63系 はかなき夢に 干支の月 ~ファイブ芭蕉

今日、29.5日の時計は、29.5日周期で満ち欠けするルナカレンダー、セイコーファイブCal.6347です。
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正午は0.5日経過したと考えれば、「ただいま、3月29.5日」というタイミングです。年度末、体調には気を付けたいところです。
とりあえず、食事と睡眠と、ゼンマイを巻き上げる時間だけは取るようにしましょう。

つい先日、7S26でセイコーの機械式末期のことに触れましたが、諏訪精工舎について言えばそれは63系です。60年代ごろから本格的に舶来に対抗できる時計を生産し、66年以降、世界に名前をとどろかせてきたセイコーですが、その機械式時計の歴史は70年代半ばには終焉しました。しかし、諏訪63系はそのころになって、亀戸70系のように合理化されたメンテナンスしやすいムーブメントとして開発されました。
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63系は、ファイブアクタス、シルバーウェーブ、そして、サードダイバーなどに搭載され、日本で機械式時計の使命が終わった後も輸出用として製造され続けました。諏訪系については、1988年のファイブファイナルモデルをもって、完全に終止符が打たれます。
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さて、ムーンフェイズ付のファイブ、Cal.6347は、その63系のなかでも異彩を放つ時計です。輸出用に作られ、長野で限定発売が一部されたと言われています。もはやクオーツ時代の1985年です。
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曜車のかわりに月齢車が乗った機械で、これまでのセイコーの時計、ファイブの時計とはずいぶん異なる雰囲気があり、ファイブバッジが無ければ、ファイブとは思えないようなものです。6角形あるいは8角形のケースに、ネイビーや黒をベースとした文字盤に金色やガラス玉を用いた高級感がチョっと漂うドレスウォッチ風の時計です。むしろ後年のクレドールみたいな雰囲気、とは言い過ぎかな。ただし、デザインとしてムーンフェイズを全面に押し出しすぎたので、ドレスウォッチというよりは、個性的な、面白い時計、という表現のほうが似合います。
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いずれにしても、機械式では高級時計に特有の機構と言ってもいいムーンフェイズをファイブに乗せ、最後までインパクトを残しました。セイコーは、国産機械式時計の夢のあとをふりかえり、惜しむように、ロマンチックでゴージャスなファイブを残したかったのかもしれません。単に、海外のファイブ人気で、そのバリエーションの一環として狙っていたのかもしれませんが、すくなくとも日本限定盤では、熱心なセイコーファンを喜ばせたのでしょう。
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分解ですが、63系は、アクタスやダイバーなど、いくつかやっていますが、ルナカレンダーについても、一度やっているんです。惨めな経験をしております↓


今回のこの、ルナカレンダーはリベンジとして、あらたなジャンクから復活させたものです。文字盤はまあまあ良い状態です。

運よく、カン幅がぴったり合い、安っぽいですがコンビのベルトで、ルナカレンダーの雰囲気にはぴったりなやつがジャンク品で見つかりました。


1号2号の記念写真
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今日は、こんなところで。おやすみなさい。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
あと、2日間、お付き合いくださればうれしいです。

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