SEIKO 7S26 ダイバー10BAR resist (その1:分解編、驚くべき合理化)

夏だ!ダイバーがほしい!とジャンクを探していたのですが、コイツが使えるようになってみたら、夏が終わりつつあります。
残暑に期待して、今日はセイコーの傷だらけのダイバーのご紹介。
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古いセイコームーブばかりいじっていると、このムーブの簡素さというか合理化に驚きました。
マニアに人気のないダイバー、7S26-0040です。
Automatic Water10BAR resist

cal. 7S26
21600回/時(6振動)
1980年代?
自動巻き
クロコダイル(アゴ/玉斑)を着せて
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ダイバーといっても植村モデルとか、人気のある国産ダイバーは他にたくさんあります。そうすると、大きさがこれよりもデカくて私には不可能なうえに値段もずいぶん上がってしまいます。

セイコーファイブが国内で販売されなくなってからも、海外向けに安い機械式を作り続けていたセイコー。特に、この7S26、7S36は最近のファイブなんかにも使われつづけているヤツです。
年代から言っても、国産でなく中国産?の大量生産・自動化組立、という点からも、国産アンティーク時計とは、一線を画す存在です。ファイブのオタクから見れば特に蒐集の範囲外ではないのでしょうが。
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ペプシカラーのベゼルがほしかったので、とにかくムーブメントにこだわらず安いものをゲット。入手時の写真(完成図と大差のない外装)。
しかし、傷だらけです。ネロスにボッコにされたメタルダーです。
内部は大きな異常はありませんが、外装はひどい状態。
振るとガタガタ言います、なにか外れてるようす。
それから、分針がズレているんです。




さて、分解していきます。

リューズの抜き方も、一瞬戸惑いましたが、この部分ですね。ネジでも丸いプッシュボタンでもなく、ここんところを直接押しましょう。
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これが、7S26かぁ~。ローターのネジが緩んでいました。ガタガタの原因。
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昔のローターとはずいぶん違いますが、ベアリングの感じは変わってないですね
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12時ピッタリにしても針がずれています。私のようなシロウトがいじったのか、外国のいい加減な修理屋がいじったのでしょうか。そして、文字盤はやたらにきれいです。
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針はバシっと非常に固く入っています。

干支足は樹脂製の黒いスペーサーの穴に、ぶっ刺さっているだけです。くっと押せば文字盤がはずれます。
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仕上げが雑な裏側に見えますが、純正なのかなぁ、、というか、もともとそんなに高くないセイコーの海外ものにも偽物があるらしいのです、なんだか驚きます。
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スペーサーも、ただはずすだけ。簡単。
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日の裏に行ってCリングをはずしてそのチャチさに驚きました。
面取りもされておらず、ただのC型のリング。マイナスドライバーでいつも通りはずすと、ちょっとゆがんでしまいました。
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日の裏側には、樹脂パーツがたくさんあります。手裏剣が外れたところ。
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印をつけたのは、有名な「嫌がらせプラスネジ」です。
こんなに細いドライバー、持ってねえよ、ということで、いらない細いドライバーを少し両端を削って使いました。ボケてますが
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部品はどれもキレイです。組み立てたまんま、ってところでしょうか。
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どんどん外します。マキシン周りのオシドリなどのパーツが、輪列側にあるのが特徴。
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鼓車とキチ車のかみ合わせの歯がなんとなくカッコよかったので一枚。
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だいたい外し終わったら表側へ。
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マジックレバーは昔から変わっていないですが、見慣れぬ構造に戸惑いました。
ともかく、テンプや丸穴をはずしたところ。
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自動巻き関係。部品数がすごい少ないです。
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裏返すと、びっくりしました。ネジもなくて、ピンがなんだかEリングみたいなものでひっかかっているだけ!
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こいつをスライドさせるだけ。これでもマジックレバーはちゃんと機能してるのだ!
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ばらけました
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輪列をはずしていきます。
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オシドリやカンヌキ押さえなどのパーツが非常に少なく、ペラッペラです。
でも、ちゃんと、日付、曜日の早送りができるのです。
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ざざっと取り去る。グリスも残っています。
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ダイヤショックのおさえバネが3本足でなく、2本なので、取り付けの時は難しかったです。慣れの問題?
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はずすのはまあ簡単。
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少し小さい同じ形をしたダイアフィックスのほうは(自動巻きの受けにある)、面倒なので外すのをやめました。ゴシゴシ刷毛で洗うだけにしました。



ベゼルを外してみました。ビニールをかぶせて、コジアケで、全周をコジります。
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ぐへえ、汚い。
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面白いことに、クリックのバネなんかないんですね。もともと高価な仕様ではないからか。両回転ベゼルです。
クリスタルガラスと内側のインナーベゼル(スペーサーあり)は、他の方のブログ等を見て、外すのもつけるのも厄介だと思い、やめました。

とにかくガラスがひどい、、。でもこれだけ買ってもそれなりにお金がかかるからなぁ、でも、酸化セリウムで磨いてこいつを全部消すのは無理でしょう。
あるていど目立たなくはできましたが。回転ベゼルも傷だらけですが、すべてそろえると、本体と同じくらいの価格になるでしょうから、ボロいまま終わらせました。
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このように内側にさらに樹脂が入っています。外しませんでした。
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こいつらを爪楊枝なんかで掃除したうえで、内部の各パーツもいつもどおり洗浄です。
次回に続きます。また、ワニ革ストラップはまだ作製途中で、台座が完成していません。次に間に合えばいいですが。


今日はこんなところで。
読んでくれてありがとうございます。



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