Jaeger LeCoultre cal. 818/3 (その1:分解編、気の毒なルクルト2針)

ジャガールクルトなんていうと、本来、私には縁が無い時計です。
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ジャガールクルト薄型2針
Cal.818/3
1960年代
手巻き
18000回/時(5振動)
クロコの竹斑・紫を着せて
(61GSに使っているベルト。現在61GS入院中につき)

あまりにも縁が無くて、ロゴを見ても、スポーツウェアが頭に浮かびます。
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この2針のcal.818は、ルクルトの名機として他のメーカーにも提供されてきたもので、高級ドレスウォッチのムーブとしてはメジャーなもののようです。
ところが、レディースに使われていたためか、ガワに金無垢が使われていたためか、心ない(非時計オタク)人間によって、ガワだけつぶされたようで、ジャンクとしてムーブが放浪しています。
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その、高級時計の御ルクルト様の気の毒ななれの果てが惨めな値段で売りに出されていたので、つい捕まえて、なんとか復活させようではないか、と思い立ったのであります(一年以上前かな)

入手当時の写真がありませんが、文字盤、針、ムーブメント、中枠、リューズ・マキシンという状態でした(つまりガワとベルト以外)。ルクルトというブランドで考えると信じられないほど安価。
はじめは、純正のガワだけ落ちていないかとヤフオクなどを探し回りましたが、どうしても見つからないし、ガワ付きのジャンクだとボロボロでも非常に高価になってしまいます。

そこで、もうガワは何でもいいと割り切って探し続けて一年ほど、GWに必死になって格闘して、ようやくルクルト様のお召し物をそろえたので分解掃除を始めました。
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シンプルで特に装飾はありませんが、ブリッジが面取りされていて、一つ一つの部品に重みがある感じです。
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テンプの耐震装置は四葉のクローバーみたいな形のオサエを備えたムーブメントも見ますが、これはキフショックでしょうか。

なぜか、テンプを外す前に輪列受けを外してしまいました。
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いつも二番車は一番奥にあると思っていたのですが、これは一番手前にあります。
中央から上~左に向かって2、3、4、ガンギ、テンプという配置が良く見えます。
なんだか歯車も輝いて見えます(ルクルトをリスペクトしすぎる先入観か)

テンプと二番車以外の歯車を外して
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地板などに小さな傷は多いです。

一番受けの下に角穴車やコハゼが隠れています。これが一番受けを外したところ
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角穴車が香箱の上に乗っています。香箱真の周りが乾いて油カスが見えます。
この配置だと、組立後の確認なんかではドライバーなんかで巻き上げることはできないです。リューズで巻き上げるしかありません。

丸穴車は受けの裏面にこのようについています。
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ネジもこう、頭が大きくてシッカリしているのです。
ところで、手巻きの感触が軽くて心地いい反動があるのですが、ゼンマイの強さだけでなく、このコハゼの形も影響しているかもしれません。

香箱はきれいですが油が切れていました。
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裏側に行きます。
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カレンダーもないし、シンプルです。カンヌキ押さえと日の裏押さえが一つのパーツになっています。
表も裏も、全体的に不用意に飛んでいくバネがありません。助かります。
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一気に外していきます。
二番車とツツカナを外して、完了。丸裸になりました。
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あとはキフショックを開けてルビーを洗浄
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全体的にパーツはきれいですが、ベンジンでよく洗いました。
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このあと、洗浄して組立になります。
それから、一番の問題はガワです。

次回に続きます。

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