カンパノラ cal.Y513 メカニカル(グローバルアート的な限定モデル)

カンパノラの記事はとりあえず、終えたはずだったのですが、気になりました、最新作が。そこでメカニカルコレクションについてもちょっとメモを残します。
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ラジューペレを乗せたシチズンファンの期待を裏切る「ハイブリッド」カンパノラについては前回の記事の最後の方に、少し書きました(※それからエコドライブコンプリケーションにも追記。)。コンセプトが、日本とスイスの技術の融合、みたいなことですが、どうも納得がいかないなぁ、とつぶやいていたのでした。


●仕様
Cal.Y513(ラジューペレ)
自動巻き(手巻き付き)、日差-5~+10秒/日、パワリザ約42時間、25石 、毎時28,800回、パワーリザーブ表示機能、ハック機能、日常生活用防水、ステンレス、 デュアル球面サファイアガラス、裏スケ
文字盤は中期カンパノラにも見られた電気鋳造

NZ0000-58W
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NZ0000-58E
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いずれも価格は50万ほどです。


●漆文字盤の記念モデルの登場
2015年に、2000年からスタートしたカンパノラが15周年をむかえ、3種のコレクションを発表したのです。この記念モデルがデザインはカッコイイゾ~~、
思わず、久しぶりにカンパノラのページをなめまわしました。これは現物を見てみたい!!
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私としては、このメカニカルモデルは、文字盤の間延び感が一番気になっていたのですが、漆職人の儀同哲夫氏の登場により、ガラっと魅力的になりました。
いずれのモデルも、電気鋳造の文字盤の上に漆を5層に塗ってから細工を施しています。

NZ0000-07F(琉雅 りゅうが)
あの、カッコイイ真っ黒な時計、「チリジラデン」でもやっていた螺鈿(らでん)細工を施したモデルです。こういうギラギラ、ではなくキラキラとい表現がふさわしい文字盤は、本当にイイと思う。
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NZ0000-07W (紅明 べにあけ)
漆モデルの定番、「深緋(こきあけ)」ではなく、今回はベニアケ!なんです。色味はちょっと似ていますが、作り方が全然違うんでしょうね。コキアケよりも深い色です。銀粉を蒔いてその上に赤玉虫色の漆を薄く塗り、銀の粉を密着。中央部は炭を用いて銀を磨き、全体を砥の粉で研磨。さらにもう一度赤玉虫色の漆を銀の上に塗って磨くそうです。このザラツキ感も、写真で見るだけでも、他では見たことのないような独特な雰囲気を醸し出しています。
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NZ0000-07P 聚楽 じゅらく(ホテル聚楽ではありません)
シチズンコンセプトショップ限定50個)
これは、カッコイイです。文字盤の表情がすごいゴージャスだけど、渋い。たしかにイメージとされる「桃山時代の黄金」という雰囲気が漂ってます。丸い純金を蒔き、定着した金粉の上から黒漆を薄く塗り、ベニアケと同じように炭を使って研磨。その際に文字板の中央部を丹念に研ぎ出し、光沢をもたせています。
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文句なしに聚楽が一番イイですね。他の二つは、やはりこれまでのカンパノラと少し雰囲気が似ているからというのがあるかもしれません。


●価格とムーブメント
でも80マンか~~。高いなぁ。
高級機械式時計が好きな人々は、果たして80万でシチズンをえらぶのか、、、80万あれば中古のロレックスとかを頑張って探すのでは。それが無理でも正規でオメガとかブライトリングとかそういうのを探すのではなかろうか。
否!もともとカンパノラは、国産愛好家、クォーツ愛好家、または、熱狂的なシチズンファン向けでしたね。いや、でも、クロノマスターが10ぐらいで買えるしグロリアスシチズンの中古が50~60万とかでヤフオク落札されているし、茜宙(アカネゾラ)がヤフオクで40万くらいで落札されてるしねぇ、、いや、まぁもちろん、これは中古の話ですが。
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ムーブメントが、ラジューペレだからこの値段になったのかな、と考えてしまうのです。ミヨタの9015にちょっと彫り物をして日差は適当でいいから、50万ぐらいにできなかったんでしょうか。
シチズンがスイスのプロサーホールディングSA(アーノルドサン、プロトテック(部品)、ラジューペレ(ムーブメント))を2012年に買収したことはとても話題になりました。プロサーの持つスイスメーカーのパイプラインが狙いとか、ETA問題から日本製のムーブメントの需要が高まるとか色々もちろんあったんでしょう。シチズンほどの大会社ともなれば、そういうことを考えるのは当たり前で、時計師が社長のFPジュルヌみたいのは極めて特殊なんですよね。
一方で、その数年前から8000系のオールドシチズン以来、自社の機械式を復活させたのですから、それをのせてくれる方が、よっぽど、シチズンファンの心に響いたのではないでしょうか。ザシチとの区別なのかな。そこらのファッションブランドとか、スイスのウラスケからパラショックが見えているのに、カンパノラにパラショックが無いなんて、私は悲しい!!とハンカチをくわえる御仁も多いのではないでしょうか。

カニカルモデル発表のとkも、日本とスイスの関係が云々という記述があったのですが、この記念モデルでも、シチズンは、ラジューペレでカンパノラを作ることで、スイスの伝統と日本の~。。みたいなことを言っておられます↓
「『GLOBAL ART』をコンセプトに、日本の伝統工芸である漆と2012年に当社が傘下に収めたスイスのラ・ジュー・ペレ社の機械式ムーブメントを組み合わせることで、日本とスイスの匠の技の融合から生まれる新しい価値を提案します。」
これがグローバルアートなのかなー。と、なんとなく受け入れられないのです。


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いや、ともかく、限定モデルの美しさは注目すべきだと思いました。
ただ、いつかは、シチズンの機械式ムーブメントをのせてこういったものを作ってほしい、それで、グローバルアートとか言わずに自信を持ってバーゼルで発表してはいかがか、と。
機械式カンパノラを、とりあえず、私も、私のそに鳥も、草葉の陰で見守っていこうと思います。


●蛇足
ところで、復活したシチズンの自動巻きは、ザシチズンの0910と、ミヨタの9015というのは基本的には同じなんでしょうか。ハイグレードというだけな気はします。

0910
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9015
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調べてもちょっとボヤーっとしているのですが高級機と普及機の違いということでいいのでしょうか。(「ボヤーっとさせている」ということは、つまり同じということか)

ザシチのCal.0910の開発秘話と、Cal.9000系(ミヨタ9015等)の開発秘話がそれぞれシチズンが別のところに乗せているのですが↓
0910

9015



今日は、こんなところで。
読んでくれてありがとうございました。
月がきれいでした。

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