Ref.6580 Cal.1030
その2 分解編②
こちらは、作業完了後の記念撮影↑
金色のインデックス&針がかっこいいです。3,6,9でカジュアルっぽさもあるけど、上品さもある。黒文字盤による力強さもある。それらが詰まった、34ミリの小ぶりなサイズ感が、実は一番、大事なところかもしれません。個人的には。
さて、前回の続きです。
ムーブメントを分解します。
先日、記事にしたスピードキングのムーブと見た目は良く似た、出車式のセンターセコンドです。
ただし、テンプにはフラワーキフの耐震装置、ガンギ車にも保油装置があります。
テンプを外します。チラネジがレトロですね。受けもしっかりしています。
ドラえもんの手みたいなバネが秒カナの頭を支えています。ズラしたところ↓
秒カナ
このあたりの角度がとてもかっこよかったので撮影しました。受けは分厚くて、必要なところに石があり、装飾も綺麗です↓
さて、テンプや秒カナを外したところで、出車抜きで、出車を外します。
このように、それぉれ2本の爪と1本の爪を持つ腕で挟み込んで抜きます。
無事にホゾを曲げることもなく、抜けました↓
角穴車を外し、
丸穴車を外します。
これが輪列です。
右端の三番は出車が付くのでホゾが長いです。
裏に行きます。
巻真周りのパーツは、Cal.710でも感じたように、しっかりしていて面取りもされています。カンヌキオサエの腕が細いですが、構造的に、折れにくそうに見えます。
至ってシンプルで普通の配置です。
これで、地板だけの状態になりました。
このあと、いつも通り、手洗いと超音波で洗浄します。
そうそう、香箱を開けて
中はそれほど汚くは見えませんが、ずいぶん乾いているようです。
今回は、ゼンマイをとり出しました。
外装もバラします。
もちろん、裏蓋のパッキンはカピカピですので後で交換。
リューズチューブ内のゴムも弱っていたので、ほじくって取り出しました。
新品に交換します。
問題は、このドーム型のプラ風防です。かなり分厚くて盛り上がった、雰囲気の良い風防なのですが、
表面を磨いて済むキズではなく、このように経年劣化によるクラックが多数入っていました。
同じタイプの風防が手に入るなら、迷わず交換しますが、まったく同じものは入手できないので、ウーン、このまま使っちゃうか、という気持ちもわきましたが、、
やっぱり劣化がひどいので、交換しました。
コジアケでも良いかもしれませんが、一応、せっかくなので、ベゼルをゆがめる可能性の低い、4本爪のホロテックで外します。
ミドルケースとの接触点にはサビがけっこう見られます。
リューズの内側と一緒に、サビ落としを着けて、なるべくきれいにしました
次回、組立編へ続きます。
今日はこんなところで。
読んでくれてありがとうございました。
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