Promaster Tough PMU56-2481 Cal.7878A(その3:組立編・一発勝負のベゼル圧入)

Citizen Promaster Tough
PMU56-2481 Cal.7878A
その3:組立編・一発勝負のベゼル圧入

前回の続き。ワンピースケースのボーイズサイズのプロマスターを組み立てます。
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チュードルを見ていて、復刻よりオリジナルがいい!!って思うのですが、
火の鳥は、「復刻のオリジナル」がいい!!ってことになるのです。

一冊の完成度としてはCOM掲載版のオリジナルよりは、既存の編集版がいいのですが、サイズがデカイし、連載ごとの表紙があったり、ボツになった部分とか、構成の違いとかにフアンは魅力を感じます。

ロビタの行進もこのとおり、大迫力。
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おっと、どうでもよい話でした。
組み立てます。


せっかくなので古いリューズのパッキングは汎用品に交換します。もちろんシリコングリスを塗っておきます。
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洗浄した地板に巻真まわりから組み立てます。
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合理的に出来ていて、古時計のように、バネがスっとんでいく心配や、使用時に巻き芯が抜けてしまうことがありません。ちいさい歯車が多いですね。
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中央の分針がつく歯車(二番車とは、言わないんですよね、正式名は良く知りませんが)を入れて、ウラオサエのような複雑な形のパーツを装着します。これもネジ留めではないのですね。新しいクォーツはネジ留めじゃない部分が多いのです。
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前回、このパーツの形がチヒロに似ている、というコメントいただきました↓
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ただし、主人公の眼にはまったく似ているようには映らないでしょう↑

我々普通の人間にはソックリに見えます↓
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おっと、時計を見に来て下さった方にはどうでもいい話を続けてしまいました。


コイルをはめて、ステップローターを入れます。もちろん、非金属製のピンセットで。
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そうしたら輪列を乗せて、ハックレバーをつけて

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受けをかぶせます。ステップローターが動きやすいし、どれも非常にホゾが細いので無理やりやって壊したりしないように、慎重にやります↓緑の回路も乗せました。
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オイルは、巻真まわり以外はAO-2をごく少量だけ注しました。

カバーをかぶせたら、表側、というか、電池側は終了です。
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日の裏側へ行きます。
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時針のつく歯車を乗せて、カレンダー送り関係、にしこくんをさかさまにして、
曜車を乗せます。中央、左側が躍制レバー(ストッパー)です。これをツメにあわせてパチン、です。
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ちなみにリューズでのカレンダー早送りは一段引いた状態で、手前に回すと、にしこくんの頭がぐるぐるまわり、足が上下に動いてカレンダーの爪をひっかけて早送りします。逆方向だとカレンダーに接触しません。
なんだかよくわからない説明ですが、偏芯の動きで、あの形が生かされるということです。

中央にカレンダーオサエを乗せたらおしまいです。
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ソーラーセルを乗せて、
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透明な文字盤を乗せて、針を刺したらば、おしまい。
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うーん、この、矢印型の針、かっこいいですね。

二次電池キャパシタ)は純正の295-5600、パナソニックMT920です。
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動いているのを確認できました。
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クォーツは秒針がズレないように気を使いますが、エイヤでやるしかありません。回、かなりいい具合に秒針がはまりました。
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一度、リューズを抜いてケースにしまいます。抜くときはリューズはゼロ位置でOKでした。
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一番の難関はベゼル挿入でした。
このワンピースケースの防水性のかなめはベゼルを圧入するときの白いテフロン製のパッキングです。変形しやすく、基本的に再利用できません。やってみようと思いましたが、今回、はずすときに傷つけてしまったので、やはり新品で行きます。
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ちょっと古い程度のクォーツの部品は、かえって、昔の国産機械式時計よりもパーツが手に入りません。マニアの需要が無いのと、廃業時計屋から出てくるものではないからですよね。こういう時計は基本的にメーカー送りなのでしょうから。
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これが元の状態で、これが、ベゼルとガワの隙間に挟み込まれて変形し、ガッチリ固定してくれます。そういえばチュードルのサブマリーナのミドルケースのインナーベゼルも同じタイプでした。たしか。
ちなみにシリコングリスでも着けたほうが良いのかなと迷っていましたが、ファイブ実験室では、「スケベ心でグリスをつけてはいけません、劣化を早めます」と書かれていたので、やめておきます。

このように外側のベゼルのフチにパッキンを噛ませてから、
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ケースの上に乗せて、あとは、ポンと上から圧入するだけ、、、
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だけ、、、じゃない。これが問題です。

このベゼルの一体型のリングにミニッツマーカーが60本刻まれています。これが、文字盤のアラビア数字や三角のインデックスとズレると、大問題です。
普通は、内側に一か所突起があったりして、ズレないようになっているもの、と思ったのですが、そういうのが一切ありませんでした。
メーカーでちゃんと直す際は、なにか専用の工具かなにかでやるのかな。

なかなか難しいです。
とりあえず、正しい位置でベゼルとガワにマジックで線を引いてみました↓
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それでも、ちょっとしたことで1目盛ぶんなんてズレそうです。

緊張しながらガツン、と閉めました。一発勝負!


これが結果です。ほんのわずかに6時位置のマーカーが右にずれていますが、9時位置、12時位置、3時位置ではほとんど気にならないレベルでした。ヨシとしましょう、というかやり直したくないし。
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ということで、無事に完成しました。なんども取り外せないということから、分解掃除、二次電池交換をまとめてやりました。もしかしたら電池交換だけでよかったのかもしれないけどね。

落札した時の写真、よく見たらもっと豪快にミニッツマーカーがズレてるんです↓
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しかも、分解したとき、文字盤にヨゴレがありました。角度によってはわかるレベルです。今回、いじりませんでしたけど。
だから、前回の二次電池交換は、メーカー分解じゃなくてっけこういい加減な人がやったのかな、と思った次第です。

かくいう私の作業も自慢できるものではありません。はたして、この二次電池交換と分解掃除(注油)ではたしていつまで問題なく使用できるのか。
この先、何年も様子を見ていきましょう(ブログの続く限り・・・)



ということで、3回にわたってお送りしたプロマスター・ボーイズ、めでたく終了です。こちらは、メンテが終わって喜んで、翌日、外へ連れ出した写真です。季節はずれです。まだコートを着ています。
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購入時に付いていたボロボロのケブラーバンドの代わりにワニを、と思っていたのに、結局、ナイロンNATO式ストラップでごまかしています。




今日は、こんなところで。
読んでくれてありがとうございました。

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