その2 組立編
先日の続きです。
7019Aにはリューズを抜くときのオシドリピンのように、他にもいくつか注意したいところがあります。
受石のダイヤフィックスが、以前のタイプと異なり、このムーブでは、耐震装置のダイヤショックのように3つの爪になっています。
写真は一番受けのダイヤフィックスです。左上のほうは外したところ。
洗浄して、組み込むのですが、これがなかなかヤッカイです。似ているとは言っても、小さく、テンションのかかり方が違うので、いつものダイヤショックの気持ちでやると後悔します。
上にカバーをかぶせながら作業したりして。受け石に注油したあとでやるので、ずれて油が周囲に付いたりしたらダイナシです。なんどかすっ飛ばしてかなり疲弊しました。便利なんだかどうなのか。。。
では、本体の組立です。裏面から行きます。
こちらも、テンプ用の耐震装置、ダイヤショックを洗浄して注油し、輪列にも外して洗浄できる伏せ石が付いています。昔のムーブのようなただの穴石より、油が長持ちするんでしょうが、コマゴマと面倒です。
さて、これで準備OKなので
マキシンとオシドリ、ツヅミ車、カンヌキを組んで
バネの類を組んで、固定されたら、
表面へ行きます。
まずは、香箱、二番車を組んで、
ここに輪列の歯車を乗せます。
最初に組み立てておいておいた、受けを出してきて、マジックレバーを用意して、伝え車にグリスを少し多めにつけます。
S4という、グリスS6にモリブデンを入れたものを使うべきなのですが、S6しか持っておらず、S3という自動巻きスリップアタッチメント用のグリス(モリブデン入り)を持っていたので、少しS3をS6に入れて使ってみました。
伝え車をマジックレバーの根元に刺したら裏返して、パックマンのピンで固定します。スライド式に、こう留めます。7S26と同じです。
これで、輪列をかぶせて、ザラ回しをして確認。
丸穴、角穴、テンプを入れたらドライバーでゼンマイを巻き上げてみて、動きだすのを確認します。
ちょっと調整したら、歩度と片振りはまあまあ、ちょっと振角が少ないですが、まぁ。。
後は、裏返してややこしいカレンダーを組みつけましょう
ゴチャゴチャしていますが、ポインとは、曜日早送り用のパーマンバッジです↓
これで曜車まで組み付けたのですが、プッシュでの早送りができませんでした。よく見ると、パーマンバッジと脇の下にあるピンとの噛合いが間違っていました。
コチラ↓が正しい組み付けです。パーマンバッジの脇の下ではなく上の方にピンが無くてはいけません。ややこしいです。
これで、プッシュボタンにより、早送りでいるようになりました。
金属製のスペーサーを取り付けてから
文字板を入れる!コレを忘れるとせっかくの針付けがパア
カレンダーが切り替わる位置で針を刺しました。太めの真っ白な秒針がかっこいいですね!
ひっくり返して、リューズを一番最後まで引いた状態で、オシドリピンを推して巻き真を抜きます
ケースに入れて
巻真にグリスを塗って、
キレていたパッキンはもちろん新品にして
あとは、ローターの取り付けです。
ローターに矢印マークがありますのでこれが、伝え車の丸い穴に合う位置↑この位置に合わせてから、ローターをネジドメします。この位置がローターの回転と巻上げ効率に影響するそうです。
シリコングリスをパッキンにつけて蓋をしたら完成!
青の色使いがとても若々しいですね!ドライバーと合わせてみます。
やっぱりネコみたいな顔です。
特殊な6面ガラス風防に傷がありますが、まぁ許容範囲です
ペラペラのキャタピラブレスを合わせて完成!!
上下方向にケースもガラスも非対称というのがとても珍しいです。太陽マークにせよちょっといかれたデザインだと思います。
せっかくなので、我が家の、他の猫時計と記念撮影↓
偶然、どれもセイコー製です。
今日は、こんなところで。
読んでくれてありがとうございます。
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