BULOVA US ARMY TypeA-11 Cal.10AK (その2:分解編)

ブローバ 米軍 A-11型 Cal.10AK
その2;分解編

前回の続き、ブローバのミリタリーウォッチです。
Cal.10AKの分解の様子です。

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裏蓋は、バイスに固定してゴムで開きました。
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防塵の内蓋
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リューズを抜きます。交換されたもののようでピカピカです。
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一方で、ケースは痛々しいですね。別に戦地に行かなくてもこれだけ昔の時計ならこのようにボロボロになるのでしょう。ステンレスではないですし。
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針を抜きました。9:07のまま針が止まっていたのでしょう。跡が付いています。
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実は、針を抜いたとき、イヤな感触でした、パチっという。
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あとで、ツツカナを抜いて気づいたのですが、秒針のハカマが折れました。残念です。かなり針も傷んでいたので、カシメられていた力に負けたようです。丁寧にやったつもりだったんだけど。。。

文字盤の裏↓
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ムーブメントを台に乗せます。こうして見ると、四番車に、秒針のハカマが残っているのがわかります↓
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この、ムーブメントの外に位置する長いパーツがハックレバーです。
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このように、左端でムーブメントの表側にピンを立ててテンプを停止する仕組みです。
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こんな感じ。
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さて、表へ行きます。
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テンプを外してから、秒カナを押さえている受けを外しました。本当はこの時に、先に、秒カナを支えているバネ(金色のパーツ)も外しておかねばいけません。
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これは秒カナを外したところ。うすっぺらいバネは、反り返りながら出車の下をくぐり、秒カナを絶妙に持ち上げています。
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出車というのは本当に、ただ出しただけだから、見るからに不安定な機構に思います。このバネが出車に当たったりしてはいけません。出車の組み付けも慎重にやらないと、このスキマは微妙なモンです。

先にバネを外さないで、出車を抜いたもんだから、工具があたり、バネ折れ曲がってしまいました↓
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↑中央付近、細くなった部分がわずかに折れて浮いているのがわかります。



これが、先日も紹介した出車抜きです↓三点の爪で、5本のアミダのある出車をつかみます。
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これで出車が取れたので、あとは普通の(スモセコの)ムーブメントと同じです。
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輪列は左上から下に向かってガンギ、四番、三番、中央に二番ということになります。三番のホゾが長いのが見えます↓
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二番車だけ、ツツカナとかしめてあるので、そのまま。
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角穴、コハゼ、丸穴、を外したらば、

これで表は終わりです。
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ゼンマイは乾いている感じはありますが、綺麗です。これも交換品かな?
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裏側です。いたってシンプルなパーツたちが配置しています。画面の下の方は、すでにはずした、ハックレバーのバネです。
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小鉄車が裏側に取り付けられていました↓
横から見ると山なりになっています。垂直に噛合うキチ車とのバランスを考えると、本当は、裏にするのが正しい(はず)。
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あとは、ツツカナを外したり、受け石を外したりしてオシマイ。
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ハック機能と出車以外、特に珍しいこともないですし、装飾もありません。
しかし、各パーツはガッチリと分厚くしっかりとしたムーブメントです。さすがです。

次回、組立編です。

今日は、こんなところで。
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