Gucci 5500M ETA cal.955.412 (電池交換、テフロンパッキンの交換、ブレス修理)

グッチ 5500M クォーツ ETA 955.412 電池交換とブレス修理

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仕事では、棚上げ、ペンディングでごまかしてなんとか年度末を乗り切りました。年度初めからピーピー言ってます。
それで、時計趣味のほうも、たくさん、作業やり残し、記事書き残しがあるのです。

今日は会社の先輩から預かったグッチの電池交換とベルト修理&ライトライトポリッシュ。です。

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さすがグッチで、おしゃれなデザインの時計です。
前から、その先輩の時計が気になっていました。ただ、ある日、ブレスが変わっていて、弓カンが全然あっていない、バンビのものになってたのです↑

聞くと、ブレスがサビて再利用出来なくなったと。また、電池も止まって、ケースにはキズが多く、針にはうっすらと青サビみたいなものまで出ています。
バックルも調子が悪いというので、預かることにしました。

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一本を夏場もずっと愛用し続けているためでしょう。
スクリューバックでないこの時計には水気が入ると思います。針の青サビが気になりますが、文字盤はヤラれていません。

こちらが純正のブレスです↓
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ブレスのデザインがかっこいいので、ぜひこちらを使って欲しいです。
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話をきいただけではイメージできなかったのですが、このように、バネ棒がさびてしまって使用不可、しかも、フラッシュフィット(弓カン)から引き出すこともできなくなったのです。自分でほじくろうとしたら先端が折れてしまい、いっそう救出不可能になったようです。

コイツは手ごわかったです。とりあえず手持ちのジェルのクレ556をつけて2~3日。
その後は、叩いたり、
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ほじくったり、
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なんとかして、
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死んだバネ棒を取り出しました!
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両側ともこうなっていたので、結構ヤッカイでしたね。
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次はバックル部分です
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ココもサビが来ています両側のボタンでプッシュかと思ったら。一方は固定されているダミーボタンでした。
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いずれにしても、このように、一方のツメがひんまがっているのが、閉まりの悪い原因でした。
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内部が微妙にさびているのであまりウマクないのですが
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一度、全部バラして、よく洗ってサビと汚れを落としました。
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横から見るとバネが入っています。


きれいにしたら、ひん曲がっていたツメ部分を叩いてまっすぐにしました↓
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もうOKかなと思ったら、ピンがはずれました。ほんとははずれちゃいけないところ
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ココはこんなかんじで、棒にカバーがかぶさってカシメられているようです
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よくわからないけど、カバーのほうのミゾを叩いてキツ目にしたらなんとかなったみたいです。
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でも、チョっと心配です。使用中にいきなり落下したらどうしようねぇ。

それでは、肝心の電池交換です。

この時計は薄型のおしゃれ時計です。スクリューバックではありません。
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結構簡単にパカっと開きました。ムーブメントはキャリバー955.412です。イメージ 21
電池はSR920SWです。

ムーブメントを取り出しました。
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針をはずして秒針が微妙にズレたりすると面倒なので、ちょっと乱暴ですが、このままピカぴ缶を爪楊枝に巻きつけて顕微鏡下で磨きました。これで多少、青くなったサビはきれいになりました。


リューズのまわりはやはり汚れています。洗剤で全体をよく洗いました。

ケースとブレスはこの後、簡単ではありますがリューターで磨きました。
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よく乾かしてから、電池を交換してフタをして、完了です。

ただ、もう一つ問題ガありました。赤いプラスチックパッキン、部品屋によれば、テフロンパッキンらしいのですが、
こいつは何度も何度も再利用しているとゆがんだり劣化して閉まりが悪くなります。
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この手の薄型のスイス製ETA搭載クォーツには、このテフロンパッキンのタイプのものが多いです。普通のゴムパッキンとは閉まる仕組みが違っています。
ゴムの場合は、ポコ蓋にしてもスクリューバックにしても金属だけで蓋が閉まるけど、防水性をサポートする役目があります。
しかし、このプラスチックパッキンは、こいつの反発力でフタと本体がうまいこと閉まっているという状態なのです。ゴムでは代用できません。

油断していい加減にはずしたり閉めたりするとゆがんだり傷ついたりしてパッキンがダメになるようです。
この時計は何度か、待ちの時計屋で電池交換をしていたそうです。そうするとパッキンもやられてきて、機密性が悪くなり、湿気が入り込む可能性が高くなりますね。
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フタをしたとき、なんだか、いまいちハマった感じがしません。

もしかして私が壊したのかもしれないけど、これでは防水性が心配だし、下手したらツメを立てただけで裏蓋が開きそうでした。

とりあえず新品に交換しました。
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ぴったり合うやつを探してきます。
左が新品です↓
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こうやって裏フタにはめて
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本体にあてがっただけだとこのような状態↓
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これを、まっすぐ水平にゆっくりとシッカリと押し込みます。
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普通のポコ蓋(スナップバック)のようにパキン、という手ごたえはありません。
グーーー、、と抵抗を感じながら入っていく感じです。
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これでバッチリです。
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完成。私の簡易的な磨きなので、ちょっと磨きキズが残ったりしてますが、勘弁していただきましょう。
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ベゼル~ラグが上下非対称なんです。オシャレですね。
黒文字盤もかっこいいです。私はあまりローマンは好きではありませんが。


今回は、サビがテーマでした。長年の使用のためにブレスやバックルがやられていました。ブレスの超音波洗浄、バネ棒の交換は定期的にやらねばいけませんね。針のサビについては裏蓋の機密性の問題もあったのかもしれません。
また、テフロンパッキンの件は勉強になりました。比較的新しいスイス時計をいつもいじる人には常識なのかもしれませんが。

電池交換や異常が見られたらまた声を掛けて下さい、と伝えて、返却しました。


とても喜んでくれました。
こちらも、復活した時計が毎日、活躍しているのを見ているのがうれしいです。

なんというか、自分のために何個も何個もいじるのより、
大切にお気に入りの時計を使ってくれる普通の人のために時計をいじるというのは、いいものだな~とシミジミ。

まるで、何個もの(あまり装着しないモノもふくめて)時計をいじくる自分の趣味を否定するようですが・・・イヤイヤ、それぞれに愛情を持っているので問題ないのです。



今日はこんなところで。
呼んでくれてありがとうございました。
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