今日も、会社の同僚の時計の電池交換。
秒針が4秒送りになったというので持ち込まれました。
グッチ クォーツ 5500Mです。
ミニッツ目盛りが無いので時間が分かりにくいけど、オシャレな時計です。黒文字盤がクールです。一見わかりづらいけどベゼルのデザインが上下非対称なのです。
実は2年前に依頼されたとき、ラグのバネ棒がサビて固着して、大変な思いをしたのですが、、、↓
今回も同じ症状でした。サビて、バネ棒のふちをひっかけてもビクともしないんです。
また、このフラッシュフィットが無垢で、アクセスできるのがほんとにはじっこの部分だけなので、かなりしんどいのです。
片方は、なんとか、力業でやっつけられました。このようにさびています。
ですが、こちらは、完全にダメな感じ。びくともしない。
とりあえずジェルのクレ556を付けて2~3日様子を見たのですが、どうにもこうにも。
その後、折れネジ救出用のベルジョンのヴァッサン液(硫酸だか塩酸の薄い液)をバネ棒の端っこに注入し、2~3日
最後は、リューター細いダイヤモンドヤスリのを使って、浸した部分を削りました。
ヴァッサン液のおかげでややモロくなっていた部分を地道に顕微鏡下で削って
ようやく取れましたよ!いやー手ごわかった。
このような状態。
いやはや、でも大きな傷もなく、無事にレスキューできて達成感がありました。。
この裏蓋は、2年前にもやりましたが、気をつけねばなりません。
真横から見るとわずかに浮き上がったような
ゴムパッキンではなく、テフロンの赤リングなのです。傷つけずにそっと外します。
2018年の1月29日に電池交換したのか、もう2年もたったのか、そして2年もしっかり動いていくれたのだね。と、なにやら感慨深い。
ムーブメントは、ETAの955.412 せっかくなのでルビーの部分には、クォーツ用オイルのAO-2をごく少量、注しておきました。
電池はSR920SW
今回の作業は、レアな「2月29日」です。
樹脂リングをしっかりとはめて、ゆっくりと押し込みます。ガコンと行かないので、不安な感じなのですが、テフロンリングの場合はこれが正解なのです。
バネ棒を刺すラグ穴はこのようにサビが残っていたので、この後、しっかりとつまようじで取り除きました。
ここがまたサビの温床になりそうで怖いので、気持ち、ですがシリコンオイルをつけておきました。
そうそう、ついでに、以前、同僚からいただいた古いタグホイヤークォーツも電池切れの信号(秒針4秒送り)
こちらは、電池交換後4年は動いていたんですね。
ムーブの違いというのはあるけど、この9月27日には、一応、分解掃除をしたからかな?↓
上記、グッチのほうは、単に電池交換だったから。
そうだとしたら、分解掃除の効果あり、ということでうれしいね。
最後に2つそろって、記念撮影。
グッチ、なかなか、かっこいいよね。
今日は、こんなところで。