CITIZEN Auto Dater Rookie (その2:飛ばねえジェットはただのジャンクだ!)

Citizen Auto Dater rookieのつづき、組立編です。
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実はもともと、組み立て後もいまいち調子が悪かったのです。
分解、再組立て、離陸、墜落、離陸、低空飛行、、。墜落。などということを結局5日間くらい繰り返して、ようやく低空飛行ながら本日、復活したとこです(と思います)。

●初回の組立●
巻き芯まわりから組立てて、このあとパラショックも9010を注油してつけておきます。
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表側に行き、輪列を組み立てて、
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分解しなかった香箱です。
なるべくスリッピングアタッチメントのあたりにも付くように、セイコーのS3グリスを塗って蓋をします。
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受けをかぶせてざら回し。問題有りませんので、ガンギに9415をチョクチョクとつけて、アンクルもつけました。
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裏側に戻って、色々つけて、日車なども乗せます、この後。
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針を入れました。針同士の隙間をかなり狭くしないといけないので、少し大変でしたが、なんとかなりました。ケースはデッドストックのものを手に入れたので、ソイツを使いました。
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ただし、ふつうのルーキーなので、デイトのレンズがありません。右が元々のジャンクケース、ウラブタ、リューズなし。
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ただ、サイズはピッタリなようなので、

ベゼルをはめ込み、
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そのあと、コマを代えて、プラ風防を押し込み
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リューズはデッドストックケースに付属していましたが、巻き芯がありません。
持っていたシチズンの巻き芯の中で、ユニオートのものが使用可能でした。
これをちょうどいい長さに切断して、四つ割りを使って、リューズに装着。
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ケースにムーブメントを入れて、自動巻きを組んでいきます。
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この歯車たちは、すんなり入ります。例の、コハゼ(ハトの形)のシッポにピンを入れるのはちょっと大変ですが大した手間ではありませんでした。
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受けをかぶせます。この後、遊動歯車を乗せます。
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そして、ジェットローターを、乗せる、前に、そうそう、ローター分解しちゃったんでしたね。
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せっかくなので、ボールベアリングの9個のボールをベンジンで洗浄しました。

コイツを枠のへこんでいる部分にはめるのですが、、。どう考えてもムリ。
乗せてをハメ、コロっとボールが落ちてはハメ直し、、。
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無理でしょう、やり方がダメなんだ。

ワクのヘコミの部分に9010をちょっとずつ注油し、そこにボールを乗せれば
表面張力でくっついてくれました!
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ただ、これでも、内枠をはめようとすると、やっぱりどれか一つはポロっと行ってしまいます。

いったいどうやればいいのか!!
このローター組立には1時間いろいろ試しましたが、、、結局


ハイ、出来上がり!
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ガラ箱から取り出した別のローターをきれいに洗って、今度はボールを外さずに、装着!

よし、やっと完成、ウラブタを締めましょう。
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とりあえず完成!



●振り角が出ない。。?●
これで、歩度を図ると、日差数秒と出ました。よしよし。
ただ、振り角が95度、、と出ます、、。
びぶ朗はXP用のソフトだと聞いていますが、Win7で問題なく動いているのですが、もしかしたら、このあたりでおかしいのかな。私のピックアップマイクが悪いのかも、、、。

でも、いつも見ているのより、弱弱しい振りなような気もするし、
でも、感覚的なのでよくわかりません。5振動だからあんまり激しく見えないだけか、、。
気になるので、結局自動巻きを取り去って、ざら回しでもう一度チェック。問題ないように感じます。
振り角が出ない原因は色々なことが考えられるので、難しいです。
どう見ても、95度ではなく、もっと振っているのは冷静になればわかるのですが、やや混乱していまして、どうしてもおかしい!
と、ローターを盗んできたジャンクからアンクルやガンギを付け直したりしました。これが泥沼の始まり。

テンプの縦アガキが足りないのか、と思いましたが、ネジを締めて弱まるとか止まる、いうことはないのです。アガキがありすぎるのかな?

あれこれ外してはつけてみたり。結局原因がわからない。
ただ、思い立って、他の時計をびぶ朗にかけたら他のものも98度、などと出ているので、ジェットが悪いのではなく、私のびぶ朗の使い方が悪かったのか、と変な納得を。
ともかく組み立てなおして、普通に動いています。


●ゼンマイじゃないし風防でもない●
2、3時間散歩にいってそのあと外して置いておくと、翌朝止まっていました。
うーん、巻き上げ不足なのかな。
次の日、仕事につけて行ったら、翌朝止まっています。
組立時に、ゼンマイが6周半ほどけることを確認したので、そんなに短いはずはない。
なんでだよ。
もう一度分解したら、あれ、ムーブを取り出したら、動いてるぞ、、?
一応、テンプまで外して、ゼンマイを外してみると、ばっちりゼンマイのトルク残っています。脱進機周りなのかなぁ、テンプのアガキなの、、?

