Citizen Water Resistant 150m チャレンジダイバー cal. 6001 (その2;組立編、クラッチ車)

シチズン チャレンジダイバー Cal.6001
その2 組立編
このムーブメントは組立時にとても悩まされました。クラッチ車(切替車)でした。
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季節はずれですが、これは完成したばかりのころ。まだ春でした。セーター着ています。


まず、外装ですが、インナーベゼルがうまいこと外れない(異常に硬そうだったので)ガラス風防は付いたまま洗いました。
ケースを洗って、最後の仕上げに、ビーカーに入れてエタノールで、、と思ったら
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ビーカーの底に挟まっちまっただ。。。どうしてもはずれないので、
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バリンと、割りました。

ガラス風防は、いつもの酸化セリウムにリューターでやりました。(最近はすこしやり方を変えてみましたが)
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やる前↑


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12-3時を集中的に磨いた後。あと四分の三、気が遠くなりました。
結局、完成写真を撮っていませんでした。

ゼンマイも洗いました。
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壁の内側にグリスをつけて

巻き込んでこの後、上にもすこしグリスをのせて
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組立開始です。まずはマキシン周りから。
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ここも、スットビばねがありません。70年代になると、セイコーシチズンも、そうなっていきました。
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これで、巻真マワリはオシマイ。表へ行きます。

ざーっと輪列と、自動巻きを乗せまして。
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クラッチ車で整流して、香箱を回してゼンマイを回します。
ゼンマイがほどけて輪列へ力を伝えます。

ここへ、外せなかったローターが付いている受けを用意して。先にルビーに注油しておきます
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歯車が多くて心配でしたが
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すんなり入りました。


実は、自動巻き機構の、一部の第一減速車のネジを閉めこみすぎて、ネジ頭がパキっと行ってしまいました。。ショックです。ジャンクから部品を採取しました。
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角穴車、丸穴車をつけます。ちなみに角穴車、丸穴車は逆ネジです。なので、ドライバーでゼンマイを巻こうとすると外れてしまいます。
角穴車についている穴に何か細いものを入れて巻けばいいのです。リューズが付いているので、手で巻けば済みますが。
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ザラマワシはわりと快調でしたが、テンプを入れて測定してみたら、
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振角がイマイチ足りません。
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このあと、かなり色々試したのですが、原因はクラッチ車にあるようなのです。

先ほどの写真ですが、香箱を介して、本来、輪列側(赤)に力がかかっていくのですが、クラッチ車の調子が悪い(スベリが悪い)と、その力が、無駄に自動巻き側にも戻ったり、香箱の力の開放をさまたげ、輪列への力が足りなくなるみたいです。結果、振り角が足りなくなるみたい。
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クラッチ車は、ETAなんかと同じように、二枚の歯車があり、中に爪があって滑って、ローターの両側の流れを一方向に伝える重要な歯車です。
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こいつはいつも難しくて、洗うと、スベリをよくしているエピラム処理のようなもの?が取れてしまい、機能しなくなります。
ETAのオイルチャートで、内側の爪に9010のような軽いオイルをさすような噂を見たので、いちじき、それを試したり、この時も、それを試みたのですが、、、ダメです。チュードルのETA2824-2で学んだとおり、これは洗わない(工場出荷状態)がベストです。
でも、もう、洗ってしまったので、どうにもなりません。



元のジャンクのクラッチ車も洗ってしまいまして、どうせなら、じっくり洗いました。
その結果、全くスベリが悪いせいか、ゼンマイを巻くと、ものすごい勢いで、ローターが回り始めました。供回りというやつでしょうか。まさにクラッチ車が機能していないんだと思います。しかし、この場合、振り角もかなり出たのです。

うーん、どうすりゃいいのか。
結局、もう一つのドナーのジャンクから、無洗浄のクラッチ車を持ってきたら解決しました。
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ローターのグルグル供回りもなく、振り角も、なんとか230~240ぐらいは出るようになりました。

とりあえず、安心して、裏側へ行って残りを組み立てます。
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もとのダイバーの赤いカレンダーを入れて
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これで、だいたい完成です。


なんだか巻真がぐらつくな、と思ったら、先端が折れていました。分解したときはまったく気づかなかったのです。下はジャンクの部品。
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ちょうど新品があったので短くしてつなぎなおしましょう。
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よしよし。パーツがあってよかった!
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リューズ内側のパッキンがボロボロのスカスカだったので、汎用パッキンを探そうと思ったら、、、
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大惨事。。。
フタが開きやすいし、空いたら最後、こうなっちゃうんですよ。
どれがあうかなーなんてやる頃には力尽きていました。
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忘れていたけど、あの時のことが思い出されてきて、ぐったりと疲れたので、続きは明日(その3)へ。組立と微調整です。



今日は、こんなところで。

読んでくれてありがとうございます。


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