先月、ご紹介したオリエントの三角時計、復刻版です。
NWAA-A0 B2
1996年11月
Cal.55141
21石
手巻き
21600回/時(6振動)
市販の古ベルトを着せたままで
1996年に限定復刻版として金のガワと銀のガワと二種類出ていたらしいです。
ブログ友達の日野マチコさんのコレクションに色違いが紹介されています↓
横はリューズ除いて28.2mm、縦はラグからラグ41.5mmで、やや小ぶりですが、デザインがすごいので存在感はあります。
ただ、少なくとも現在ではレディースと勘違いされるデザインと大きさでしょう。
お気に入りのロードマーベルとサイズを比べてみます↑
60年代前後のオリジナルの三角時計は色々な種類がありますが、販売数が少ないのか、プレミアものです。熱心なオリエンティストと競い合っても歯が立たず、わたしには手にできない代物です。
復刻とはいえ、この三角時計もそれなりに値があがりますが、この個体は、中野で、結構な安さで手に入れた掘り出し物です。そんなに安くもありませんが、驚きました。なんどもブロードウェイに行っていますが、これ以外に買ったものはありません。
分解に入ります。御覧のように、非常に状態がイイのです。風防に指紋がついていますが。これでキズを着けたりホコリを混入させたらバカらしいな、という感じ。
クリスタルのガラスをはずすことなく、文字盤とムーブを外すために、三角形の裏蓋も開けられます。コジアケをさしこむ位置がわかります↓
こうなります。
おそらく初めての分解だと思われる美しさです。
針を外しました。緊張しました。インデックスも高級感があります。
文字盤はつるぴかのブラックで、中央が盛り上がっています。
思った以上に、このさき、扱いにくかったです。
文字板の裏はこのようになってます。
丸裏蓋だけだなく、三角形のガワにもパッキンがあります。
ムーブメントを台に乗せて分解開始です。ちいさくてやりにくいなー。
各パーツとも決して高級には見えませんが、手巻きで21石もついています。
テンプを外してから、一枚の受けを外します。
巻真周りの樹脂パーツを見て、一気にチープさを感じてしまいますが、高級時計ばりの21石です。なにしろ1996年の時計ですから樹脂パーツは当然です。
画面上端のコハゼバネは、セイコーの機械式末期と同じように差し込むだけのものです。
角穴車を外します。香箱は固くてどうしても開かないのであきらめました。
ちなみに、このキカイは、他の復刻版など、自動巻の時計と基本的に同じらしく、香箱も横着なことに(?)、巻止まりのない自動巻きの香箱です。
ザーッとはずしていきます。秒針は秒カナです。
輪列は上下がわからなくなりそうなので、横からも撮影しておいたりします↓
輪列をとりさって、あとは巻真のあたりをやります。
あとは秒カナ、ガンギ、二番車の受け、キチツヅミを外しておしまい↓
裏に行きます。でっかいスペーサーみたいのが出てきました。
なんとなくパーツが足りなく見えますが、横着にも、カレンダーが付くようなムーブメントと共通パーツなんでしょう。中央の曲がったレバーとか、いかにもね。
まあ、ただの二針なので、パーツが少なくてたすかります。
中央のオサエをはずしてスペーサーを外せば、これだけです。
カンヌキ・ウラオサエもパーツ数が少なく、シンプルです。さすが、最近の機械式時計だけあって合理化されつくしています。
これでツツカナを外して二番車がはずれたらおしまい!
パーツは、樹脂パーツはアルコールで、その他はベンジンです。
香箱は開けないので、ロディコでホコリとか香箱真をきれいにするだけ。
組立は、次回に続きます。
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