Promaster Tough PMU56-2481 Cal.7878A(その2:分解編 ワンピースケース)

Promaster Tough PMU56-2481 ボーイズサイズ(36mm)
Cal.7878A 
その2:分解編 ワンピースケース


この、旧タイプのプロマスターですが、ケースは特に気合いが入っています。
全面艶消しでタフな印象、そして、リューズのローレット加工、そして、ワンピースケース。
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この角度は魅力的。美しいですね。


ワンピースケースは、プロフェッショナルな時計という雰囲気が醸し出されます。
いつもセイコーダイバーの6215とか6159を思い浮かべます(もちろん、セイコーフアンとしては欲しいところですが、超プレミアです)



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車とか飛行機とかの分野で用いる、「モノコック」という言葉が、単純にワンピースケースとして用いられていることがありますが、あまり適切ではなさそうですね。
リシャールミルのコレは、衝撃対応という目的があるので、モノコックで間違いないのでしょう。
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さて、その、シチズンのワンピースケースですが、カッコイイし実用的なんですが、厄介です。新品で購入した人は、エコドライブだから定期的な電池交換不要!という気分でしょうから、ワンピースケースも問題でないですが、とうぜん二次電池がヘタってくるしオーバーホールも必要になります。
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この個体は充電してもちょっと動いてすぐ止まる状態だったので、少なくとも二次電池交換は必要だったわけです。
でも、真面目に時計屋に持っていくと、普通はメーカー送りです。試しに百貨店の修理屋で調べてもらうと、シチズンのこのタイプは(ワンピースケースは)、二次電池の交換だけでも、OHと同じ値段取られるんですって!
アマゾンで2000円ぐらいで買えるキャパシタ交換のために15000円です。丸ごとムーブを新品に替えてくれるんならそれもアリかもしれなけどね。

ヤフオクでいくら安くても、ワンピースケースの古い物は買うのはやめましょう。
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もちろん、二次電池交換必至というのをわかっていて落札しているんだけど、それにしてもけっこう高額だったなぁ。。オタクがいるのかしら、とか思いながら、さあ分解しましょう。


事前にちょっとシチズンモノコック、プロマスター」で検索すると海外の掲示板で類似したプロマスターの分解が出てきました。
そこではナイフ型のコジアケでベゼルを外してるんだけど、「シチズンは硬いよ!セイコーよりヤバイよ!」みたいに書いてあったので心配しましたが、

ホロテックの4つ爪でこのようにベゼルを外してみます。
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一応、ベゼル周りを養生しながらゆっくりやるとあっさりとポコっとベゼルが下がりました。
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このようになりますが、まだ外れていません。
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上にビニール袋をかぶせて
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普通のコジアケで全周をゆっくりと外します。
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取れました。ベゼルとミニッツマーカーのリングと、白いのがテフロン製ガスケット。ちょっとコジアケで傷つけてしまいました。

ネジコミリューズを緩めたら、2時の横にあるオシドリ(に相当するもの)を押しながらリューズを抜きます。
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そうそう、いまさらだけどバンドを外しました。

それで、シートをかぶせて、針を外します。
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文字盤から透けるソーラーセルが、四等分されているのが見えます。
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これはイヤなひともいると思います。今はもっと技術が進歩していて、フレキシブルセルの時代ですから↓


電池のことが書いてあるけど、これが耐磁カバーです。16000A/mの強化耐磁です。すごいのです。
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文字盤を外しますが、古い時計のように干支足を留めているネジを緩めるのではありません。もちろん、このように、ワキに何か所がパッチンと留めるのがあるだけ。
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ピンを折ったりしないようにそうっと。ウーム、やっぱりこのアラビア数字はぷっくりしていて魅力的です。
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このようになります。
左からムーブメント、ソーラーセル、セル固定枠、文字板(乗っているだけ)
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れは背景がゴムなのでわかりにくいですが、文字板は透明です。エコドライブだから当たり前なんだけど、この光景は、「黒文字盤」信仰している人にはちょっと抵抗があるはずです。



ムーブメントの分解に行きます。
ソーラーセルは、26とか16の付近に見えるツメに接触しているので、ここから電気を裏側に送るんですね。
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現行のようにモーターでクイックチェンジするパーペチュアルカレンダーじゃあありませんので、つまり、普通の日付なので、日の裏側は比較的シンプルです。

ムーブ台に乗せます。樹脂枠だと、ムーブ台への固定が不安になります。メーカーなら専用品があるからいいんでろうけどさー。
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二次電池パナソニックMT920で、マイナス側には端子が付いています↓
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まずは、全体のカバーを外します。クォーツは、こういうネジじゃないパッチン物が多いので注意が必要です。外す爪をわすれてむりにやって折れたりするのが怖い。
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緑の回路を外して
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中央のカバーは、輪列受けです。
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輪列は小さくて上下の違いが分かりにくいので、こうやって写真を撮っておくことが多いです↓ 歯車も樹脂が多い!
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さらに、もういちまい受けをはずして
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コイルの右側にステップローターが見えます。中央が分針の付く歯車です。

傷つけるとジエンドの、コイルを外すとやっと一安心したところ↓
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ひときわ複雑な、日の裏オサエとかハック(ショート)が一体化している部品
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インディアンのアワワワワワワワー。ですか。ドラゴンボールのセル?タツノオトシゴ
みたいな、愛嬌のあるパーツですね。


やっと終わりが見えてきました。クォーツはなんだか先が見えずに怖いの疲れます
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これで、表側はおしまい。
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裏側(文字盤側)へ行きます。
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中央のカレンダーのオサエの板を外します。

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わりとシンプルです。


ここにも、愛嬌のある にしこくん か? なにやら走っていますね。
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これでほぼオシマイ。地板まで樹脂なのでなんだか寂しい。クォーツなら当たり前か。
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あとは、洗浄です↓
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くどいけど、文字盤は透明なんだヨ!


次回へ続きます。




カンパノラの漆のようなミラーダイヤル!!
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と思いきや、角度によっては、こうやって、ソーラーセルの四等分がはっきり見えるんです。
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これを見て、ごく初期のエコドライブを思い出してしまうアナタはシチズンマニアです↓
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読んでくれてありがとうございます。
今日はこんなところで。


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