SEIKO ALBA success V721 (巻真のための裏蓋の切込み)

先日、ちょっと予告したとおり、今日はクォーツの時計です。
文字盤が光ってしまって良くわかりませんが、父親に頼まれれていたセイコーのALBAのシンプルな時計の修理、というか、機械の交換です。
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ALBA SUCCESS
クォーツ
1990年代(かな?)
カーフ、、じゃなく合皮のベルトを着せられて


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時計が止まったので、時計屋に行ったら、壊れているので修理すると1万円かかると言われた、とのこと。おそらく、安価なムーブメントを乗せ換えるだけで終わりなのだろうから、1万円はひどいだろう、、と、喜んで引き受けました。
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時計屋の言うとおり、電池を入れ替えてもビクトモしません。原因がなんなのかはわかりませんが、追求する気も、する設備もありません。

探してみると、ちょっと古いものだからか、三針カレンダーなしの、この、V721のというムーブメントの新品は、パーツ屋で手に入りませんでした。
似たようなセイコーエプソンのムーブは安く売っています(追記)↓
カレンダー付ですがVX32E3 とか、7N93Aとか(「気さくな時計屋さん」より拝借)が、よく似たようなムーブメント、、に見えます(時計商見習さん、情報ありがとうございます)
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でも、ちょっと違うだけでも、スペーサーとか針の高さとか、色々面倒だろうから、やっぱりV721そのものが欲しいなぁ。かといって、ヤフオクで中古の時計を手に入れても、調子が悪かったらイヤだし。

新品のムーブを乗せて末永く使ってもらいたいので贅沢をすることにしました。
同じキカイを乗せたALBAのSuccessというシリーズを新品で購入したのです。
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デザインの細部は微妙に違いますし、こちらは銀色ですが、基本的には、ほとんど同じです。
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見やすさを最重視した時計です。ロゴもシンプルでカレンダーもなく、邪魔になるものがありません。レイルウェイ秒目盛も見やすい。

この時計をプレゼントしたほうがいいのではないかという発想も出てくるのですが、それでは修理にならないので(?)ムーブメント以外はオリジナルを使います(あとでこの約束が少し果たされなくなります)
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裏蓋も書いてあるのはほとんど同じ。ガワ番号が、6A40と6A70で微妙に違うぐらいで。メッキの違いだけかな。
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さて、全とっかえしましょうか。
One Jewel  S.EPSON Corp V721の文字が見えます。
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リューズを抜いて、ムーブメントを取り出し、針を抜きます。
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ちゃんと12時にして変えないといけないのですよ、本当は巻き芯を抜いちゃったし、カレンダーがないから、まあいいか、と思って。
この横着のせいで、微妙に中心の穴付近にキズをつけてしまいました、、、
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ムーブを乗せ換えたら、針を入れなおして、
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電池を入れて、一応、もう一度確認しましょう。秒針が動きました!
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あたりまえですが。

リューズを少し綺麗にしましょう。四つ割りに挟んで
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ハケできれいに
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パッキンも、切れていたので、新品の方からもらいます。
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中央にあるのが古いパッキン↓
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さて、これで完了。
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ここで重大なミスを犯しました。

スナップバックの裏蓋の場合、ベゼルを差し込む溝を気にするのですが、ムーブの配置によっては、もう一つ重要な溝を確認しなければいけないのに、、
テキトーにエイヤっと
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あれ、、ちょっと浮いてるぞ??
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中国製だからかなぁ、、とか、のんきなことを考えていたら、
いやいや、俺が悪いんだぞ、とすぐに思い当たりました。
巻き真をつぶしてしまいました。
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裏蓋に一か所溝が付いているのが、リューズの位置でリューズをつぶさないためのミゾだったのに、強引に押し込んでつぶしてしまいました。
この切れ目をリューズの位置にしなければいけなかった↓
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ピンボケですがつぶれてしまった箇所。ガワから抜くのも大変でした。リューズも巻真も両方ダメです。
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実に情けないのですが、おろかなミスで、オリジナルの巻真およびリューズ、ウラブタの三つを再起不能にしてしまいました。裏蓋は、まぁなんとかなるのですが、新品の方も、まったくおなじだったので、こちらをいただくことにします。
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裏蓋のミゾが、リューズの位置になるように気を付けながら、今度は大丈夫です。
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罪滅ぼしにラグとかガワを少しだけきれいにして
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メッキは少しずつはがれている箇所がありますが、まぁ、キズも思い出ということで。再めっきするほどの重症ではないし。
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そういうわけで、結局、ムーブメントだけをもらうつもりが、ウラブタと巻真・リューズまでいただいてしまいました。
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今後のために、残った文字盤や針も大事に保存しておきます。

ということで、なんとか、完成。リューズだけ色が違い、本人に謝りましたが、そんなことは気にしない、というか小さくて見えない、のでまぁOKです。
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父親は身に着けるものはなんでも無頓着で、時計も時間がわかればいい、という考えです。もちろん、もともとは機械式時計世代ですが、クォーツの時代なんだし、正確なんだからそれでいいじゃないか、という合理主義です(というか普通の考えですか)。それでも、大事に長い間つかってきた時計です。もちろん時計は一つしか持っていません。いろいろ大事な試験だとかに使って大変なことも共にしてきた、という思い出があるのだそうで。
時計は値段でもブランドでもなく、本人の気持ちなんですよね。

セイコーのALBAはクォーツなので、全く私は蒐集のターゲットでありませんでしたが、少し、見る目が変わりました。


そういえば、今回のオカネですが、おそらく新品のムーブが部品屋などで買えたとすれば、他のと比べても1000~2000円程度でしょうが、今回V721入りの新品のアルバを購入したので、ネット最安でも6500円くらいかかってしまいました。
父親が持って行った時計屋の1万円(おそらくセイコー送りなんでしょう)よりは、安く済んだので、まあヨシとしましょうか、よい勉強になりましたし。
リューズも自分でメッキすればいいのでしょうが、まだメッキのセットを用意しておらず、トライする勇気と元気が湧いていないので、とりあえず。。。

たかがムーブ乗せ換えでしたが、長々とした記録になってしまいました。

今日は、こんなところで。

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