ポストクォーツ時代のセイコーメカニカル

今日、26日の時計は、Cal.7S26のセイコー・ブラックモンスターSKX779です。
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今日は、久しぶりのツタヤで「座り読み」のお勉強。Watch Timeではクロノ・クロノロジーなんていう気の利いたタイトルで、セイコークロノグラフの歴史の記事がありました。クラウンから61系、70系はもちろん、現行の機械式クロノまで、綺麗な写真を交えて5ページぐらいに渡った解説がありました。海外でのセイコー人気がうかがえます。
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グリーンサラダに夜光インデックスが似合いますね。

7S26はファイブのファンからセイコーに興味のない人まで知られるムーブメントです。丈夫で精度の高い安価な、5つの機能を持つ自動巻きファイブはクォーツショック後も世界中で愛されてきました。ファイブだけでなくセイコーの輸出用機械式シリーズに広く使われてきた機械です。1968年の亀戸製7005を基に、7019や7039、7009、さらに 7018等のクロノグラフを含む色々な機械が作られました。70系が亀戸製の機械式末期のもので(諏訪製では63系)、それを引き継いだのがこの7S26 です。
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セイコー自身が引き金となったクォーツショックの後、セイコーは一度、機械式に終止符を打ちますが、機械式の需要は依然あったため、80年代から現在まで、海外向けに7S26がアジアで生産されています。クォーツと言う時計の能力を世界に広める一方で、セイコーはオートメーション化で製造された簡素で安価なムーブメントを大量に提供するという道も同時に歩いてきたのです(これは最近の高級機械式時計の復権させた方向性とは真逆と言っていいかもしれません)。安価とはいっても、実際、壊れないし、精度もしっかりしているし、巻き上げ効率も高いというファイブの能力は保たれたままなのです。
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(あいにくローターが外れた状態の写真しかありませんでした)


クォーツの登場後、セイコーでは機械式のノウハウが廃れ、後のGS復刻に当たり、一からやり直すようなレベルではあったわけですが、一応、途切れることなく機械式を作ってきたとも言えます。。まあ一応。これについては、シチズンももっと深刻なのかもしれません。ラジューペレを獲得した大きな狙いはやはり機械式のノウハウをもう一度スイスから学ぼうということなのです。えーと、ともかく、セイコーは、電池供給の難しい地域の市民、さらには、私たち素人時計いじり市民に、安価で楽しい機械式時計を提供してくれる素晴らしいメーカーなのです。

手持ちの70系を並べてみました。左から7005、7019、7017、7009、7s26です。
このようにムーブ表面から見るとあまりちがいはありませんが、7S26では、日の裏側にプラのパーツが多用されていてちゃっちい感じはしますが、壊れやすいとか、機能が悪いとかそういうことではありません。見事な合理化だと賞賛されるべきことなのです。
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オールドセイコーと比べると、マジックレバーの分解・組立、ダイヤショックが三点式ではないこと、日の裏側のいやがらせみたいな小さなプラスネジがあること、が注意点でした。
7s26分解の様子はこちら↓



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ブラックモンスターSKX779(7S26-0350)は、特に海外では愛されているダイバー時計です。7S26はファイブだけでなく、ネイビーボーイなどのダイバーにも多数搭載されていました。

ブラモンの過去記事はこちら↓


私にとっては、余りにもごっつくて腕に合わないのですが、お安くいい状態のものた手に入ってしまうので、ついつい。特徴的な針に、まぶしいほどの夜光。それにツナ缶のベゼル&ケース。すり鉢状の文字盤、程よいクリック感のベゼル。これを安価に中古で手に入れられるから、現行の高価なプロスペックスが欲しくはならないな、とりあえず。。。
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深く刻まれた波浪マークもかっこいい↑

今日は、こんなところで。読んでくれてありがとうございました。
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