MOERIS 17石 手巻き 10 1/2CD (モーリスには古時計の魅力満載!)

モーリスと言えば、モーリスラクロアMaurice Lacroixを思い浮かべるかもしれませんが、ビンテージ・アンティークの世界では、モーリスと言えば、MOERIS(モリス)ですね。今はもう存在しないスイスのメーカーです。今日ご紹介する時計が、この趣味にのめりこんだきっかけです。

最近すっかり使わずにぽつんと時計ケースの端っこに座っていたので、今日はあのときの思い出を。といってもそんな昔じゃあありません。
 
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MOERIS
17
手巻き
18000回/時(5振動)
Cal. MOERIS 10 1/2CD
クロコ・玉符・ボルドーを着せて


自分でジャンクや中古の時計を安く手に入れて使えるようにする、ということを始めたのは、自分としては初めての高級な時計(現行品)を買ってから、間もなくでした。もっと時計がほしい、でも高くて買えない。そして、デカアツは私の細腕にはむり。
All aboutの倉野氏のコラムを読んだとき、モーリスやエニカを知りました。
以前は中古時計と聞くと、ボロイ時計に高い金を出せるかよ、と思っていたのですが、これを見て、大きく気持ちが変わりました。むしろ自分に合っているな、と。
 
そして、ヤフオクでのたくさんの出品物や様々なヤフブロの先輩方のブログを見まして、この趣味に踏み込もう、と気持ちが固まりました。
 
特に、モーリスと言えば、猫先生の写真が素敵です。
 
手に入れたのが、私の好きなアラビア数字が入ったもの(本当は全数字がいちばん)
不動で、リューズが重かったです(今よく見ると曲がっています。今も曲がったままなのでやや重いのですが)
50年代のもののようです。チラネジのテンワで、耐震装置がありません。
練習のために、いくつかジャンクのセイコーをやった後だったのですが、モーリスをあけてムーブのかっこよさに驚きました。
 
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受けや地板がペラペラでなくて、くみ上げるときに、パーツがしっかりはまります。
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ネジも高級でした。でも、慣れていなくて、ずいぶんネジを笑わせてしまいました。
 
 
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チラネジというのも初めて見たんです。
ウーン、時計好きが「ムーブメントがうんぬん、とか裏スケがいい」とか言う気持ちがよくわかったぞ!と。
 
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そういえば、ムーブの裏面の地板に刻んである目盛のようなもの、これはいったい何なのでしょうね。以前、誰かのブログで話題になっていましたが。
 
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ゼンマイを洗うのも、(今以上に)おっかなびっくり、といった感じでした。
 
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原因は、テンシン折れで、ヤフオクでジャンク探し。
写真がはっきりしないけど、安かったので、落札!届いたら、ちょっと型が違うタイプじゃねーか(テンプが違う)。
そして、次のジャンクは同じ型なのに、テンシンが折れてました。
ようやく三つ目で、まともなテンプが手に入り、そいつをくみこみました。
このそろったジャンクたちのために、また別のものを集めたり、、ということをその後やっています。いわゆるジャンクスパイラル、というものもこれがスタートですね。
 
全然写真がありませんが、針入れに苦労しました。
ジャンク練習の60-70年代のセイコーなんかに比べて、薄くて、カーブのかかった文字盤で針も曲がっています。針入れがしんどかったのを覚えています。
 
ともかくなんとか動くようになりました。
おそらく金張りかなにかなんですが、剥げてしまって、てっきり銀色の時計なんだな、と思っていました。
このはげぐあいも、味があっていいな、ということになっています。

完成して以来、明らかな片振りが気になってはいましたが、それもそのままなのです。さっき測定してみたら、進みも片振りもひどいですねえ。ドットが明らかに2列になっています。音を聞くだけでもアンバランスですから。
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リューズも曲がってるし、高級機に申し訳ないと思いつつ、この古いタイプで片振りを直すのは多分私には無理だろうな、と棚上げ中。


さて、ストラップです。 
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4か所のインデックスの赤のポイントに合わせて、クロコのボルドー(ワインレッド?)を着せています。
コイツは、以前ご紹介したクリケットのために作ったものなのですが、長さが短すぎたので、こちらにまわしました。尾錠は無理ですが、Dバックルならちょうど良い、という寸法です。
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レザークラフトも初めてから日が浅く、部位のかなり悪いハギレを使っていて、ステッチも今よりヘタクソです。でも柔らかくて、ビンテージなモリスによく似合っていると、このまま使っています。
遊革一個だけの仕上げです。あえてベージュを使ったのですが、ゆるゆるで使いにくい。
 
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そうえいば、観音開きのDバックルは使いにくいなあ。私だけでしょうか。
三つ折れが一番便利、次は普通の尾錠(ピンバックル)、最後に観音開き。

まとめましょう。
 
モーリスは、高級感漂う素敵なムーブが入っていて、顔が渋くていかにもアンティークな雰囲気、シンプルなものが多く比較的いじりやすい、昔の時計だけど小さすぎない、そして、けっこう安く手に入る!
とにかく、古時計の趣味をやるものにとっては魅力満載なのです!
Mのマークもかっこいいじゃないですか。
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アンティークの中堅御三家(?)エニカ、モーリス、シーマはとっても魅力的な時計たちです。今後もご紹介して行くつもりです。
 
最近、どうも忙しくて分解掃除もレザークラフトも滞っていますが、これからもがんばります。
 
今日はこんなところで。お付き合いくださりありがとうございます。