CITIZEN Auto Dater Rookie (その4:ストラップ作り クロコxブッテーロ)

シチズン オートデーター ルーキーのつづきです。今日は、ストラップ作りの風景を。
今回、せっかく薄い自動巻き、Jet搭載の時計をやりましたので、ストラップも薄いものを。そしてルーキーらしいオレンジを使いました。以前、入手した細長いブッテーロのハギレを使いたかった、というのもあります。

表:クロコダイル竹斑
裏:ブッテーロのオレンジ

まずは、切り出します。
何を間違えたのか、銀面に線を書いてしまいました。バネ棒の位置です。
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裏革の漉く部分を印をつけて、この後ななめに漉きます。補強材は三枚分、切る前に、この後、ボンドを塗ります。
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補強材をバネ棒の部分に張り付けて、サル革も切り出してあります、そういえば。玉符の部分を使っています。
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折り返す部分にボンドを塗って、1.5mm径のピアノ線を巻き込んでしっかり貼り付けます。裏革と張りつく、端っこの部分はあらかじめ漉いておきます。漉いた後、やすりリューターでなるべく薄く削っておきます。
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ぴったりと張り付けます。
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端っこにボンドがはみ出ていますので、乾いてからむしり取ります。
コバをリューターのヤスリと紙やすりで整えました。
途中でトコノールで固めることを何度か繰り返してやりやすくします。
幅が目的の長さになっているか注意しながら。とくにバネ棒の穴の部分と、剣先が尾錠をくぐれるかどうか。
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だいたい済んだら、フチ捻(の代わりのボロいナイフのようなもの)でコバを焼き締めます。
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下が溶けないように木の上で。
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サル革は、今回は太めの遊革のみにします。7ミリくらいの幅です
接着部分は両側をナナメに漉いておきます。
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サル革は厚くなりすぎるので裏革は使いません。
床面はトコノールでよくこすっておいて、コバは同じように焼き締めます。
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本体に戻って、裏表両方、ヘリ落としで軽く整えます。
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こうしないと、微妙な歪みが目立ってしまうし、コバがマッタイラになってしまうので。
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だいたい納得がいったら、再びトコノールで固めて、もう一度、この後紙やすりで軽く粗します。ピカピカだと色が乗りにくいので。
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染色は、染料、顔料、ダブル、の3択でやっていますが、今回は顔料で行きます。
染料はよくしみこみますがコートするものではないので、茶色のコバはオレンジにすることができませんので。
問題は、顔料を塗るのは、素人の手作業では、けっこうデコボコしてしまうのです。このように。もちろん、元のコバの状態のデコボコがあることが原因のひとつですが。
今回もけっこうデコボコしてしまいました。これは一回目の塗り。
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塗って乾かして紙やすりで削って、を3回ほど繰り返します。

顔料はいつもコバスーパーを使っています。これはアクリル樹脂が入っている水性の塗料。
最後にちょっと厚めに顔料を塗ったあと、今回、レザーコートというのを導入しました。レザーコートは無色のコバスーパーといったところでしょうか。
コイツを塗りこめばツヤが出ますが、同じようにアクリル樹脂の入った水性のものなので、塗ってある顔料を流してしまいます。でも、うまく使えば、デコボコを均すことができそう、と思ったのです。
レザーコートをしみこませた布で素早く磨きます。そうするとコバスーパーが取れつつも全体が割と滑らかになりました。
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初めての試みでしたが、いつもの顔料仕上げよりうまくいった感触がありました。

ツク棒の通る小穴をポンチであけた後、リューターと奥に見えるダイヤモンドヤスリで磨きます。そのあとは、トコノールを爪楊枝につけて磨きます。今回は、ここにもオレンジのコバスーパーを入れました。
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完成です。
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今回のような薄い時計にはフラットな薄いストラップもなかなかかっこいいかも、と自己満足です。
以前のシャリオは径も小さいし厚さもないので、ストラップが分厚すぎました。
また、コバをいじれる分、修正が効くので、やっぱり、素人にはヘリ返しよりも、切り身のほうが向いているような気がしました。
今回は蝋を入れたりしませんでしたので、いつもよりもコバにかかった時間は少ないです。そのかわり、耐久性はアクリル樹脂任せになります。でも顔料がポロポロはがれるほど厚塗りしていないので、案外長持ちするのかな。

今のところ、この革を着せたルーキーも、謎の停止症候群は再発せず、かろうじて動いています。パワリザも44時間なので上出来かな。日差も大したことありませんし。


今日はこんなところで。
読んでくれてありがとうございました。