KING SEIKO  ファースト(その1:分解編、美脚の小型ケース)

今日は、先日、紹介したキングセイコーの分解の様子を紹介します。
本当は、茶色の玉斑の薄いベルトが似合うと思いますが、レザークラフトの時間がなく、以前作った台座付ベルトでごまかしているところです。
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キングセイコー(俗にいうファースト)
1961年から製造(三年ほどの期間)
亀戸
Cal番号なし
25石
手巻き
18000回/時(5振動)
ワニ竹斑の台座ストラップを着せて


言わずと知れた、当時の亀戸の最高級時計です。GSよりも求めやすい価格で高級品を、という意図があったようです。ハック機能が無いものの、初代GSにも劣らないムーブメントと言われています。亀戸工場の代名詞である「クロノス」をベースとした25石の手巻きです。

金張りとSSの二種類ありますが、さらにケースの大きさが二種類あるということを知りました。
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左が今回の個体で、右が部品取り用と思って以前手に入れたものです。
左が35mmの小型ケース、右が36mmの大型ケースです。また、ラグの足がほっそりと美しいのが小型ケースの特徴です。

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今回の個体は、不動、風防ナシ、メダリオンなし(ウラブタ穴あき)という状態でした。ここから水が浸入したようで、内部がさびていました。

裏蓋は両方にハマるということがわかりました。というのも、右の部品取りのウラブタの方がましだったので、そちらを使ったからです。

このように、丸穴車付近がサビサビでしたが、致命的でなく、すべてサビを落としたら動きました。キングセイコーは、輪列受にシリアルナンバーが記載されています。
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ベゼルを外して、ムーブメントを取り出します。ケースも緑青が結構目立ちました。
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クロノスと言えばテンプが両腕ブリッジのS字型というイメージがあります。キングセイコーも似ていますが、カーブ形状が異なります。
ムーブメントが(汚れていますが)仕上げがキレイです。角穴車も普及期とは異なりカッコよくなっています。
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丸穴車は再起が難しそうでした。。クロノスのパーツならあるぜ~~と、パーツ箱から取り出して見ると共通部品ではありませんでした。。これだからKS、GSは困ってしまいますね。なんとかサビを落として無理やり再利用しました。
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テンプ、角穴も外しました。

輪列受けを外します。二番受けの穴石がネジ留めされています。外しませんでしたが。
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さすが、手巻き25石の高級品です。香箱の香箱真ホゾにルビーが入っています。
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これで表側はオシマイです。
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こちらが日の裏側
運よく、マキシン周りも破損はありませんでした。
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古い時計だからか、まだダイヤフィックスではなく、伏せ石はネジ留です。こっちのほうがダイヤフィックスよりやりやすいかもしれない。

カレンダーが無いのでシンプルです。
と言ってマキシン周りを全部外してしまいました。
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ダイヤショックもネジ留も外して、丸裸になりました。
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長年の垢をきれいに落としましょう。

こちらは香箱の中。汚いです。
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このあとは、いつもどおり、洗浄・乾燥になります。
組立編に続きます。

読んでくれてありがとうございます。
今日は、こんなところで。


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