CITIZEN SEVEN Cal.4000(その1:分解編、裏蓋の補修)

シチズン セブン  Cal.4000
その1 分解編 裏蓋の補修

7月17日、7に関連して、今日はシチズンのセブンの分解を紹介します。
セブンと言えば、ファイブのライバルみたいなので、てっきり自動巻きなんだと思っていましたが、このCal.4000は手巻きです。
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シチズン セブン
Cal.4000
1964年
23石
手巻き
18000回/時(5振動)
紫のワニを着せて


セブンやクリスタルセブンは、大量に売れたので、高騰気味の最近のヤフオク市場でも安価に手に入る時計です。でも、このセブンは、案外レアです。

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cal.4000は、ジェットの自動巻きをベースとして、自動巻き機構を取り去った手巻きのムーブメントです。
Cal.031X系の自動巻き中三針をベースに、デイト付き112X系、デイデイト付き410X系、そして、この手巻きCal.400X系が派生しました。

ちなみに、ジェットローターは過去にやっています↓

この、Cal.4000は、シチズン最後の手巻き(3針)製品だったということです。
当時、手巻きで、デイ・デイトというのは珍しかったでしょう。

では、到着時の様子から。不動、表も裏もキズだらけ、という状態ですが針や文字板はきれいで、サビもあまり多くなかったです。
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使い古されたメッキの裏蓋はすっかりすり減っており、穴が開いていました↓
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高級機ではありませんが、デイデイト付きで、便利なものとして愛用されたのでしょう。作ったわけでもないけど、ここまで使ってもらったのを見ると嬉しくなります。

今回は、まず裏蓋の修復からやりました。よく洗浄してから、ペンチではさんで、ハンダを広めにたらして穴をふさいで、
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裏側を見てちゃんとふさがっていることを確認します。
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リューターで磨いて、完成です。本当なら再めっきするほうが良いのかもしれませんが、これで我慢してもらいます。
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さて、シンプルですが、手巻き23石なので、石がいっぱい入っています。
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不動の原因↓ヒゲゼンマイが死んでいて、振れなくなっていました。
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同じファミリーならジャンクでいくつか見つかったので、自動巻きのジャンクからテンプをまるごと移植しました(左)。
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文字盤を外すにはベゼルを外さなければいけません。
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干支の裏側。足がしっかりしています。
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ムーブメントを取り出しました。以前やったものと似ています。
分厚く、がっしりした雰囲気です。
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ムーブ台に移して、表を分解していきます。丸穴の2つのネジを外します。角穴のネジは逆ねじです。
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この、角穴車の下にあるコハゼバネは飛んでいきやすいので注意です。
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一枚の受けです。4番車の穴石の周り、汚れています。
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輪列です。全体的に汚れが激しいです。
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香箱外して、二番受けを外して、お、そういえばアンクルを外し忘れています。
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最後に2番車が残ります。これで、裏へ行きます。
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オサエと曜車を外しました。躍制レバーの腕がゴッツイです。中央が曜車のモノ、左上が日車のモノです。
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日のみ早送りが可能です。早送り用のピンは、27の爪に見えるピンです。
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カレンダーを取り去って、あとは日の裏のあたりをバラしていきます。
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リューズのまわりには一番水分が入りやすいので、サビが多少見られます。
も、どの部品も使用可能な状態でした。
このデイトの早送り機能は、リューズを引っ張った時に送られるものです。
マキシンの動きに連動して、右端に見えるサビたバネの力で、ピンが動きます。
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あとは、ほとんどいつも通りの巻き真周りです。。
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しかし、注意点があります。上の写真のオシドリの下側に見えるネジ、こいつをオシドリを外す前に緩めて、ネジの下にある「オシドリオサエバネ」を外さないといけないのです。


そうしなかったがために。。。↓こうなってしまいました。
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一見、よくわからないかもしれません。続きは、組立編で。

香箱を開けます。ゼンマイは乾いていて汚く見えたので、
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取り出して洗浄しました。
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このあと、いつも通り、洗浄です。でもパーツを破損したので、パーツ探しに苦労し、再開するまでにずいぶん時間がかかりました。
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次回、組立編に続きます。

今日はこんなところで。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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