RADO Eiger 2797; ETA2783 (その2:超硬ケース・超固リューズ・超帯磁)

ラドーの超硬質ケース、アイガーです。今日は、その2、組立編です。

引き立て役になるだけですが、金色のムーブメントと言えば、ジュルヌはさすが、地板と受けが18金なんですねぇ。すごいですねぇ。一生買う機会はありませんが、知人がブティックの(たいそう立派な)カタログを譲ってくれました。

これこそ、ウラブタを開けたら目がつぶれるんでしょう。ムスカのように。

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さて、まずは軽く洗浄した分解していない香箱です。
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いつものセイコーのグリスを塗ります。

角穴車をつけてグルーガンで固定して巻いてみました。
分解する前の感触と比べると、すべる感じがやや重いのですが、まあ経験してみるということでとりあえず行ってみます。巻き戻すと6周半です。パワリザは大丈夫そうです。
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輪列をのっけて
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巻き芯周りを組み付けて、
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表に戻って、コハゼを取り付けます。丸穴車の歯が傷つけた地板の跡がよく見えます。
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丸穴車、角穴車もつけて、テンプを
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このスペーサーを入れるのも忘れずに。
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ジェットで苦しんだので、この「元気よく動くテンプ」というヤツにたいそう感動しました。やっぱり全然違います、元気さが。

ただ、問題の手巻きの固さですが、あまりよくないんです。
キチ車と丸穴車の直角のかみ合いがわるいのか・・・

わからないまま、通常ほんちょっとしか注油しない丸穴車のネジとの接点に多めに入れてやりますと、幾分楽になった感じがありました。
でも、根本的な解決ではなさそうで、、。そのあたりの部品を顕微鏡でいくら見ても壊れてるとかゆがんでるとかは分からなかったのです。。。
案の定、負け戦になってしまいました。

潔くあきらめまして、日の裏側を進めます。
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日車のレバーが強烈で、3回も飛ばしてしまいました。でも、ツイてます。紛失せずに済みました。
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裏面も完成しました。日送り機能も付いていて、リューズ操作でばっちりと切り替わりました。
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さて、文字盤のイカリマーク。もともとは動きが悪かったのです。
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ルビー?みたいなところに軸が入っているので
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ためしに、ここに9010なんぞを注油してみたんですが、かえって動きが悪くなりました。しかもオイルが漏れてイカリ側にしみだしてみっともない風になりました。
結局、綿棒にベンジンを含ませてフキフキ。

フキフキフキフキを繰り返しましたところ、最初より、少し良くなったようです。
まあヨシとしましょうよ。

針を入れて
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文字盤のポツポツは最初からあきらめ。
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ケースに入れて
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自動巻きを乗せましょう。
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左右にクルクル動かしてみて香箱が巻かれるのを確認。

このとおり、パッキンが合わないので、新品の汎用Oリングに交換しました。
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さて、今回は、ワニのストラップを作りませんでした。
もともとブレス仕様でしょうし、この近未来的なケースには近未来的なカチカチのブレスがよかろう、と思ったのです。
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それから、ここの上下の幅がけっこう狭いのです。
そうとう薄くしないといけないけど、このゴツイ時計にあまり薄いストラップもどうかと思い、ペラペラの板ブレス(ジャンク格安・新古品)を着せて。
完成!
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この2列並んだ金色の四角いピットみたいのが近未来な雰囲気にピッタリなんです。

このブレス、古いタイプで、かちっと簡単にはめるクラスプ型ではないんですよ。
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6時側にひっかけるところがついていて、こいつはペンチみたいので無理に外して位置を調節します。ある意味、専用工具がいらないので調節が簡単。
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それで、12時側のツメをひっかけて

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ぱちっと
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ごらんのようにとても薄いブレスです。個人的には結構しっくりきます

そういえば、超固いリューズですが、注油のかいもなく、分解前とほとんど変わりませんでした。
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ていうか、そもそもリューズのでっぱりがあまりにも少ないよね、コレ。

だから回しにくいっていうのが、きっと有りますよ。たぶん、ラドーのイカリマークのある純正リューズだけど、高さがちがうものなんじゃないか?

せめて別のジャンクから、ちょっと長めの巻き芯のものを付け替えてみました。
金色だけど。まあブレスのピットと合ってるからいいや、と。
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でも、これ、はみ出すぎですよね。
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そいで、それでも回しにくく、固いです。私のツメの破片が見えます。
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リューズの問題じゃないのだろうけど、やはりリューズの高さが足りないのは一因かな。手持ちのダイアスター(左)と比べてみました↓やはりリューズの高さがあります。こっちは問題なく巻けるんです。
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でも、どうせ巻きにくいなら、これじゃあ防水が心配なので、結局もとの銀色リューズ・巻き芯に戻したんですけどね。

当初の目的は果たせず。
イカリマークの動きが少し良くなったくらいです。
残念だなーー、と思ってると、






むしろ問題をもう一つ見つけました!
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                   ↓
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強烈に帯磁してるんです。超帯磁!!
調べてみると、原因はケースです。

もちろん、試しました。何度か。
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でも全然ダメなんです。

このメイコー舎の消磁機が弱いのかも、と思って、部品調達のついでにいつもの部品屋のおじさんに相談。
一番高い消磁機にかけてみたけど、びくともしません。こりゃ、ダメだね。と。

この超合金、もとい、超硬合金の素材が問題なのかな、、。帯磁しちゃうともうシャバには戻れないわけ??

ちょっと私には、皆目わかりませんが、あきらめました。
よって、意味がないかと思って、歩度の調整もしていないです。
でも、1日してみて、大きなズレはありませんでした。

なんだか、分解掃除して、残念な気持ちのほうが大きかったかなー。
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買う時によく確認しないといかんですよねぇ。でもいじってみないとわからないですよ、この辺の問題は。


でも、うん、かっこいいですよ。この顔。カット風防も、横から見ると、とがっていて、アイガーの山みたいでしょう?
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色々あったけど、勉強になりました。いい景色ですね。

今日はこんなところで。
お付き合いくださりありがとうございます。