Tudor Submariner ref.75090, ETA2824-2(その1;外装分解編、オイスターケース)

今日から、チュードルサブマリーナ ボーイズ 75090の分解掃除の紹介です。
ダイバーのジャンクをいろいろ集めているのですが、のめりこんでくるにつれ、国産舶来を問わず、どこのメーカーも意識しているであろう時計「サブマリーナ」がたどり着く場所ではなかろうかと思っていました。餅は餅屋です。
でも、やはりお金が無いのでチュードルという結果となりました。それから、ボーイズサイズというのは魅力的でした。
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チュードル サブマリーナ(ミドルサイズ)
Ref.75090
Cal. ETA2824-2
1989年製
自動巻
28800/時(8振動)
豚革迷彩柄ストラップを着せて
 
 
チュードルの場合、40mmのメンズサイズだけだなく、有名なミニサブ、それにレディースのサブがあります。さらには、36mmのボーイズサイズというものが存在します。さすが、ディフュージョンブランドです。老若男女、デブリンにガリクソン、だれでも着けられるチュードルサブ。ガリクソンの私にはこのボーイズ(ミドル)のサブがぴったりです。
Ref.750907519076000がありますが、75090ブラックを手に入れました。手首にしっくりくるので、使用頻度も高いです。
 

大きな問題はありませんでしたが、工具やパーツの入手と自動巻きのパワリザの確認などでなんだかんだと時間がかかりました。ようやく写真を整理したので記事にしてみます。
今日は、外装の分解編です。


 
入手したての写真を撮っていなかったのですが、外装は残念な状態でした。
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まず、オイスターに手を出すにはどうしても工具が必要です。この時計を手に入れたとき、すぐに、ベルジョンの中古の5537を手に入れました。ガワを固定するのは、セイコーS212がオススメです。昔使っていた明工舎のものでは、サイクロプスレンズが邪魔で固定できないからです。29.50のコマを使います。
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これでももちろん開きます。重要なのは、よく言われるように、押す力が8割、回す力は2割ぐらいでしょうか。つい、回そうとすると、ガリっとお決まりのコース。実際、行ったんですよ。もともと傷があったボロですので気にしませんが、、、いちおう、サランラップをかぶせたりしてみます。かえってかみ合いが悪い可能性もありますね。
 
でも、結局、コイツを手に入れました。ベルジョンの最強ガワ開け機5700Aです。確実に傷をつけずに安定して行うには、コイツが必要です。
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安心して、今後もこのチュードルの世話をしていけそうです。また、他の爪やラバー駒もたくさんついていて大変便利です。ただ、オイスターケースを扱うには周辺工具が必要になります。これの詳細は別記事で。
ま、ともかく、工具の価格を合わせると、もっと状態のいいOH済のチュードルをショップで買えたでしょう。過程も楽しむのだから文句は言いません。
 
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ウラブタを開けると、いわゆるイーティーエーがピカピカと光っています。
チュードルはエタポンだからしょせん、と言われますが、シロウトとしては、パーツが手に入りやすいし他で練習できるからうれしいです。
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それに、ペルラージュがきれいで、私としては、すっかりランゲゾーネを分解しているような高揚感。
 
リューズを抜いて、そローターも外します。 リューズを抜くときは時刻合わせの二段引きのときに抜く。これ重要。
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外がボロボロでも、さすがはオイスターケース、文字盤は驚くほどきれいでした。
マットで真っ黒な文字盤にクリーム色のドットのインデックスがカッコイイです。ベンツ針もやや経年劣化はありますがきれいです。
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針を外すとき、文字盤をいじるとき、全行程の中で最も緊張する瞬間です。

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カバーをかぶせて息を止めてやっていました。
完成するまで、遠く離れた場所に大事に保管します。
針をいじるときもなるべくピンセットで触らぬよう、ロディコで移動したり。
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文字盤を裏にするときには、サランラップで養生を。
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文字盤を外します。干支足を止めるのはネジではなくてフックになっています(画面右下)↑
これはかっちり閉まるし、横からドライバーで開けるよりずっと便利です。


フックを外したら、横から見ると地板に溝があるので、そこに細いドライバーのようなものを入れてクっと持ち上げて外します。
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チュードルの文字盤はMOM Le Preletというスイスの会社が作っていたのです。歴史あるメーカーのようで、今はスウォッチ傘下だそうで。
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回転ベゼルを外すのは、コジアケで行きます。ちょっとずつ、全周を緩めます。
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この汚さ。予想通り。風防の欠けもひどい。ガラスですから交換するしかないです。
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風防を白いガスケットとはさみこんでいるインナーベゼルがあります。このベゼルがウラブタとともにオイスターケースのキモです。
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今回、ボロすぎて、ガスケットが壊れてしまったので、先に風防が外れました。


このインナーベゼルがゆがむと大変ですので、コジアケでコジりません。
今回は、無理をしてイイ工具を手に入れました。ホロテックのMSA07.115という裏蓋開けの工具に、ベゼル外し用の四つツメの部品を買い足します。四つ爪用の専用のものも存在します。
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時計も高かったのですが、工具で出血大赤字ですので、工具が真っ赤に染まってしまいました。


このように、ゆっくりと四隅から持ち上げていけば、インナーベゼルも安心。
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回転ベゼルをこの工具で外そうとすると一緒にインナーベゼルが外れしまいます。回転ベゼルをそこから外すのが大変です(経験者は語る)。
なんだかこの写真はケースも風防もちょっとキレイじゃない?そう、解説用に後から撮影したものですね。


風防、ガスケット、インナーベゼル、ミドルケース
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オイスターケースの分解を楽しんだので、次回、ムーブメントをバラします。


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今日はこんなところで。



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