすでに外してあります。
特徴的なのは、日車を押さえるオサエが三か所にあることです。
2-4の数字の部分、9-11の部分、21-23の部分
すっとんでいく曜車用のバネが9-11の裏に、日車用のが21-23の裏にあるので注意します。
カレンダーを外したら、あとはいつも通りです。ただし、2時位置のプッシャーで日車を早送りできる機構があるのでそこだけ気をつけます。画面右端に太く長めのバネが見えます。
日の裏車あたりをすべて外して、あとはツツカナ。
巻真周りを外せば完了です。
香箱。油っ気が少なかったのでゼンマイは取り出して洗いました。
このピルケースを愛用してきましたが深さがあって使いにくいと思い、最近は別の100金絵の具用のパレットをメインに使うようになってきました。
このあと、ベンジンで洗浄しました。
次回、組立編に続きます。
横方向のカットガラスも珍しいと思います。
安価なバンビか何かのブレスですが、結構似合っています。
最近、すっかり「ワニ革着せて」ではなくなっていることに、
勝手に心を痛めています。
今月末の出張の準備で、ここのところ仕事に追われてずいぶんと疲弊していますが
時計を眺めたり、記事を書くことが気晴らしになります。
やっぱり泊まりがけの出張はプロマスターになってしまうのかな、、と思いつつ、いや、今回はオシアナスで行くか、とか、そのあたりだけを楽しみに仕事しています。
今日は、こんなところで。
読んでくれてありがとうございました。
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