BULOVA US ARMY TypeA-11 Cal.10AK (その1:A11のミルスペック)

ブローバ
米軍A11型 軍用ハック時計
その1;A11のミルスペック
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Bulova 米軍A11ウォッチ
Cal.10AK
手巻き
17石
18000回/時(5振動)
カーフの市販ストラップを着せて


今日から、ブローバの軍用時計です。2周年企画で紹介済です↓


今では、アメリカ時計と言ってもピンと来ないけれど、アンティーク時計が好きな人ならもちろん、ウォルサム、ハミルトン、ブローバ、エルジン、グリュエンが出てきます。私も、エルジンをやって以来、アメリカン・角金ウォッチに目覚めそうになって少し集めたのですが、手が止まっていました。
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さて、1940年~50年頃の、ブローバは、10.5リーニュはCal.10系、11.5リーニュはCal.11系として、それぞれたくさんの派生ムーブを作っていました。相当な数作られていたようで、今でも比較的簡単にガラや安いジャンクが手に入ります。

10系の一つ、10AKというムーブメントがありますが、これが、出車を入れたセンターセコンド仕様として、軍用ウォッチとしても活躍することになったのです。
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米軍が1943年に出した軍用時計の仕様書がNO.94-27834というもので、A-11と呼ばれています。
この、小型の腕時計は、マスターナビゲーションウォッチの航空機AN5740(ハミルトンなどの懐中時計)の補助的な時計として必要になりました。陸軍航空隊と海軍の飛行部隊のナビゲーションに使われた後、陸軍にも提供されるようになったそうです。
ブローバ、エルジン、ウォルサムがこの仕様を満たし、納品することになりました。
ケースやダイヤル、針のデザインに微妙な違いはあるけれど、仕様を満たした結果、基本的に同じ雰囲気ですね。

スペックで特に重要なのは、ハックができることです。それから、センターセコンドである点でしょうか。そのほか、パワリザは30-56時間、15石以上、オイリング、整備済で1年以上動くことなどが指定されていたそうです。
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文字盤は黒に白字、会社名、トレードマークは認められない。
時分針だけでなく、センタースイープ秒針も白であることが求められましたが、夜光塗料は指定が無かったようです(当時はラジウムだったのだろうというコメントいただきました)。
 ケース径は26.98~33.33mm、厚さは風防込みで9.92mmケース素材は、戦時中なのでステンより悪いものでの仕様が求められ、ニッケル合金、ブラスなどが使われたそうです。ただし裏蓋はステンレス指定。エルジンにみられるようなコインエッジは指定ではないようです。もちろん、防塵・防水テストがあったということです。
ストラップはレザーか耐水性のもの。ちなみに風防は、3社ともプラ風防。

さて、裏蓋に刻印される項目は以下のリストです。

Type A-11
Specification No. 94-27834
Serial No. AF……….
Manufacture’s Assembly Part No. ……….
Order No. ……….
Manufacture’s Name or Trademark

私の時計の裏蓋を見てみます。
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シリアル番号は会社ごとにわりふり。
AFのあとに年号43なので、この個体は1943年製ということになりそうです。
パーツ番号は、ムーブメントの機種でしょうか。このブローバなら、10AKCSH
(CSHはなんのことだか。。)

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軍用時計は、ニセモノやガッチャが出回りすぎて、なにがなんだか分かりません。
これもeBayで手に入れたものですが、裏蓋とガワ、ムーブが一致していないかもしれません。少なくとも、風防はもちろん、リューズもイヤにきれいなので交換されているでしょう。文字盤、針、ガワ、はそれなりの経年変化があり、ガッチャかもしれないけど、とりあえずホンモノっぽく見えます。
しかし、ヤフオクで出品されているあの、明らかなニセモノ軍用シリーズ、買う人がいるんですね。息が長い。入札数がスゴイけど、つり上げもあるんだろうし。


次回、分解編です。
今日は、こんなところで。

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