MINERVA chronograph Cal.13-20CH(ムーブメントの観察)

2カウンタークロノグラフ
1920~1960年代(この個体は初期型?)
手巻き
17石
18000回/時(5振動)
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さて、今日は、ミネルバの名機と言われるCal.13-20CHを運よく触ることができたので、紹介します。
ミネルバは、1858年に始まるマニュファクチュールで、ストップウォッチを得意とする会社でした。2006年にリシュモングループに買収され、今はモンブランのムーブ開発に関わっているそうです。

このムーブメントはミネルバを代表するもので、40年ほどの長期間製造されました。持ち主のじゃみまるおさんいわく、初期型とか後期型とかいろいろあるらしいのですが、私には勉強不足です。


オールド・クロノグラフの手巻きムーブメントはとにかく美しくカッコイイのです。今日は、メカ好きの中年の心を虜にしてやまないミネルバのムーブをじっくり観察しましょう。
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状態がとてもよく、目立ったシミやキズはありませんね。顔つきは、精密ながらも控えめな印象です。リーフ針や12と6のローマンインデックスがアクセントでしょうか。

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ビニールのカバーを当てて、傷つけぬよう、スナップバックを慎重に開けました。
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この、開けた瞬間に、径の大きくないケースに、みっちりと、ムーブメントが分厚く詰まっているのはド迫力です!ポッコリとした裏蓋は伊達じゃないです。

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そうそう、18K無垢なんですよ、これが。イヤーすごい!

横から見たときのこの景色。イイですね。
パーツが分厚く、面取りされ、カーブの多いのが魅力的です。厚みがあります。クロノ用のプレートが無く、ひたすらにパーツが積み重なっているから立体感があるのでしょう。
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特に、この青矢印のグニャっと曲がった長いブレーキレバーがファンの心をつかむのです。たしかに目立つパーツです。実際、クロノ針をしっかり留めるために必要に応じて後付けしたためにこういうことになっているんですって。


では、せっかくなのでクロノを動かしてみましょう。LOWBEATのクロノ特集をお持ちの方はぜひ、このミネルバの動きを想像しながら読み直していただきたいです。

①通常の状態
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センターのクロノグラフランナーは回らず、左側の永久秒針がチキチキと動いています。


②スタート(プッシャーを押した瞬間)
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長いオペレーションレバーが動き、コラムホイールが一歯動き、キャリングアームが右にずれて、中間車がドライビングホイールとクロノ針をつなぎに行きます。

③計測中
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ドライビングホイールの回転が中間車によってクロノ針に伝わって回されています。また、すぐ右の中間車を経由して30分車を動かしています。

④ストップ(プッシャーを押した瞬間)
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オペレーションレバーにより、キャリングアームが左に動いて中間車がクロノグラフランナーから切り離されます。同時に、ブレーキレバーが、センターのクロノグラフランナーに接触してピタっと停止させます。


⑤停止中 
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通常に戻りますが、クロノ針と30分積算計は計測結果が表示されています。

⑥リセット (プッシャーを押した瞬間)
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はっきり見えませんが、プッシャーによりリセットレバーが動き、リセットハンマーが中央に向かい傾き、クロノグラフランナーと30分車のハートカムを叩きます。
これで帰零します。このリセットは、いわゆるインダイレクト式なのでしょうか。その辺をもっと観察するべきでした。

⑦通常状態に戻る
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以上です。

(分解したことが無く、よくわからずに書いているので、間違いがあったら教えて下さい)


ミネルバのクロノの動きを間近でじっくり見ることができた喜びを読者の皆さんにも少しでも伝わればうれしいです。
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ブログ友達のじゃみまるおさんは、こいつを自分で整備してしまう上に、複数個、所有しているのです。オタクです!うらやましいですね。



他人のフンドシで相撲を取って、自分の時計分解が進んでいませんが、今日はこんなところで。おやすみなさい。

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