その2:ゴロンとしたクッションケースについて
ステンレス削り出しの屈強なケースです。まさに塊という感じです。
ちょっと調べると、サントル・ボア社というケースのメーカーから、各時計メーカーに提供されたという話があるのですがそれ以上の情報がありません(すべて国内の記事;松本零士がこの時計が好きだというムック本がソースでしょうか)。
(★追記⇒)どうやら、Charles René Spielman(C.R.S)というケースメーカーが作っていたということがわかりました。ロレックスのオイスターケースやオメガのスピマスのケースも作っていたそうで、CRSという刻印が裏蓋に入っています。じゃあサントルボアってのは代理店か何か、かな。
これは、ネットで拾ったキングダイバーの裏蓋の内側の写真のひとつで、C.R.Sと刻印があります。BREVETとか十字のマークは、特許とかいう意味で、MOD DEPOSEというのも登録してある、という意味です。
これは私の時計の内側の刻印。CBという文字があります。なにかしらのコードかもしれませんが、サントルボアの頭文字かもしれない、とも思いましたが、、、深読みだったか。
せっかくなので、キングダイバー1000と同じCRSのケースを採用している時計をかたっぱしから調べてみました。
ニバダNIVADAのデプスマスター
最も有名で、ニバダの代名詞のようになっています。色々なバリエーションが見つかりましたので、その一部を↓
このパックマンと言われるアラビア数字が一番人気なようです↓
いろいろ派手なやつもあります。リダンもあるかもしれません
サンドズSandoz
ニバダの次によく見かけます
「ダブルジョイントOリング」というのは、リューズのパッキンでしょうか。ネットの時計屋の情報では、サンドズの場合、リューズはねじ込み式になっているようなので。
ルクルト Le Coultre
現存する有名どころでは、ルクルトも使っていたとか。
その他ウォルサムとかハミルトンも使っていたというのを見ましが、写真は発見できませんでした(似たようなクッションケースのウォルサムは見つたけど)。
エルジン Elgin (もちろん昔の)
(↑時計商見習さんから情報をいただきました。ありがとうございます)
ジャケ・ドロー JAQUET-DROZ
ジャケドローがこういう時計も作っていたのですね。現在は、超高級!ドレッシー!というイメージですが。
(↑haj*ake**ei65さんから情報をいただきました。ありがとうございます)
オースティン Austin
アルファ Alpha
このメーカーはたまにダイバー系で見つかります
ル ファーレ Le phare
これはマニアックで、ほとんど写真がありません
ジュネーブとだけかいてありますが、これもルファーレだとか
ユングフラウ Jungfrau
ドイツのメーカーでしょうか。
現状、唯一、見つけたベンツ針採用の時計↓
フィッシャー・エクストラ Fischer Extra
後ろのに目が写っているおっさんは、松本零士です。
ディフォー Difor
このあたりにくるとほとんどわけがわからないメーカーばかり
ベッタ Vetta
裏蓋にはオリエントのように1000mテストしたからスゴイよ、みたいな情報が刻印されているものもあれば、
そうでないものもあります
裏蓋を開けると、内蓋があります(防塵だと思います)
また、今回、諸事情で風防は交換しませんでしたが、風防を交換するには、内側のリングをこのように外す必要がありそうです↓
ということで、今は亡き色々なメーカーもこぞって採用した、クッションケースの紹介でした。今後、勉強して、何かわかったら、追記・訂正していきます
こうした舶来メーカーに交じってオリエントだけが日本代表としてこのケースを仕入れたというあたりが、いかにもオリエントっぽいのかもしれません。
このブログの本筋である(はずの)、ムーブの分解、ベルトの作製は、もうちっとまとめるのに時間がかかりそうなのです。
「その3」は、しばらく間があくかもしれません。
今日は、こんなところで。