シチズンアドレックス 8050A、その3
玉斑ストラップです。
クロコダイル玉斑(マット)
剣先側:10.3cm
尾錠側:7.4cm
厚さ(フラット):2.5mm
カン幅:18mm
尾錠幅:16mm
アンティークと言われるような古い時計には、玉斑でステッチなしの剣先のとがったベルトが多いです。
この時計は70年代ですが、このようにラグ部分は薄く、分厚いストラップはダメです
そこで、玉斑の薄いストラップを作りました。
材料を切り出して、
端っこを斜めに漉きます。
カミソリのようなベベラーという道具や、リューターを使って、破かないように気をつけながら斜めに漉きます。
このぐらいにしてから張り合わせますが、
バネ棒の入る部分には補強材を張り付けておきます。
1.5mm径のピアノ線に巻きつけて貼り付けます。
ピッタリと張り付けてから、裏材に合わせてワニ革を整形します。
そうそう、いままで愚かなことに、サル革は、貼り合わせをせず、ワニだけでしたので、ワニが薄い場合は弱弱しいものになっていました。
今回から、ワニを薄く漉いてから、別の革に貼り付けます。
今回は、遊革を一つという選択をしました。先にサル革を仕上げておきます。
紙やすりでよく磨いてから、ロウを熱しながらコバに塗りこみ、紙やすりと繰り返します。最後に、黒の顔料で色を付けました。
さて、本体のベルトに戻ります。こちらもコバをヤスリで仕上げるのですが、革が柔らかいので、コバを整えるのに苦労するので、トコノールで固めては削り、削っては固めるをくりかえして、滑らかにします。
最後は、ロウを熱して焼き締めます。
これも、ヤスリやヘリ落として調整しながら、繰り返します。
コバが整ったら、最後にもう一度、紙やすりでかるく表面を荒らしておきます。顔料がのりやすいので。
黒の顔料を塗ります。
顔料は、デコボコをヤスリで磨いてから二度塗りをして、
最後に、レザーコートを塗って素早く磨き、テカリを与えます。
今回は尾錠にもいたずらをします。
完成写真。
裏側、一部、顔料がついて汚れてしまいました。
自分の細腕に合わせて1つ穴。
今回はステッチは尾錠のバネ棒の部分のみです。見づらいですが。
なるべく剣先をとがらせた方が、アンティークな雰囲気が出ます。尾錠側を15mm、14mmなどにしてテーパーをかけるともっと「らしく」なりますが。
今回、参考にしたのは、クロノマスターの純正ストラップです。当時ものっぽい玉斑。
そして、特徴的な、純正尾錠。尾錠の金属部分にワニ革を張り付けてあります。これは珍しいですね、他で見たことありません。ちなみに、クロノマスターのサル革は、縫い付けてあります(定革)。
このように、閉じたときに、尾錠が革と一体化しています。新鮮です。
裏革が柔らかめなので、全体的にしなやかです。玉斑なので一層。
今日はこんなところで。
おつきあいくださり、ありがとうございました。