SEIKO 5 ルナカレンダー 6347-600A (その1; 分解編 セイコー5唯一の月齢表示)

すこーしずつ何とか分解を再開しています。
今日は、めずらしいヤツを。
セイコーファイブ好きならご存じ、ルナカレンダーです。
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入手時の様子です。ボロボロで不動です。

当時、国産唯一の月齢表示です(セイコー機械式に限定すると、他には無いのかな?)
デザインもスポーツ系のファイブのデザインとはずいぶん異なったものです。六角形八角形のケースといい、エンブレムがなければファイブとは思えない、、。まあそこが緑青でかくれちゃってますが。
セイコーファイブの高い需要のあった海外(アジア)ではこういうデザインが受けたのでしょうか。もともと輸出向けですが、国内でも聖地(?)長野で限定販売だったとか。


セイコールナカレンダー6347-600A(輸出仕様)
1985年2月
cal 6347A
23石
自動巻き
21600回/時(6振動)
ワニでなく今回はブレスで

もはやクォーツ時代に入っていた80年代に作られたモデルです。
ベースは、以前紹介した6306A(21石)です。以前、アクタスでご紹介したあのキャリバーです。部品数が少なく合理的な分解修理に向いてるヤツです。

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私が手に入れた個体もインドからゲットしたもので、水がはいったのか、中も外も文字盤もズタボロです。

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サビの大きな被害は巻真の周りになんとかおさまっていますが。
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ケース内もひどく、なにをさておき
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この文字盤にはガッカリです。
緑青が咲き乱れています。

今回は、これを何とかしたい!というのが大きな目標でしたが、、(どうなったか、想像つきそうですね。それは次回、ということで)

今日は、せっかくなので分解がてらムーンフェイズをよく見ましょう。

あれ、文字盤がはずれねーぞ、と思ったら、、、やってくれちゃいましたねぇ、、接着剤で文字盤はりつけ。そして、ムーンフェイズの板を抑えるCリングがありません。きっと、ここにあったはず。
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月には、生物がいた!コケが生えています!!
緑青がまるでクレーターのように見えますね。


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接着剤をまずはゴシゴシと落とさないとな、、。
へこたれずに次へ進みます。

さて、おたのしみの月齢板を裏返すと、セオリーどおり59枚の歯が切ってあります。二つのお月さんがいるので、一日1枚歯が送られて、29.5日/月ということですね。
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どうなっているのか。
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灰色の樹脂の歯車が、一日一回、回転する日送り車です。
その樹脂の左下にあるピンが、1時位置の小さな月齢送り車?を回します。この小さな歯車が、上からかぶさる月齢板を回す、ということですね。
月齢板の躍制レバーは6時位置から生えています。
リューズを引いて月を送るときは、四時位置に見える樹脂歯車が内側に動いて回します。

6306と比べてみましょう。
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6306では、日送り車のピン(ちょうど真下をむいている)が、曜車を送る仕組みですね。曜躍制レバーが左から伸びています。
この、裏面からみた感じが違いますが、それ以外はまったく同じでした。


ざっと分解します。
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油がカピカピで、特に穴石の汚れが全体にひどかったでです。

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テンプを外します。
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テンシン折れてました、、残念

例によって輪列の番号を示す数の穴が歯車に開いています。
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じゃんじゃん外します。キタナイですが、欠品などはありません(Cリング以外)
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終わったら裏へ行きましょう。
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樹脂の歯車はやっぱり劣化が激しかったです。いちおう、使える状態ではありましたが。
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巻き芯周りがサビがけっこう来ていますが折れてはいません。
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どんどんはずしていきます。
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おしまいです。
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香箱をあけました。ガリガリのザリザリ、かと思ってましたが、案外悪くなかったのでゼンマイは取り出しませんでした。可能な限り洗うだけにします。
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次回、洗浄して、文字盤を○○して、、というのを紹介しようと思います。

なかなかどうして、趣味の時間が取れずに苦しい日々です。
それでもちょっとでも時計をいじれると楽しいです。


今日はこんなところで。
読んでくれてありがとうございます。




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