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その3:組立編;ゼンマイの滑りチェック
分解直後の様子です。ペラペラの絵の具パレットは汚れものを入れて、何度か使っています。
洗浄後は、新しく買った絵の具パレットに入れていきます。
区分けが多くて便利。
地板をムーブ台にセットしたら、組立を始めます。
が、その前に、リューズは、よく洗浄し、内側のパッキンを交換します。
接着剤で付いているので、はがすのに結構てこずりました。溶剤を使えばよかったのかもしれません。。
スイスパビリオンだったか、新品の社外品ゴムセットを手に入れたので、合うサイズを使います。
上二つのどちらかが合うやつです。残念なことに記録を残していませんでした。
リューズの裏側にくっつけておきます。
↑ちなみに、下に置いてある幅の太いリングは合わないヤツです。
以前、他の用途で買った、中国製のコレで、一番合いそうなやつを探したのですが。
合うものが無かったです。
この写真では、左が元々のパッキンで、右が中国製
今回、新たに買ったものは、ピッタリとおさまります。
こういう社外品が簡単に手に入るのが、さすが人気のロレックス、と思います。パッキンはともかく、こういうパーツを求めることは、ニセモノを流通させることと無関係でないのかもしれませんが、素人としては助かります。
もうひとつ、準備です。香箱です。
香箱の壁にゼンマイの外端の滑りをスムーズにするためのグリスを塗ります。
この香箱は、内壁に三か所、くぼみがあり(写真ではわかりにくいですが)、
そこに外端が引っかかって、滑るというタイプです。
で、いつものセイコーのS-3グリスをちょっと塗ったのですが、これは多すぎるのです↑
というより、このグリスではダメそうです。あとでやり直す羽目になります。ちゃんとここで滑り具合を確認しなかったのが問題です。なぜか、油断していました。溝が掘ってある香箱は違うグリスで対応するべきです。あとでまた書きます。
あとでやり直すことも知らず、いつも通り、ゼンマイにメービス8200を入れました。
組み立てていきます。
この、あたらしいパーツ入れ(絵の具パレット)必要な部分だけ蓋を開けてたり、皿を回転させたりできて、便利です。
巻真周りを組みます。接触点にはグリスを塗ります。
表面へ行きます。
香箱を入れて、一番受けをかぶせたら、輪列を並べて
輪列受けをかぶせます。ここも、100円ショップの棒を使います。
ぴしっと難なくはまりました。
とりあえず、押さえながらやった感じでは、ザラ回しもOKです。
片振りはあるものの、振角も良く出ていて、歩度も大丈夫です。1950年ごろのものと思えば上出来だと思います。
香箱のまま洗ったり、色々やった結果、やっぱり、あのグリスをあの量入れては多すぎるようです。
丸穴、角穴、秒カナ、アンクルを組み込んで。
ガンギ用の伏せ石は今回外していませんが、ネジが笑っていますね↓私のせいじゃないんです!
アンクルの爪石にも注油(裏側の窓から)
出車を三番車にはめます。そのあと秒カナのバネを取り付けて、テンプを組み込んだら、テンプのフラワーキフを分解して
いつもどおり、注油します。
これで、一通り完成です。一度目は。
手巻でフルに巻いて、パワーリザーブを確認しました。
針を入れる前に、ツツ車にマジックで三角形(時針)を書いて確認しました。
ちゃんと香箱のゼンマイすべりチェックをしていなかったため、問題がありました。滑るのが速くて、パワーリザーブが足りないのです。
計算上、全巻きが6.5周で45時間以上のパワーリザーブがあるはずですが、6.5周巻上げるときに、1.5周以上滑ってしまいました。滑りすぎです。本当は、香箱の壁に3か所に彫ってあるミゾに引っかかりながら滑るべきなのです。つまり、1/3周ずつ、かな。
最初の自分を呪いながら、香箱まで分解します。といっても、輪列はそのままで良いので、まだ気楽です。
ほんの少し残っている程度では、滑りが少なくて良さそう。でも、ちょっと増やしただけで、またザザーっと滑ってしまいました。
結局、香箱の歯が汚れたので(当然ですが)結局、全部キレイに洗いました↓
あれこれやって疲れました。
↓師匠の記事を読んでいたはずなのに、そのとき、ようやく思い出しました。
この手の香箱は滑りすぎるので、極力グリスを減らすべきという教訓を。
最終的には、D5をほんの少し入れただけで済ませました。壁にはほとんどつけない程度。
本当はもう少し壁には注油したほうが良いかなと思いましたが、滑りまくっていたので、半分ヤケになって少量で済ませました。
また、何度も香箱のふたを開け閉めしたので、負担が多かろうという焦りもありました。ガバガバになったらイヤなので。
結果、滑りチェックは合格です。巻き上がると、香箱の壁にある3つの溝を一つずつ滑っているように感じられます。
手巻きでフルに巻き上げて放置したところ、パワーリザーブが45時間となりました。
めでたしめでたし。
べつに、このムーブに限らないのですが、溝が掘ってあるタイプは、グリス少な目、かつ、グリスというより、重めの油:D5が良い、ということがわかりました。
とても勉強になりました。
ということで、めでたく、文字盤をつけて、針も刺します。
なんだか、またゼンマイの滑りに苦労して、進歩が無いなぁと我ながら思いますが、ともかく、解決して良かったです。
次回、自動巻き機構と外装編です。
読んでくれてありがとうございます。
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