国産初の高振動機械

今日、10日の時計は、10振動のセイコー ロードマーベル5740Cです。
3月10日は東京大空襲の日です。100万人も被害を受けたというのだからすごいこと。戦争のことは、我々知らない世代もずっと意識していかねばなりません。
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寒かったり暖かかったり体がついていきません。小難しい打ち合わせがこれから始まるので憂鬱な時に、大好きな時計を見て少し回復したところ↑


時計好きの心を癒すガンギと爪石によるハーモニーは、10振動の場合、普通のチキチキチキではなくチ・チ・チ・チ・チに聞こえます。
機械式時計の精度の一つの要素が振動数で、腕時計における「振り子」であるテンプが一秒間に振れる回数です。早く振れるほど外乱に強く、等時性を保ちやすくなるということみたいです。アンティークでは5や5.5振動のロービートというのがふつうで、市販されたものの一番早いのが10振動とです。

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一方で、高振動の場合はパワーが必要という点があります。主ゼンマイは分厚く、強いトルクが強くなります。実際、高振動はゼンマイが固有のもので、替えが無く苦労することがあります(61GSで悩んでいる人は私を含め多いらしいです)。ロービートの二倍ぐらい爪石とガンギが触れ合うわけだから、しっかりした整備が大切です。ガンギと爪石のエピラム処理はハイビートには特に重要だと考えられます。

これは教科書的に言われることで、自分としては、ロービートと比較してどうこう、ということもないです(そういうレベルに達していません)。
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セイコーが1967年に出したロードマーベル36000が国産初の製品です。製造期間が長かったようで、現存個体がよく見られます。金か銀、全数字かバーインデックスのデザインのバリエーションがあります。

結局10振動のハイビートというのは、一部の高級機などに搭載されるにとどまりました。セイコーは現行でも復活させたハイビートをGSに入れてさかんに宣伝しています。耐久性・メンテその他を考えると、ハイビートでも8振動ぐらいがベスト、という結論なのでしょうか。実際、10振動の時計はビンテージ、アンティークを見ても多くありません。
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クロノスに「人生を変えた時計」というひさしぶりの富裕層コレクター特集が出ていましたが、この時計は、ある庶民の趣味人生を変えた時計です。
なんて、しょってますが、単に私が時計を集めたくなったきっかけです。現行のようにデカくなく、しかもシンプルなアラビア全数字というのにほれ込みました。まだ相場とか状態とかあまり気にしないでボケた画像のものをそれなりの値段で手に入れたものです。

文字盤の絹目とアップライトのインデックス、見やすい針に秒マーカーがしっかりついていて、個人的には、文字盤にどこをとっても不満がありません。ケースも、巻きやすいやや大きめのリューズも好印象です。
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オイルも残っていて、見た目も綺麗で、精度も振り角も出ているので、分解するのは申し訳ないので、やっていません。


ワニのストラップはシャイニー玉斑の黒で作りました。初めてDバックル専用に作ったものです。ちょっと長すぎました。
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大好きなので、金色もジャンクを手に入れて分解しました。
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一点、せっかくの高精度の機械ならハック機能があったらいいのにな、とは思います。

今日はこんなところで。
読んでくれてありがとうございます。


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