Tudor Submariner ref.75090, ETA2824-2(その2;ETA輪列のしくみ)

チュードル ボーイズサブマリーナ ref.75090のつづきです
今日はムーブメントの分解です。
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ETAは何度かやっていますが、セイコーに比べるとまだまだ足りません。


今回は日の裏からいきました。文字盤を外した状態。
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キレイです。

筒車や日車をはずしたところ。日の裏車にも装飾が!かっこいい!
15日のあたりに、Tudor Geneveの刻印
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どんどんとバラします。デイトジャストで日付を変えるのは右下にみえるツメのある歯車です。


巻き芯周りがやたらに複雑なんです、、バラスときはいいのですが、組み立てるときがちょっと厄介。
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巻き芯が右側じゃないと落ち着かないので、いまさら左右逆になってます、
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これで日の裏側はおしまい。耐震装置も分解して洗浄しますが。
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表側に行きます。まずは、自動巻きの部分をばらしたところ。この、スリットのある切替車(クラッチ車)が厄介なんです。。。
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自動巻きを外したところ
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大きな傷などはありません。油切れなのは確実でした。

なぜかテンプを外すタイミングがおそいです。
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丸穴車は逆ねじ


やっとテンプがなくなっています
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輪列が見えます。
香箱の横に、地板外側から中心に向かって2、3、4番車が並ぶというかたちです。
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どんどんとはずして、すっぱだかになりました。
穴石のあたりにヨゴレやカスが見えます。
ハケと超音波で洗ってやりましょう。
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香箱を開けるとゼンマイがほとんど切れかかっていました↓中心に近い所。
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出したら切れました。
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予想外だったので、部品が無く、新品を待つことにしました。
しかも社外品ではなく、ETA純正を求めました。チュードルはただでさえガッチャとニセが多いので、なんとなく、こいつは純粋無垢にしてやりたいという時計を思う親心です。本当に時計のためを思うならプロにまかせろ、という話は置いておいて。

作業は、次回の記事に続きます。






今日は、別にめずらしくもないETAの輪列のしくみをちょっと。
キカイ式の時計の仕組みは、ごぞんじ「時計三昧」のHPにカッコよくわかりやすい解説があります。
セイコーなどの中三針では、時計三昧の解説のとおり、中央に二番車があり、そこにツツカナ(分針)がついているというものです。

ETAは、二番車は中央に存在しませんので、輪列からの力は、三番車から文字盤側に伝わります。四番が中央にあって、そのまま文字盤側に突き出て秒針になるのは、セイコーと同じです。
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三番車は、四番車を回すだけでなく、文字盤側のカナで、このようにドライビングホイールというのを回します(日本語では駆動車、とでも言うの?)
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ドライビング車にツツカナがかぶさっている(分針)、ということになります。

もちろん、ツツカナが日の裏車で減速して、この上にかぶさる筒車(時針)を動かすというのもセイコーと同じ。
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セイコーでは、時刻合わせの時は、ツツカナと二番車がスリップ
エタでは、ツツカナとドライビング車がスリップする、ということですね。

それぞれの摩擦が緩いときは置き回りが起こったり、時刻合わせがユルユル、ってことになります。



と、今日はこんなところで。


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