カンパノラ cal.676*系 ミニッツリピーター(電子音でもいいぢゃない!)

キャリバー別カンパノラ紹介
ミニッツリピーター 676*系
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※ブログの趣旨と違うんですが、たまにカンパノラを紹介していきます。


●リピーター時計●
まだ夜の街は暗く、夜光塗料が無い時代には、暗闇の中でも時計を見なくても音で時刻を知るための機能が求められました。それがリピーターという機能です。懐中時計であれば懐から出さずにレバーを押すだけでわかるというのも大きな長所となるでしょう。ブレゲがリング状のゴングを発明したのが1783年、腕時計では1892年に初めて搭載されたということです。
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(1910年オーデマピゲ)
写真の左に2本のゴングが見えますね。
15分単位、5分単位、1分単位で打ち鳴らすタイプがあり、それぞれクオーターリピーター、ファイブミニッツリピーター、ミニッツリピーターと呼ばれます。
例えば、ミニッツリピーターで2時48分を知らせる音は高音2回(時)チンチン、高音・低音3回(15分 x3=45分)チンタンチンタンチンタン、タンタンタン(3分)となります。二度打ち時計、引き打ち時計とも呼ばれます。
現代でどれほど意味があるかどうかは置いといて、うん千万もするような機械式高級時計にはこの機能がのっていて、超複雑機構のひとつであります。
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マリーアントワネットの時計も、もちろん。
シチズンは、これをクオーツでやってしまったわけです。

●「その音色は時を語る」●
かようなキャッチフレーズでカンパノラにミニッツリピーターが搭載されたのは2004年のバーゼル
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cal.6765

もともと、90年代にシチズンの通常ラインでいろいろと複雑機構を載せた時計を出していた時期があったようで、そのうちの一つがミニッツリピーターだったのです。
エクシードに乗っていたcal.6760がベースになっています
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カンパノラで出すにあたって、レギュレーターにしよう、という話が持ち上がり、当時、技術者たちは3時位置の秒針のインダイアルに時針も一緒に配置することなら可能、という結論に達したということです。この新しいキャリバーがcal.6765で、
始めはギョーシェ彫の丸型、トノー型、が発表され、その後、現在に至るまでいくつものバリエーションが出ました。


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このように音がよく響くように穴があいた蓋がついています。けっこう大きな音がします。耳にけっこう響く音なので、あまり静かなところで何度もやらないほうがいいです。
本物のキカイ時計と違って、ゴングが叩いているわけじゃないから、こういう鐘の音にしなくてもいいんだよね、本当は。ピンポーンとか、イヌの声とかでもできちゃうわけですよね。「タダイマ、10-ジ、5-2-フン、でございます」なんていう声にもできるわけです。


レギュレーターは、もともと時計工場?だかで見やすくするために時針と分針を分けて配置するというものですが、少なくとも、こんだけたくさん針がある文字盤だと、わかりにくい。。。まあこのゴチャゴチャ感がカンパノラらしくてかっこいいんですが。せめて、分けた時針が12時位置とかにあれば見やすいんでしょうね。


もちろん、得意の「漆」攻撃にも出たわけです。2005年に国内・海外ともに限定販売されたのが星河(セイガ、と読むんですよね)。国内がカンパノラロゴで、海外がシチズンロゴ、なのかな、、?単にロゴの切り替えの時期だったのかも。
黒い漆の文字盤にアワビ貝と金粉を散らし、3時ダイヤルは黒蝶貝。なんともゴージャスです。これは海外でウケたんじゃないのかなー。オー、ジャパニーズウォッチ!みたいな。

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マイナーチェンジで登場したのが星宿(ほしのやどり)です。内側のリングが銀色になって、分のアラビア数字の自体が微妙に変わっています。もちろん、ロゴは、シチズンでなく、カンパノラ。こちらは今もカタログ落ちせず、販売しています。現状のカタログでは腕時計型は、この星宿のみ。

