CITIZEN Auto Dater (その2:組立編 コハゼバネと日回し伝え車)

前回の続き、シチズンオートデーターです。
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こちらはちょうど、昨日の時計・チャレンジダイバーと記念撮影したときのものです。ダイバー並みの大きさですね。存在感あります。

このダイバー、ちょっと修正が必要です。日送りの際に、負荷がかかり、止まってしまうトラブルがたまにおこります。
昨日は、日送りが真昼間に訪れて、アレ、まだ11時半??もう11:55くらいと思ったよ、と、、会社の掛け時計を見たら、まさに12時になるところでした。
腹時計はすごい。



さて、洗浄から。右に見えるのは、最近手に入れた秘密兵器です。
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超音波洗浄の際に、このバスケットに入れるのです。
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そんなにイイか、と言われるとそれほどイイわけでもないような気もしますが、今までの私のやり方よりは効率が良くなりました。

香箱、今回ゼンマイは取り出しませんでした。壁のあたりに、なんとかモリブデングリスを押し込んでいます。
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まず、パラショックをやってから
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巻真の周りを組み込みます。
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右上のレバーは、日送りのレバーです。巨大なバネが大げさに伸びていますね。この時計は、リューズを二段引きにすると、引いた瞬間にこのレバーで日車が送られます。古い時計にしか見られない機構でしょうか。忘れていて、二段引きにして時間を合わせようとすると、急に日送りが起こりビックリします。
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この上に、でかいオサエをかぶせて、完了です。
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表側に移ります。二番車
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二番受けにガンギ、香箱
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香箱の受けには、先にコハゼを取り付けるのですが、なかなかヤッカイでした。
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このかわいらしい丸いバネが本当に細くて小さくてすっとびやすいです。
今回も、猿飛佐助で、必死の捜索の末、無事に回収できました。

ロディコで押さえながら、まずこちら側からバネをはめて、
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コハゼをのせてネジを大まかに締めます。
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裏返して、この穴から見るとわかるようにコハゼバネは引っかかっていませんので
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このようにひっかけます。そいでからネジを完全に締めました。
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輪列
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受けをかぶせます。それなりに入りにくいです。ザラマワシはまぁまぁなので、アンクルをとりつけました。受けには整然と石が入っていて高級感があります。ルーキーよりもイイ時計ですから。
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テンプをつけて、無事に動きだしました。
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ちょっと振り角が弱いです、例によって。巻き上げきっても240°行くかどうか、というレベル。まぁ、なにやら動かなくなったルーキーよりはよかろう、ということで。
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日の裏側へ行きます。
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ザラザラっと組んで。
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特筆することもありません。
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分解の時から思いましたが、古いキカイなので、たとえばこの中央のごっつい腕(曜車の躍制レバー)など、スットビばねを使った洗練されていないような箇所が多いような気はします。

曜車を乗せて、完成。
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リューズを回したり引いたりして、曜車、日車が動くこと、それから二段引きで日車だけですが、早送りできることを確認します。

と、、、問題発生です。早送りはできるけど、12時での日送りができません。
よーく見てみると、時刻合わせで12時を過ぎるとき、日送りの爪が動いていません。


もっかいバラしてみます。
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怪しいのは赤い矢印の「日回し車」です。ツメの部分はバネによって微妙に動きますが、ここのあたりが怪しいと、分解してみたり、アレコレやってみましたが、、違いました、原因は青矢印の「日回し伝え車」でした。

日回し伝え車は、筒車(時針)に連動して回り、上の写真では隠れている裏のカナの部分が日回し車を送ります。

カナが本体の歯車と緩んでいました。てっきり一体なんだと信じ込んでいましたが、よく見れば、カナと歯車は別パーツでカシメてあるだけなんですね。
これが裏返した写真
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そのため、筒車からの力が、日車の動かマイとする力に負けていたのです。
シメなおすことは私にはできなかったので、ジャンクから同じパーツを手に入れて解決。



そういえば、フルーテッドベゼルのミゾが真っ黒になっていて、ハブラシでシュワシュワくらいでは取れないのです。ピカピ缶の繊維を爪楊枝に巻いて一つ一つチマチマチマチマと磨きました。
これは途中経過です。右がビフォアー、左がアフター
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ということで、自動巻きを組んで、受けをかぶせれば完成です。
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そういえば、針がひどかったので、そして、もともと秒針が欠品だったので、他のジャンクから手に入れよう、、ということで、取り出したのがコイツ
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針はまぁ、なんとか大丈夫なので。

ところが、このウラブタが以上に固くて開かないのです
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得意のヤツを取り出して頑張ったのですが、、
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ああしてもこうしてもダメ。むしろツメを欠けさせてしまい、落ち込みました。
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腹いせというかあきらめというか
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ムーブはとりあえずあきらめて、針だけこうやって救済しました。

左が、それです。 右はもともとの針。夜光がついてるだけマトモだね。
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針を入れて、やっと完成。コレも赤いけど、中国製の’ホラ’テックです。
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これでケースにいれて、ローターをつけて
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バキシッと閉めて
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やっと完成です!
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うーむ、男前になった!中村直志スペシャルです。

だが、しばらくして止まったので何かとおもったら
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機留ネジの脱落です。そもそもついていたネジは純正でなかったようで、緩いのです。ネジ入れから代替品を探して、やっと完成。
次回は、以前も紹介したんだけど、一応、ストラップを。


今日はこんなところで。
お付き合いくださり、ありがとうございました。


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