あれ、でも、一番シンプルなあれか、風防と針の接触?でも、最初組み立てたとき問題なかったじゃんか、とブツブツいいながら。
よく見比べると、デッドストックのデイトなしの風防と、もともとの風防を比べると、後者のほうがやや高さがあるのです。
ウーン、これじゃないかもしれないけど、一応、もとの風防に戻しておくか。
汚かったので、デッドストックを使ったのですが、サンエーパールで磨けば使えるレベル。

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このサイクロプスレンズ(?)は、表側じゃなくて、内側についているんです。

これが内側↓
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●テンプ、アンクル、ガンギなのか?●
とにかく、また、これで平気で動いているようなので、次の日、仕事へ連れて行きました
と、今度は、「帰ってきて翌朝止まっている」とかじゃなくてもっと深刻。
会議がつまらなくてぼけっとしていて、まったく時間がすすまねえな、会議ってものは、、、。と思ってたら、10:20で本当に止まってました。

えーー、、風防じゃないだろうし、振っても叩いても針は微動だにしません。
会議中結局ジェットのことを考えていました。

家に帰って泣く泣く分解。
もちろん風防を外しても動きません。自動巻きをのけて、テンプを見ます。はじいても全くアンクルが動かない、、、なんじゃ、、そりゃ!
テンプを裏返してみると、振り石が半分以上カケています。

いつのまにこんなことになったのか。またしてもガラ箱のジェットから拝借することに。左が振り石のかけているテンプ。実は、さっきのガラ箱のジェットのやつもなぜか振り石が欠損。運よくもう一つだけジェットを積んでいる個体を発見し、そいつから拝借。
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あとでわかったけど、こんなところにいました。

新しいテンプを装着して、また息を吹き返したんですが、今度は、姿勢を横にすると一気に振りが弱まります。これってアガキがありすぎるんですかね、、?

顕微鏡で耐震装置(パラショック)を見てみると、そういえばあれこれテンプを付け替えているうちに、石の油がすっかりなくなってるぞ?一つ何かを改善しようとすると、他がお留守になる、という始末。
裏表、石を外して、油を入れなおしたら、今度は姿勢を代えてもちゃんと振っています。

またムーブを入れて、自動巻きを組み込んで、、。少なくとも今回の件で、ジェットの自動巻きの組立だけは上達しました。はい。

よし、動いているね、よしよし。
さて、時間を合わせてどのくらい持つか見てみようね、、と時計の顔をこちらに向けると、また止まってる!


2人のジャンクJetが手を貸してくれて、わざわざ機留ネジも入手して、デッドストックケースを買ったんだよ。このまま終われねえぞ!
と思うと余計に焦ってしまい。
テンプは振れないのに、気が振れそうになりました。
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●座金?●
よくよく落ち着いてみると、どうも、文字盤を取り付けた後に、元気がなくなるような気がしました。
いや、もう気のせいかもしれないんだけど。
さらに、筒車の上に乗せる、この座金の曲がり方が、ジャンクのヤツよりよわっちい?↓右がガラ箱のジャンク
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スペースが足りなくて、文字盤に押し付けられちゃうのかな?
もう、できることはやっておこう、と思い、いちおう、こっちの曲がりが強いヤツをいただき、なんとなく、一応ちょっとだけ座金の下にD5をちょっとつけました。
そいで、文字盤乗せて、干支足のネジを緩めたり締めたり、何度も繰り返して、テンプの振りが弱まっていないようなポジションを選んで固定しました。
あまり関係あるようにも思えないが。

とにかくこれで止まらずに朝を迎えることができました。


そして本日、会社に連れて行ったところ、無事に10:20を乗り越え、
(念のため別の時計を右手につけた出勤、、)

針が止まらないありがたみをヒシヒシ感じながら、帰宅。
そして、この記事を書いていて心配になったので確認したところ、動いていました。
なんだか原因がわからぬまま終わってしまうのも情けないのですが、精魂尽き果てつつあったので、動いていることを評価しようかと。
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明日は、その3、ストラップ編です。
朝、止まっていたらちょっとアレですが、、。

字ばっかりの記事を読んでくれてありがとうございました。
では、今日はこんなところで。