オメガ シーマスター プロフェッショナル cal.1109 2892-A2 (その1 分解編)

OMEGA seamaster professional chronometer 300m/1000ft

その1 分解編
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オメガ シーマスター プロフェッショナル
ボーイズサイズ
Cal.1109 ETA2892-A2
自動巻き
21石
28800回/時(8振動)
ワニ型押しストラップを着せて

久しぶりのスイス時計の更新です。
この夏、高頻度で使用したオメガのシーマスター・プロフェッショナルです。

ダイバー時計に狂っていた最近ですが、その流れで、有名なダイバーである、シーマスターを一台、手に入れたかったのです。
この顔つきはなんともかっこいいです。昨日の写真↓
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もう、寒いぐらいの朝ですが、たまたま、デニムジャケットのボタンが三色使いで、シーマスターの配色に似ていたので、撮影しました。


ムーブメントは、スイス時計を良く知っている人なら、説明不要な、エタの2892-2です。自動巻きのために作られた、高精度、薄型、というムーブメントです。
現行~少し前の時計であれば、スウォッチグループに限らず、様々なブランドに提供されています。ハミルトン、ロンジン、オメガ、IWC、ブルガリ、、、百貨店の高級時計の舶来物のショーケースをドラえもんの透視眼鏡で見れば、コイツか、ETAの2824-2が、結構な割合で発見できる、、ような気がします。
(というのが私の勝手なイメージ)

2824よりも高価ですし、古いジャンクに入っているよりも、現行に近い、つまりジャンクで手に入りにくいので、今まで分解したことがありませんでした。

なるべく安価で手に入るジャンクを探しました。稼働品で文字盤はきれいですが、ケース脇と裏蓋にはけっこうひどいキズがありました。説明文では書かれていても、どこがその傷か、わかりにくい写真が載っているのでした。おかげで、状態以上に値が上がってしまいました。悔しいですが、しかたないです。


では、さっそく分解

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時間を12時に合わせてから、コジアケで回転ベゼルを外します。けっこう、固くハマっていますので、壊さないように注意します。



ベゼルのスプリング(逆回転防止のため、ベゼルの下にはリングがあり、弁のようなひっかけ部分が3か所ほど付いています。
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そのベゼルスプリング(?)は、12時位置のミゾに刺さっています。わかりにくいけど↓
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今回は、ガラスはきれいなので、ケースの分解はこれだけ。

裏蓋を開けると、耐磁プレートが見えます。乗っかっているだけです。
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パカっとはずせば、ムーブが出てきます。
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往年の、「オメガ」時代の美しく、味のあるムーブメントに比べれば、つまらないと言われるのかもしれないけど、ETAだって、装飾がきれいにされていれば、かっこよく見えます。私は別にこっちだっていいと思います。パーツも手に入りやすいし。

ローターを外します。三か所のネジでムーブ本体から外れました。
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中央に三個見えるネジで、さらに、ローターだけ外すことができます。
ローターのベアリングを外すには専用工具が必要ですが、普通のメンテなら不要です。

さて、ローターを外してからの方が動きやすいので、ここでリューズを抜いて、ムーブを出しました。
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文字盤がむき出しになるので注意します。カバーをかけて、針を抜いたところです↓
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さて、ここで結構、大きな問題があることに、私はこの時、気づきませんでした。
シーマスターの特徴である、この波うった模様に気を取られすぎましたか。
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ボーイズサイズなもんで、6時位置に4行もあると、文字盤がゴチャゴチャしますね。

文字盤を外します。干支足を固定しているのは、普通のネジではなく、青い色で書いたように非対称なネジを回転させて、水平な部分を干支足側に寄せて、外します。これは、フックになっている2824とかのほうがいいなぁ、と思いました。
なにしろ、最初、気づかずにいっぱい回してから抜こうとしました。ぜんぜん取れないなと思ったら、こういうことか。
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なにやら裏には数字が彫ってあります。良くわかりませんが。
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文字盤と針は決して汚さないように、保管しておきます。
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分解前に状態を見てみました。
さすが、クロノメーターと言うだけのことは合って、大分メンテされていないジャンクでも、それなりの良い数字でした。
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テンプを外したら、香箱のゼンマイを解放して
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アンクル受けがなんだか大げさです。現行のコアクシャルはこのあたりの様相が違うだけで、ほとんど全く同じに見えます。
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分解を始めたばかりなのに、なんとなく左側に空間が見えるのは、自動巻き部分のスペースですね。ムーブの上に自動巻き機構を乗っけたのではなく、あらかじめ、自動巻きの設計だから。


小さい、輪列の受けを外しました。左から、二番車、三番車、四番車
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輪列をはずしたら、香箱の受けを外します
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角穴車が乗っています。

受けの裏には、手巻き系列の歯車があります。
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これも分解します。中央の折れ曲がったコハゼバネだけなくさないように注意。

これで表は終わり
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裏に行きます
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けっこうシンプルで、いいです。

カレンダー(日車)は三か所の小さいプレートで押さえられています。左と下を外しました↓
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最後に、巻き芯周りの上にある、プレート部分を外して、カレンダーを外しました。
歯に塗られているグリスのため、裏側はちょっと汚れているのでロディコで掃除しておきましょう。
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巻き芯周りを外します。部品点数は多くないと感じます。
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ザーッと外して
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これで、おしまい
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インカブロックも外して洗浄します。

自動巻き部分をバラします。
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ぎっしり入っています。中央の二つは切替車ですから、洗浄は行いませんでいた。
ホゾはロディコで拭いましたが。


香箱を開けましたが、ゼンマイはきれいなので、出しませんでした。
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次回、ムーブメントの組立です。


読んでくれてありがとうございました。

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