いたるところにETAが居た時代

今日、28日の時計は、ETA2824-2を搭載したチュードルサブマリーナ。
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年度末でテンテコマイで忙しい中、しかもブログでテンテコマイで忙しい中、万障繰り合わせて、古い仲間と久しぶりに集まってお酒を飲んできました。
ファッションにこだわりのある友人がしていたのが、とってもかっこいい、ユリスナルダン。さすが時計にもこだわってます。人とかぶらなそうです。
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ブルーにアラビア全数字。41ミリぐらいのデカくて超重いブレスでしたが、個人的にはかなり魅力的なデザインです。
ユリスナルダンは、最近、ケリングに買収されたことが話題になりましたが、由緒正しいマニュファクチュールです。今日は、それとは反対のETAについて。

2010年問題と言えば説明不要ですが、スウォッチグループETAのエボーシュの供給を取りやめるというアレです。スイスの各メーカーが自社開発を放棄し、ケースにエタ乗せてガワ時計を高価に売りまくっているのは不健全でスイス時計産業を堕落させる、というのがスウォッチグループの言い分です。
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確かに納得できる感じもします。いわゆる高級ブランドのカルティエフランクミュラーパネライなんてのもETAだったわけだし。スウォッチグループかどうかは別としてアンティークの世界で名門の、オメガ、ロンジンIWCも、中身が同じというのは、いくらすばらしいガワや、メーカーのヒストリーのうんちくがあっても、さみしく映ります。ちょっと前までは、スイスの高級ブランドの置いてあるお店に行けば、違うガワを着た、ETA2824や2892がそこらじゅうに陳列されていたんですね。今もまだそうですが。
いっぽうで、別にETAの機械が問題があるわけじゃないから、気にしない人も多かったでしょうし、自社開発ムーブとなれば、それだけでお値段も上がってしまうでしょうから、賛成できない時計ファンもいると思います
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産業保護を目的としたエボーシュSAの結成から、時計産業の停滞、クォーツショックもあり、ETAが各社を吸収合併して一体化し、現ETAが形成されました。スウォッチグループETAの技術力で中心的存在になった末に、業界のため、ということで、ETAを囲い込む。
なんだかな、という印象もあるけど、あらたに技術開発競争によって素晴らしいムーブメントが各社によって色々と生み出されていくなら時計ファンとしてはやっぱり楽しいですね。何十年かしたら、また危機があって合理化を迫られて、統合されたりするのかな。広がって発展して、収束して、繰り返していくのでしょうか。現状では、巨大なグループが既に存在するからさらに複雑なんでしょうけど。
ずっと後になってジャンク化石を掘り出した未来の時計好きには、2010年の前には、いたるところにETAがいた時代だったんだなー思うのかもしれません。
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このチュードル・ミッドサイズのサブマリーナ75090に乗っているのは、ETAの代表的ムーブの一つ、2824です。よく比較される、自動巻きとして開発された2892に比べるとやや分厚いのが特徴です。精度もパワリザも、全く問題なく、現状、元気に動いています。何度かやっているので愛着の湧いてきたムーブです。巻き真の周りが複雑でちょっと、面倒ですが。
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私の持っているボーイズサイズのダイバーとして、2892のオメガシーマスターとこのチュードルはライバル関係です。どっちも好きなのですが、どちらかと言えば、シンプルな分、チュードルの方が気に入っています。
分解の様子はこちら↓

雑誌で、ショップ店長のインタビューの中で、ビンテージ・チュードルの魅力はなんですか。そうですね、はっきり言って外見ですよね。みたいなやりとりがありました。悪い意味じゃなくて、たとえばチュードルディフュージョンブランドとしての意味を考えればそういうことだし。必ずしもETAの入った時計が忌み嫌われるわけではないのです。チュードルの時計は、今も昔もかっこいいです。
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ノースフラッグとかの自社ムーブが話題になっていましたが、今年のブラックベイの新作にはTUDOR calibre 2824って書いてあって、結局ETAベースなんですかね。
とりあえず36ミリという小さい径がポイント。やっとデカアツブームが本当に終わったのでしょうか。新品のチュードルを買うことはないですけど、小さいのはイイネ!


しかし、WATCH TIMEで2892の本家と中華の比較記事では、中華の実力もなかなかすごいことが書かれていました。
時計メーカーもそんなに中身に心配しないでもいいのかもしれませんね。とりあえずGAGAミラノみたいなのも受け入れられるわけだし。


今日は、こんなところで。

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