エニカ AR1010 ENICAR 初めての土星 その1 分解編(老いをもたらす者)

久しぶりの分解掃除は、エニカです。

初めてエニカをご紹介です。
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エニカ 三針
17石
Cal. AR1010 (アリオスト・ラシーヌ;ENICAR)
手巻き
18000回/時
クロコダイル竹斑を着せて
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12時位置だけアラビア数字。
秒マーカーが無いのであまり実用向きじゃないんですけどね。カワイイですよね土星マークが。

エニカについては、私の先生の一人、とんぬらさんのブログをご覧いただくのが良いと思います。別名エニブログです。
アリオスト・ラシーヌというのはエニカを作った一族なので、CalにARと書いてありますが、要するにエニカということですね。

稼働品を入手しましたが、こういう状態で、それほど良くないです
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分解していきましょう。
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スナップバックです。ケースはラグのメッキのはがれが目立ちます。ナイフ形のコジアケでぱかっと。
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針を抜きます。文字盤に合わせて曲がった針がいかにもアンティークといった雰囲気です。
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文字盤のカビめいたものが気になりましたが、ロディコでこするぐらいにしました。深追いするといいことはないので。

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機留めネジの一つがさびていて、なかなか外れませんでした。

日の裏から外しましょう。と思ったら、さっそく、お約束の箇所が壊れています
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ひどくさびている、カンヌキオサエですね。

エニカのパーツストックなんて無いぞ~、とガラ箱を探ると、運よく、ボロボロジャンクのエニカを発見。並べてみます(矢印の部分)しめしめ、コレがなんともうれしいんですよ
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ところで、この日の裏車のオサエのネジ(赤丸)がものすごい小さくてネジの頭のミゾが浅いのでとっても苦労しました、、。
私のドライバーの整備不足かもしれませんが、部品もちゃちなかんじですから、、。

なんとかはずして、裏面はおしまい。カレンダーが無いのでイイですね。
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表側にいって、テンプ、角穴車を外して、コハゼもコハゼバネも外しました。
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輪列
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外れない機留ネジが上の方で赤い顔で怒ってますね。

これでオシマイ。あとはもういちど裏面でツツカナを外してから二番車を外しましょう
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香箱を開けました、それほどカピカピでもないので、芯を外して、かるく洗うのにとどめます。
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そうそう、気合いを入れて、やったら外れました。ああ、よかった。組立のときは新しいネジをどっかから探せばいいや。
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この後、洗浄、組立です。次回に続きます。

時計いじりをするときは音楽なんかをかけるのですが、基本的にクラシックは音量のレンジが広すぎて、寝ている坊主と嬶の怒りを買うことになります。ジャズとかフォークソングとか、、。最近は久石なんぞをよく聞いたりして
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それでも、せっかくエニカなので、BGMはホルストをチョイス。
組曲惑星作品32」と言えば、ホルストの代名詞で木星が有名ですよね。
でも、火星とか海王星とか、かっこいいんです。
特に、土星が一番長く、作品の中で占める位置は大切なようで、ホルスト自身も一番好きだったとか。
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全体的にクラーイ曲で、しかも音をぶっつけてくる和音を多用しますので、一般受けはしないのかもしれませんが、ネクラな時計オタクにはピッタリです。
中間部のブラスセクションと交互にベルが激しく鳴らされる場面では、それまで正しく振っていたテンプが磁力によって急に乱されたような、そんな焦った気分を生み出してくれます。
木星は「老いを与える者」なんですって。エニカをいじり続けると年を食いそうですよね、確かに。
「惑星」と言えばカラヤンなんだそうですが、あいにく小澤征爾のCDしか持ち合わせていません。ジャケットはダミーですが、土星の雰囲気がバツグンですね。


と、今日はこんなところで。次回に続きます。



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