Rolex Oyster Precision ref.6426 cal.1225 (その1:分解編)

ロレックス オイスター プレシジョン ref.6426
その1 分解編
 
久しぶりの分解記事です。作業したのは1年半ほど前です。
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ロレックス
オイスター プレシジョン
Ref.6426
手巻き
Cal.1225
1968年製
純正巻きブレス
 
GMTマスターを持っていた頃、ロレックスブロガーさんや雑誌の影響を受けて、アンティークなシンプルな黒文字盤(できればデイトなし)の手巻きが欲しいゾ、と思い立ったのが確か、2年ぐらい前。すぐに、ちょうど良い価格控えめのジャンク品が出品されていたので手に入れました。
とても気に入って、その後、GMTマスターを処分して、これとヨットマスターの2本立てでロレックスが落ち着きました。

秋になったのでまた登板回数は増えそうです。

 
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ずっと大事にしていきたいと思わせる、飽きが来ないけど高級感を感じられる時計です。
黒文字盤でデイトも無いのでシンプルかつシブくてかっこいいのですが、欠点としてあげるなら秒針が太くしっかりしているので、一瞬、分針と見間違うことが、結構、ある、ということ。
 
 
 
では、これから、分解時の写真です。
 
「ちょっとだけ動くけど不動かも」というジャンク品。10マンぐらいだったか、届いた時点で全く動かない状態でした。開けてみたらゼンマイ切れでした。
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でも、全体に状態がよくって、きれいです。
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リューズは磨耗がほとんどありません。
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専用工具で裏蓋を開けました

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裏蓋の内側には、なんどもしっかりとオーバーホールした記録が残っています。これはロレックスでちゃんとやってもらっていた時計なのでしょうかね。だからリューズも交換されているのかも。
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そんな律儀な以前の持ち主には悪いけど、シロウトがいじくらせてもらっちゃいました。

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オシドリねじは、ゼロの位置で1.5回転ほどネジを回すと抜けました
リューズ引いた状態だとはずせませんでした。
 
リューズの内側、ゴミ(微細な糸くず)がつまって、ゴムも相当ヤラれているので、交換することにします。
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スペーサーをはずして、
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機留めの板をはずします。表裏を間違えやすいので一応写真を撮っておきます
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文字盤のアップ。
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オリジナルに見えます、ワタシには。つやがちょっとあるんだけど、インデックスのまわりは劣化が来ています。顕微鏡で見ても、文字がとっても緻密です。
インデックスの外側の半円のトリチウムと針は、ほんのわずかに、申し訳程度に光る、といった状態でした。
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針の高さを記録しておきます。こうしてみると、針がしっかりしていますね
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さすがに、針の夜光は劣化が進んでいます。ロレックス様に持ち込んだら交換されちゃうんでしょうね。もちろん。
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夜光に触らないように少しは磨こう、と思ったのだけど、おっかなくて結局ほとんどいじらなかったと記憶してます。
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文字盤をはずします。くれぐれもエトアシに注意して。
 
文字盤の裏を確認しましょう。SINGERの刻印がありますね。
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はて、このベトっとしたのは、そうです。グリスです↑↑
このままほうっておいたらもしかしたら文字盤外周か、中央の穴から表面に漏れていたかも!イヤー、今こそ分解してよかった!
 
なーんて、思うのが分解趣味の醍醐味。
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たしかに、香箱真の部分からグリスが広がっています↓
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さて、ムーブメントの表に行きます。
このカッコイイ重厚なムーブメントを見ると、熱心なロレックスフアンの気持ちがチョット分かります。
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三番車が、アンティークでレトロな出車式です。
こいつの扱いには気をつけないと、オメガの30ミリキャリバーで昔失敗した反省を生かして、工具の足場に注意します。
 
まずは、サランラップをかぶせて、
歯車が5本のアミダです。工具は2本対1本のツメなので、これをちょうどアミダの間に添えて、グッとまっすぐ思い切って抜きます。
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躊躇せずに、ぐいっと。
 
↓はずすと出車の部分、三番車の長いホゾがみえます。
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角穴、丸穴、コハゼをはずしていきます。
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この受け(ブリッジ)が分厚くてカッコイイよね、ということで拡大写真↓
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輪列です。中央から二番三番四番、ガンギ車と連なってます。
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これで、表側はほとんど分解終了。
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香箱をはずして
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フタを開けたらば、このようにゼンマイが切れていました
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これで二番車を残しておしまいです。
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クルっと裏返して、裏面へ行きます。
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ごく普通の構造です。画面左上にはカレンダーの日送り車が入りそうな構造が見えます。「オイスターデイト」も同じCal.1225だから、地板は共通なようです。
同じキャリバーでカレンダーの有り無しだけで使いまわすなんて、ちょっと意外ですが(↓参考 デイト有りの1225)
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ムーブ外周に枠をつけてそこにカレンダーを載せるスペースができるんですね
 
 
 
これで、分解も終わりです。
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よく洗浄して、乾燥します。
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ロレックスのムーブメントがかっこよかったので、随分たくさん写真を載せて、長くなってしまいました。構造自体は特別なこともなかったのですが。。
 
次回、組立編に続きます。
 
今日は、こんなところで。読んでくれてありがとうございました。
 
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