SEIKO ACTUS 6306-7010 (その2; 洗浄・組立編)

セイコー アクタス ACTUS 6306Aの続きです。

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香箱はそんなに汚くありません。スリッピングアタッチメントのあたりにモリブデン粉と思われるものがついています。

一応、今回は洗浄しました。
ジップロックの中でビヨーンとゼンマイを取り出します。
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ベンジンハケでよく洗います。
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地板もゴシゴシと洗ってルビーについていた粉っぽいのを落としました。
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汚れがひどい部分は同じように洗浄し、のこりは、超音波へ。



ゼンマイには、セイコーのグリス S-3を入れます。
よく洗ってアルコールで油を落とした素手で巻き込みました。
どうしてもついてしまう小さなホコリのようなものはロディコで除去。
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巻き切ったあと、戻してみると6.5周~7周弱ほどけました。
ゼンマイを巻き上げきってから滑るときにザラリという感触があり、トルクが強いような気がしました。。。これは心配。


そういえばパワーリザーブの計算も一応。

香箱の歯が84枚
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二番車のカナが12枚
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Z x V=z x vです。

二番車は一時間で1回転なので、回転速度は1/hで、代入します。
84xV=12x1

V=1/7(rph)

ということで、香箱は1時間に1/7回転しますので、
巻き上げきってから時計が止まるまでの時間は
6.5周x7=45.5時間
ということになります。


さて注油しながらくみ上げます。
まずは、耐震装置(ダイヤショック)です。
直径の二分の一を目指してメービス9010を。
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巻き芯周りをちょっと組んでから
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表側へ行って、香箱から輪列を組みました。
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こういう感じでざら回し。受けは、問題なくするりと入りました。
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そのあと、ガンギ車に9415を少しだけ注油
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回転させて、1個とびくらいに刺しました。量はこのくらいでいいのかな、、。と相変わらずよくわからないのですが。


テンプをつけて角穴まで。
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マジックレバーです。樹脂パーツをぱちっと押し込みます。
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ローターをつけて。
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裏側へ戻って、どんどんと組み上げます。
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日車、曜車をつけて、スペーサーをはめます。
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機械台に置くとスペーサーが外れそうになるので、地面において針を刺します。ロディコをつけてバランスを取ってから
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この状態で異常がないかどうか一晩ぐらい様子を見ます。
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その間に外装を。
風防が傷だらけだったので、ある程度頑張ります。
紙やすりでガシガシやってから、あとでサンエーパールでよく磨きました。
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大きな傷はありませんが、ガワはアモールとステンレス磨きでできる限り。手動ですが。
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ウーン、たいして良くなってないですが。まあ気持ちとしては満足。
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割れていたリングは、汎用パッキングを入れます。
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完成です。
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どうも、この文字盤、安っぽい印象がありますか?
でも、綺麗だし、最高に見やすいです!アラビア全数字バンザイ。

びぶ朗で歩度を見ると、少し、進み気味かな(日差30秒ほど)と、思った程度で、特に問題なし。


試しに5日間ほど、実用使いして様子を見ました。
パワリザは、47.5時間なので十分です。
ただ、24時間で3、4分も進んでしまうということが、わかりました。
振りあたりというやつなんでしょうか、、、。

どうもパソコンの問題なのか、びぶ朗で振り角の情報が得られないのです。何をやっても100°と表示されてしまう、、。なので、どうもこの辺がわからないのです。

それとも、前回のOHで、このキカイの売りの一つである「取り外し簡単なヒゲゼンマイ」をいじった時に、あまりよくなかったのでしょうか。
それならば取り外して微妙にいじらねばならないのかもしれません。
これからちょっと考えましょう。


ともかく、もう完成していますので、次回、その3で、自作ワニ革ストラップについてご紹介します。

お付き合いくださりありがとうございました。
今日はこんなところで。




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