グランスポート 150
1960年代(?)
LORSA Cal.P75
手巻き
17石
18000回/時(5振動)
カーフのオリーブ色・囲み縫いのストラップを着せて
こちらの、グランスポートは、ダイバー’風’のファッションウォッチで、150というのは150メートルという意味なんでしょうかね。
一応、多角形のスクリューバックで、ダイバーの絵が描かれています。かわいい絵です。でも、リューズはネジコミ式でなく、全体的にチープで、ピンレバー式のオモチャ・ダイバーの雰囲気をまとっています。
プラの両回転・ノッチ無しの回転ベゼル、アロー型の針が、レトロチックで古時計好きにはグっとくるデザインです。サイズもベゼル径36mmと、小ぶりでちょうど良いのです。
防水性は期待できないので、夏ではなく、今こそ着用のときですね。秋に似合うダイバー!
ムーブメントは、フランス製・LORSAというメーカーです。
手巻キャリバーP75で、大きさは11.5リーニュ
カレンダー付ですが、早送り機能はありません。
L'HORLOGERIE DE SAVOIE=略して、LORSAというようです。
Savoie は、フランスの地名ですから、直訳すれば、サヴォワの時計業というような感じでしょうか。
SWANKの他にどんなメーカーに供給されていたのか良く知りませんが、また、どこかで出会えたらいいなと思います。
では、分解の様子をレポートしていきます。
入手時は不動です。うまく巻けない状態でした。
わりと固く締まっていましたが、ベルジョンのガワ開け器で無事に開けられました。
穴はありますが、キドメネジは使わずにスペーサーで固定されています。
特徴的なのは輪列受けが真っ直ぐになっていることと、面白い形の耐震装置バネです。表向きはピンレバーのオモチャダイバーと似た顔つきでしたが、ムーブはちゃんとしています。
どうやら、コハゼのあたりが不調なようです。サビなどなく、全体にムーブはきれいです。
オシドリネジを緩めてリューズを抜きます。
ムーブントを取り出しました。
文字盤は、わずかに塗装が浮いているのか、虹色に光っています。
6時位置にFRANCE。夜光にアラビア数字のあるかわいいやつです。
針を抜いて、文字盤を外して、さっそくムーブ台へ。
まずは、テンプを外しました。
エボーシュマークか、盾に十字のマークがありました。P75と刻印があります。
角穴、丸穴、とはずしていき、
コハゼバネを外すと、バラした瞬間は一応、原型をとどめていましたが、ピンセットでさわると、ボロっといきました。バネがもうヘタっていたようです↓
これは交換するしかありません。
輪列です。三番、四番、ガンギが一列に横一列に並んでいます。
おお~二番受けの四番車用の穴石が、、
外れてしまったのかと思ったら、これで問題ないみたいです。
そういえば、リコーでこういう、フリーの石がありましたっけ。
二番車だけ残して、表側はおしまい。
裏へ行きます。
カレンダーは赤と黒が交互に出る、ルーレットみたいなタイプです。
早送り機能が無いのでシンプル。
躍制レバーのバネだけ、なくさないように気をつけます。
古い時計なので、チープな感じだとしても、プラの部品はありません。日送り爪もしっかりしています。
カレンダーディスクをはずして、
バラバラっと外して、あとは巻き真周りだけ。
耐震装置です↓バネが真っ直ぐのやつ。これで石もばらしてオシマイです。