SEIKO ADVAN 7019-7150(その2:ダイヤショックタイプのダイヤフィックス、組立編)

セイコーアドバン Cal.7019A

その2 組立編

先日の続きです。

7019Aにはリューズを抜くときのオシドリピンのように、他にもいくつか注意したいところがあります。

受石のダイヤフィックスが、以前のタイプと異なり、このムーブでは、耐震装置のダイヤショックのように3つの爪になっています。
写真は一番受けのダイヤフィックスです。左上のほうは外したところ。
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洗浄して、組み込むのですが、これがなかなかヤッカイです。似ているとは言っても、小さく、テンションのかかり方が違うので、いつものダイヤショックの気持ちでやると後悔します。
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上にカバーをかぶせながら作業したりして。受け石に注油したあとでやるので、ずれて油が周囲に付いたりしたらダイナシです。なんどかすっ飛ばしてかなり疲弊しました。便利なんだかどうなのか。。。


では、本体の組立です。裏面から行きます。
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こちらも、テンプ用の耐震装置、ダイヤショックを洗浄して注油し、輪列にも外して洗浄できる伏せ石が付いています。昔のムーブのようなただの穴石より、油が長持ちするんでしょうが、コマゴマと面倒です。

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さて、これで準備OKなので

マキシンとオシドリ、ツヅミ車、カンヌキを組んで
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バネの類を組んで、固定されたら、
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表面へ行きます。
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まずは、香箱、二番車を組んで、
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ここに輪列の歯車を乗せます。

最初に組み立てておいておいた、受けを出してきて、マジックレバーを用意して、伝え車にグリスを少し多めにつけます。
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S4という、グリスS6にモリブデンを入れたものを使うべきなのですが、S6しか持っておらず、S3という自動巻きスリップアタッチメント用のグリス(モリブデン入り)を持っていたので、少しS3をS6に入れて使ってみました。
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伝え車をマジックレバーの根元に刺したら裏返して、パックマンのピンで固定します。スライド式に、こう留めます。7S26と同じです。
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これで、輪列をかぶせて、ザラ回しをして確認。
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丸穴、角穴、テンプを入れたらドライバーでゼンマイを巻き上げてみて、動きだすのを確認します。
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ちょっと調整したら、歩度と片振りはまあまあ、ちょっと振角が少ないですが、まぁ。。
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後は、裏返してややこしいカレンダーを組みつけましょう
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ゴチャゴチャしていますが、ポインとは、曜日早送り用のパーマンバッジです↓
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これで曜車まで組み付けたのですが、プッシュでの早送りができませんでした。よく見ると、パーマンバッジと脇の下にあるピンとの噛合いが間違っていました。
コチラ↓が正しい組み付けです。パーマンバッジの脇の下ではなく上の方にピンが無くてはいけません。ややこしいです。
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これで、プッシュボタンにより、早送りでいるようになりました。
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金属製のスペーサーを取り付けてから
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文字板を入れる!コレを忘れるとせっかくの針付けがパア


カレンダーが切り替わる位置で針を刺しました。太めの真っ白な秒針がかっこいいですね!
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ひっくり返して、リューズを一番最後まで引いた状態で、オシドリピンを推して巻き真を抜きます
ケースに入れて
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巻真にグリスを塗って、
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キレていたパッキンはもちろん新品にして
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あとは、ローターの取り付けです。
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ローターに矢印マークがありますのでこれが、伝え車の丸い穴に合う位置↑この位置に合わせてから、ローターをネジドメします。この位置がローターの回転と巻上げ効率に影響するそうです。

シリコングリスをパッキンにつけて蓋をしたら完成!
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青の色使いがとても若々しいですね!ドライバーと合わせてみます。

やっぱりネコみたいな顔です。


特殊な6面ガラス風防に傷がありますが、まぁ許容範囲です
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ペラペラのキャタピラブレスを合わせて完成!!
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上下方向にケースもガラスも非対称というのがとても珍しいです。太陽マークにせよちょっといかれたデザインだと思います。


せっかくなので、我が家の、他の猫時計と記念撮影↓
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アルバAKA、セイコーadvanツモリチサト

偶然、どれもセイコー製です。

今日は、こんなところで。
読んでくれてありがとうございます。


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