ジャンクいじりの醍醐味というか宿命というか、色々楽しい経験をしましたのでご報告です(その2)。
ところで、ジャンクの復活劇は、(私としては)以下のようなことが重なると喜びが増します。
(1)入手時ボロボロ(2)安く手に入った(3)復活に必要なパーツが、まとめ買いしたパーツやガラ箱から偶然見つかる
今回はこうした要素が多かった気がします。
昨日のセイコースポーツマチック5の続きです。
各部品は、ベンジン・超音波洗浄をしました。
汚れがひどいものが多かったので、刷毛洗いも。
●一通り組み付け編●
ダイヤショック、ダイヤフィックスは石を外して、よく洗い、メービス9010を注油。
二番車のホゾには9020を。
香箱芯のホゾや肩にD5を。
四番車は二番車の中を通って秒針が付きます。9010を根元の座金とでっぱりの部分へ
ざら回しをして。
テンプ、角穴車を。
手巻きが無いのでそんなに複雑ではないです。日の裏車のピンに9010
右下の日車送り車にも。
中央右上が曜車送りレバー。曜車と接触するところに9010を。
プッシュして日車送りができるかチェック。
下方の長いレバーがプッシュの力を貯めます。OKでした。
日車をのっけて
受けに日車送りレバーのピンをのせます。
このあたりが少しイヤな作業。
そういえば、この作業マット。とても快適。何度かパーツを落としたけども、神隠しは起こりませんでした。
日送り、曜送り、問題ないので、針の座金をのせて、文字盤をかぶせます。
日付が変わる付近で、針を入れて
一応、完成
●問題発生編●
まず、しょうもない凡ミスをしでかします。
このジャンクは風防はまあまあきれいだったので、サンエーパールで仕上げたのですが、ベゼルではめ込むタイプだったのに、まちがったコマの選択をして、あっさりピキっと中央を割ってしまいました。
お、スポーツマチックのストックがあったじゃないか!しめしめ。
そういえば、パワリザを確認するためにドライバーで角穴ネジをジャンジャン回すと、コハゼバネが外れてしまいました。
左上の穴にひっかけているバネの曲げが悪いのかと思って、ガラ箱のスポーツマチックと比較したのですが、まったく同じように見えます。
自動巻きでの巻き上げくらいなら問題ないようなので、とりあえずヨシとします。
次です。動き出したので、放置して翌朝見ると、全然時間が進んでません。秒針は動いてます。
これは、二番車のホゾと筒カナの摩擦が足りない、という症状だと聞きました。
筒車を外して、筒カナを外しました。
このとき、あせっていて、いつもどおり、針抜き(写真奥)を使ったのですが、このせいで、二番車の内側をとおっている4番車の先端をつぶしてしまったような気がします。今考えるとなんて危険なことを。
この状態で、ちゃんと分針が動くかチェックしよう。
よし、大丈夫。
いちおう、ガラ箱のスポーツマチック5のパーツを出して見ました。コイツは6619ではなく、ひとつ前の410というやつ。
微妙に違うんだな、こりゃ。試しに筒カナをこいつに交換したら、もっとだめで、まったく動きません。
まあ元のパーツでなんとかなるかな。今度こそちゃんとベゼルを押し込めるコマをつかって
ストック風防をはめ込みます。右が割れたやつ。
さて、文字盤付近のホコリを落として、
自動巻きを組みます。ピンや手の部分にD5を塗って、ベアリングには9010をさします。
リューズのパッキンにシリコングリスをちょいとつけて、差し込もうと思ったら。
あれ曲がってるじゃないの。
ストック箱からちょうどいいサイズを見つけたんだけど、パッキンのサイズが合わないので元のヤツを付け替えました。
本体のガスケットは外したときポロポロに崩壊したので、汎用パッキン(フラットタイプ)を。ちょうどいいやつがありました。
さらに問題発覚。
リューズにグリスを付けて、自動巻きをのっけて、機留めネジを締めたら、あれ、テンプが止まっている。秒針が動いていない、、、。
秒針が風防に接触しています。
なんと!風防が違うんじゃん!
径はピッタリだったけど、高さが足りないのよ、、。しかし!
運よく本当に純正のものを見つけました(最初からよく探せ、と思います自分でも)
右端が割れたヤツです。
いさんで、ベゼルをこじ開けで外してさっきの風防を取り出します。
このときなんだか感触が変だったんだよなぁ、、。
ヨッシャー完成!とこの風防を載せると、どうでしょう。
なぜかベゼルがスカスカ、、、。
あれ、風防の外側の系が元のヤツと違うのか、?と思って、古いやつを入れてみてもスカスカ、、。
どうやら、もともとヨレヨレに疲れていたベゼルが、さっき外したときにイッてしまった模様。そうとうガワもベゼルも傷んでいましたから、、。ガラ箱のスポーツマチックはムーブだけだし。
ベゼルのためにあらたに落札するなんてやってらんねーってことで、ウンザリして、少し頭を冷やすためにも、このスポーツマチックはお蔵入り決定。
色々記録を書いて、ケースにしまって、タイムマシンの入り口に放り込んで置きます。
ストラップどころじゃなかったな、、。学刈。
期待を持たせて最後の最後につきおとされた気分ですね。
労力、時間と金をかけてデートしたのに、あとちょっとで振られてしまいました。
でも、これでもやめられないのが恋愛、いや古時計いじりですね。
●反省編●
もっと、落ち着いて、よく調査してから、そして分解前によく状態を把握してからやりましょうよ。
ずいぶんとそそっかしい性格なので、あまり向いてないのかなぁそもそも。
と、2,3日、落ち込みましたが、まあ気を取り直して。たかが趣味!
色々勉強になりました。
お付き合いくださりありがとうございます。
今日はこんなところで。