Rolex Speedking Ref.4220, Cal.710 (Cal.10 1/2)(その1:外装編~impreciseな刻印)

ロレックス スピードキング Ref.4220
Cal.710(10 1/2)
その1:外装編~impreciseな刻印

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Rolex
Speedking
Cal.710
1945年製
手巻き
17石
18000回/時(5振動)
ジェランチャのオイスターブレス(17mm幅)を着せて


先日から紹介しているロレックスのスピードキングです。
29~30ミリの径、今なら間違いなくレディースと言われるサイズですが、私の細い手首にはしっくりきます。これから、きっとボーイズサイズのブームが来るんじゃないか、と真面目に考えています。



今日は、外装について。
研磨はできませんが、とりあえずきれいにして風防を交換し、ベルトを取り付けました



オリジナルコンディションと思われる個体を手に入れました。
(ロレックスはとても難しいので確証はないけれど)
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風防割れ、リューズ閉まらず、という個体です。

文字盤の12時側の縁は全体的にかすれているけれど、味があって、1945年のものと思えば、いい方だと思います。大好きな全数字に、今までたぶん経験のない、「ペンシル針」で、ブルースチールです。


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当然、裏蓋を開けると、パッキンはズタボロです。裏蓋の縁にはサビがありますが、内部のダメージは無いようです。さすがオイスターケースです。
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さて、裏蓋ですが、1940年代のごく短期間に製造されたものは「イレギュラー刻印」と俗に言われるデザインになっています。私のコレも、それに該当するようです。王冠マークはなく、RolexSAとなり、
31Victoriesが入ります。これは、キュー天文台の精度テストにおいて31個の賞をもらったという意味だとか。
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リファレンスナンバーの4220は、ケースのラグの内側ではなく、裏蓋に刻まれています。ちなみに、シリアルナンバーは、最近のものと同じように、ケース6時側のラグの内側に刻まれていました。

さて、文字盤にも、ムーブメントにも、裏蓋にも、正確であることが「Precision」で強く主張されています。

ただ、ウラブタの刻印について言えば、impreciseです。
PRE'O'ISIONだって↓何かの間違いかと思って、いくら見ても、CじゃなくてOになっています。
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ネットで画像を色々と調べてみると、こうやって、ちゃんとCになっている刻印もありますが↓
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すくなくとも4220のリファレンスについて、Oになっているものをいくつも見つけました↓
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そういう個体は、装飾もなんだかいい加減に見えます。
一部のロットで、英語に疎い職人チームがミスをしたのか、てきとーな仕事だったのか。公用語と言っても、スイスではそんなに英語は偉いものじゃないんでしょう。中立国と言えども、第二次大戦中だから色々大変で、小さなミスなどかまっていられなかったんでしょうか。
セイコーの「Cronos」よりは目立たないよね、裏蓋だから。



ネジコミがあまりできないリューズですが、案の定、内側がさびていました。
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ケースのチューブは無事なんですが。

残念ながら、クレ556なんかでやっても、サビは落としきれない、というかサビを削っても、ネジ山は帰ってきません。
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日常使用に困るほど、ねじ込めないわけじゃないので、とりあえず、そのままです。交換しかないでしょう。単品で、同じリューズを探せば、数千円~1万ぐらいしてしまいそうです。
ので、そのまま使っています。



割れた風防ですが、トキライトの汎用風防に交換しました。24.60mmのものです。
絞り機で外します。
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ロレックスのオイスターケースは、最初は、ベゼル、ミドルケース、裏蓋の3ピースでしたが、この時代、ミドルケースとベゼルは一体型の2ピースのものです。その後、今のようにベゼルは別体のタイプになります。

2ピースでは、ケース一体型のベゼルに合うように、プラの風防が絞って入っているだけです。
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最後に、ベルトです。
小さいケースだけあって、カン幅は17ミリです。
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ちなみにラグの穴は、9時側は開いていますが、3時側は開いていません。


もちろん、ワニ革で作ることも考えましたが、なんとなく、ロレックスはブレスの方が似合うのかもしれないと思い、オイスターブレス風の安いのを取り付けることにしました。

前から気になっていたジェランチャのブレスレットです。
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安すぎるので、不安でしたが、ブログ友達のアカツメさんがけっこういいよ、と書かれていましたので、挑戦してみました。


シッカリしているし、見た目もなかなか純正のオイスターブレスっぽい。
たしかに、値段を考えれば十分だろうと感じました。


ただし、最初、コマの間の動きが固いです。そのうち少しずつこすれてなじんできましたが。それから、ステンレスの色が、黄色っぽいのです。ケースと比べるとちょっと違っていて、多少気になります。写真では良くわからない程度ですが。また、私のように極端に細い腕の人には、厳しいです。6時側の外せるコマが少ないので。
まぁ、一番短くすれば、なんとか、許容範囲ですが。
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コマはちゃんとネジ式になっています。
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もちろん、フラッシュフィットは時計に合わせるには加工が必要です。私の場合、加工技術に乏しいので、苦労しました。
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左が元々、右が少し削ってつぶしたもの↓
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特に厚みを調整するのが難しく、さきっぽだけ曲がってしまって、みっともないです。

完成した写真です。まだ、フラッシュフィットの厚みが合っておらず、はみ出ていてかっこ悪いですが、妥協しました。
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やっぱり、ワニのレザーストラップも似合いそうです。




オリエントとセイコーのキングと記念撮影
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今日は、こんなところで。

読んでくれてありがとうございます。
次回、ムーブメントの分解編です。

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