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そして、懐中時計を作っちゃいました。これ売れたのかぁ??とか思ってしまいますが、雰囲気だけはまさに古来のリピーター!こちらはレギュレーターでない普通の時分針なので、キャリバーは少し違っていて、cal.6762
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どうせなら、レギュレーターじゃない、エクシードをゴージャスにしたヤツを出せばいいのに、と思ったら、そういうタイプもありました。詳細は不明ですが、cal.6762なのかcal6760なのか。海外での限定販売でしょうかね。
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2008年にも色違いのバリエーションなんかを出していました。このときは、Elegante Brunoというキャッチフレーズで茶色のリピーターとパペカレを発表しています。
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例によって、このムーブメントも、他のブランドにも供給しています。INVICTAというロンジンぽいマークのメーカー(アメリカ?)の時計。ページ下方に写真も載せておきました。



●仕様●
そういえば、この時計はリピーターだけでなく、しっかり、大の月、小の月、うるう年を気にしなくて良い、永久カレンダー(パーペチュアルカレンダー)もついてます。そして、第二時間帯(ローカルタイム)もあるんです。さらに、アラーム機能もあるんです(2個のアラーム&ローカルタイムのアラーム)。この二つの機能は、677*系(コンプリケーション)には乗っていないので、クロノグラフはイラない、という方にオススメですね。

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ミニッツリピーター機能 / パーペチュアルカレンダー / アラーム1・2 / ローカルタイム / ローカルタイムアラーム / 24時間表示機能 / 電池寿命 約2年 / 日常生活用防水 / 3年間メーカー保証

個人的にはまだアラームの音を聞いたことがないので、いつか音を聞いてみたいです。リピーターと同じ音を使っているんでしょうか。

レギュレーターですので、まず見方が複雑ですが、上の写真を見る限り、使い方も難しそうですね。何かの機能は長押ししてから、とかですので、よく説明書を読んでいきましょう。


使い方としては、まず、寝室のカーテンを強い遮光カーテンに交換します。通常枕元に置いてある目覚まし時計はほかの部屋へ持っていきましょう。アイフォンの類も持ち込み禁止。
そして休日の前夜に、カーテンの隙間やドアの隙間をガムテープで目張りします。
最後に、この時計をおもむろに持ち込んで、枕元に置きます。落としたらイヤなので、プチプチにくるんでテープでとめておくとなおいいと思います。そして、時間をわすれてよく眠りましょう。
朝、目覚めたら、あるいは小便に目覚めたとき、
あれ、今何時だろう!!??となりますので、さあ、出番です、カンパノラ。たまには聴覚に頼って時間を知るのも素敵ですよ、きっと。
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●機種一覧●
以下、わかっている範囲での機種一覧です。オマケでカンパノラ以外のも載せています。

Cal.6760、6762、6765
※6765がレギュレーターです。その他、詳細はよくわかりません。



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CTR57-0892
レギュレータータイプ、丸型


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CTR57-0901
レギュレータータイプ、トノー


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CTR57-1191
レギュレータータイプ、丸



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AH7011-32E
星河; レギュレータータイプ、丸


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CTR57-1171
星宿; レギュレータータイプ、丸


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CTR57-1181
懐中型、通常時分針


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AH7050-06W
通常時分針、丸





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シチズン、ミニッツリピーター


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GSX expectation




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おなじみ天賞堂



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ブローバはシチズンのもの


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INVICTA





一度、木更津アウトレットで星宿を見かけました。
生で見るとかっこよかったですねぇ。キラキラしちゃって。案の定私にはデカすぎて腕に乗せるのをためらわれましたが、店のおねえちゃんが、一応乗せてくれました。
「腕が細くいらっしゃるから」と、こっそり、似合わないことを教えてくれたので、買うことにはなりませんでした。どのくらい定価から引かれていたのか忘れてしまいました。

メンテも普通のクォーツでいいのに機能が盛りだくさん、漆が塗りこまれた日本ならではの宝飾時計です。
リピーターはあまり人気が無いのか、アウトレットにも時々登場するようなので、ぜひ狙ってみてください。

そういえば、2006年のバーゼルではすごいやつが出ました。ミニッツリピーターという名のエコドライブモデルです(パペカレです、もちろん)。cal900系↓
ただ、デザインは、相当ダサイんではなかろうか。ごチャっとしているというだけでなく、なんというか安そうに見える。まあ星宿と比べてはだめでしょうけど。
ここ2年で、カンパノラにがついに最強のムーブを積んできたので、そっちのほうがほしいですよね、デザインがちょっと難有りだけど。それもそのうち、記事に。
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今日はこんなところで。
今夜は、そに鳥を枕元に置いて目覚めと同時にミニッツリピーターを聴きましょう。おやすみなさい。